理想の二世帯住宅を計画するには...そのノウハウをご紹介します! |
では、具体的にどのようなことに考慮すればよいのでしょうか。今回は、二世帯同居の現状調査から得た結果を元に、二世帯住宅プランニングの考え方をご紹介させて頂きます。
夕食スタイルが決まれば、理想の二世帯住宅が見えてくる
前回の調査の結果「夕食スタイル」の独立・融合が、家事・家計といった同居スタイル全般に連動することがわかりました。今回は、夕食スタイル別にプランニングのポイントを考えてみましょう。■夕食独立なら...Double Kitchen
夕食独立の二世帯同居では、夕食に連動して生活全般が別々になる傾向があります。それぞれの生活リズムを保つためにも、各世帯で独立したキッチンは必須と言えるでしょう。水回りも独立して2つあった方が気兼ねなく生活できます。玄関も分離した独立二世帯が理想ですが、面積や予算の制約から玄関を共用する場合でも両世帯のフロアやゾーンをはっきり分けることで独立性を高めることが出来ます。
また、両世帯のスペースが完全に独立した独立二世帯の場合、内部で行き来できるようにするかどうかがポイントになります。内部で行き来できれば、家事協力や介護の際に便利ですし、外部でしか行き来できないようにすれば更に独立性が高まり、お互いに干渉することなく暮らせます。
■夕食融合なら...Sub kitchen
夕食融合の二世帯同居では、食事に連動して買い物やゴミ出しも共同化され、家事全般に協力して行う傾向が強まります。しかし、両世帯が全ての生活を同じリズムで過ごすわけではありません。自分の世帯のゾーンにサブキッチンがあると来客時や、お茶を飲むときなどに、気兼ねなく使えるので便利でしょう。親世帯ゾーンのサブキッチンは将来、在宅介護サービスを利用する際にも役立ちます。
夕食という生活の重要な部分が一緒であっても、「分けるべきもの」は何かを検討することがプランニングのポイントになります。浴室は一緒でも洗濯は別々、という方や、それぞれの世帯への来客がわかるようにしたい、という要望は多いものです。各世帯専用のゾーンと共用のゾーンを分ける、洗濯機置場を2箇所設ける、インターホンの音を世帯毎に変える、といった工夫を検討してみてはいかがでしょうか。
次ページでは、以上のプランニングのポイントを踏まえ、二世帯住宅のスタイルを決める鍵について触れます。