かべの面積を確保して、パッとわかる収納に!
今回の調査では、リビングダイニングにあったほとんどの物が「奥行き30cm」に収まるということが判明しました。これは、収納の奥行きと大きく関係してきます。例えば、収納量だけを考え、奥行きを深くしても、かえって使いにくいことになるのです。このことから、収納はパッと見てわかる、奥行きの浅い壁面収納がベストという結論になりました。ちなみにこの調査では、リビングダイニングにある物は、子どもが学齢期の時期に最も多く、その時期でも「かべ面積7m2」あれば、これらの物がキチンと収まることがわかっています。このことからも、子世帯のリビングダイニングには、多めの収納が必要なことが分かります。また、最近はリタイア後に習い事をする方も多く、親世帯のリビングダイニングでも、文具やパソコン、趣味の道具などが増えています。
ひと目で何が入っているか分かる収納を確保することがポイント!
この様に、最も長く居るといわれるリビングダイニングをスッキリさせるには、ひと目で何が入っているか分かる収納を、確保することが必要となるのです。その収納は【かべ面積7m2】が目安。「かべ面積」をしっかり確保した「パッとわかる」収納で「だしっぱなし」を解決します。
扉をつけて、サッと隠せる収納に!
収納量と同様に大事なのが、見た目。オープンなLDK(リビングダイニングキッチン)が多くなっている昨今、キッチンの中が見えたり、収納の中が見えていると、どうしても雑然とした印象となってしまいます。そこで提案したいのが「サッとかくす」収納。食器棚や本棚などガラス扉の収納を、ガラス無し扉にしたり、ゴミや買い置きの食品スペースに扉をつけたりと、中身を見えなくすることがポイントです。扉をつければ、見た目もスッキリ!ゴミ置き場や買い置きのスペースを確保して、目隠しすることも、大事なポイントです。
最近は、ゴミの分別化がすすみ、収集日までのゴミの置き場所が必要です。また、親世帯は小まめに買物へ行くのも大変になり、水やビールなどをまとめ買いすることも増えてくるでしょう。このような状況を考慮すると、今まで以上にキッチン周辺の扉付き収納は必要になっているのです。
扉が閉まっていれば、いつも部屋はスッキリ。「サッとかくす」収納をたくさん確保して「おきっぱなし」を解決しましょう。
使う場所に設置して、スッと取り出せる収納に!
すぐに使うからと「かけっぱなし」になっているのは、使う場所としまう場所が離れているのが原因。そこで、玄関からリビングダイニングまでの間に、これらを掛けることができる収納を確保しましょう。使う場所に収納するのが、スッキリ収納のポイント。玄関周りに、外出に必要な物が収納できるスペースを!
調査で判明した必要量は、家族用の衣類5枚+来客時として2枚、合計7枚分を掛けられること。目安としては70cmのハンガーパイプがあればベストです。半間(90cm)の物入れにパイプを設置すれば70cmは確保できます。二世帯住宅で共用玄関であれば、これより少し多めに計画すると良いかもしれません。
このような収納が玄関付近にあれば、衣類のほか、毎日使う鞄やペットのお散歩グッズなども収納でき、外出の準備がスムーズになります。「スッととりだす」収納で「かけっぱなし」が解決できます。
以上「パッとわかる」「サッとかくす」「スッととりだす」収納、いかがでしょうか。部屋がスッキリすると、気持ちもスッキリするものです。3つのポイントを考慮して、使いやすい収納を計画して下さい。
<参考記事>
【実例】敷地30坪台、娘夫婦同居の二世帯住宅間取り
物干しスペースから考える、洗濯がラクにできる家
<関連サイト>
「上質な空間を演出する収納」実例集