文章:山口 由紀(All About「二世帯住宅で暮らす 」旧ガイド)
団塊世代イメージ
退職後、生活スタイルが変われば住まい方にも変化が現れるもの...。そんな住まい方の変化を、ご紹介します。
4月を迎え、団塊世代の定年退職がいよいよスタートしました。そんな注目の世代を中心に行った実生活調査(旭化成ホームズ・ロングライフ住宅研究所)を参考に、リタイア前とリタイア後の、生活変化に注目してみました。

調査対象となった方々のデータを、(1)50代フルタイム・(2)60代以上リタイアに分けて集計し、2つのライフステージの違いを取り上げています。「生活スタイルが変われば、住まい方もこう変わる」という結果を、より良い住まい作りのヒントとして、参考にしてみて下さい。


「自分の居場所」が、リビングからダイニングへ!?

まず、住まいの中での「自分の居場所」についてみていきます。調査の結果では、世代に関わらず「リビングダイニングで過ごす時間が長い」という結果がでています。リビングダイニングは、一般的に家の中でも環境条件の良いところに計画されている場合が多く、個室に比べて広さも確保されているため、満足できる居場所になりやすいと思われます。

このような条件からも、夫婦ともにリビングダイニングで一緒に過ごす時間は長いのですが、「一緒にいても別々のことをしている」人が多いのも、長年連れ添った夫婦ならではの特徴と言えるようです。そこでさらに「リビングダイニング内で、最も長く居る場所」をヒアリングしています。その結果を、ご覧下さい。

リビングダイニングでの、居場所の分布
リビングダイニングでの、居場所の分布
(資料提供:旭化成ホームズ・ロングライフ住宅研究所)

夫の場合、50代フルタイムではリビングに集中する傾向が顕著なのに対し、60代以上リタイア層は、ダイニングを居場所とする人がやや増えているのが伺えます。在職中は忙しく、家ではテレビを見てくつろぐ時間しかなかったのが、リタイア後はパソコンや書き物など、ダイニングで作業をする人が増えているのでしょう。一方妻の場合、夫に比べると、もともとダイニングを居場所とする傾向が高く、60代以上リタイア層では67%と、かなり高い割合となっています。

これらの結果から、ご主人がリタイアされると、ダイニングで、夫婦別々の作業を一つのテーブルでする時間が多くなることが想像されます。退職後には、大きなダイニングテーブルがあると、夫婦で快適な居場所がつくれるのではないでしょうか。


“キッチン”は「夫婦の領域」と考える傾向も

そんなダイニングの近くにある空間、と言えば“キッチン”です。昔は「男子厨房に入らず」などと言いましたが、最近はどのような意識でキッチンを捉えているのでしょうか。そこで、ご夫婦それぞれに「キッチンが誰のテリトリーか?」とお伺いした結果をご紹介します。

キッチンは誰のテリトリー?
キッチンは誰のテリトリー?
(資料提供:旭化成ホームズ・ロングライフ住宅研究所)

どちらの世代も、やはり「妻」という答えがメインですが、50代フルタイムと60代リタイア層を比較すると、「夫婦両方」と言う回答が若干多くなっています。全面的な家事参加とまではいかずとも、退職を機に料理にチャレンジしてみたり、妻が留守の時に食事の支度をしたりと、キッチンに足を踏み入れる機会が増えるのがうかがえます。

リタイヤ後は、食事を作ることから食べることまで、じっくり時間をかけられる様になるものです。夫婦ふたりでキッチンに立ち、おいしい料理を作り、そしてじっくり味わうと言うのも、なかなか楽しい時間でしょう。リタイア層にとって、ダイニングとキッチン=食に関する空間の充実は、日々の生活を充実させるポイントのひとつかもしれませんね。


次ページでは、夫婦それぞれの「友人の来訪」についてみていきます。