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二世帯住宅で暮らす/【提案】二世帯住宅の間取り・プランニング

親子両世帯を分ける知恵・つなぐ知恵(2)(2ページ目)

二世帯には単世帯にはない遮音上の配慮が必要です。そこで今回は、上下階の遮音について取り上げてみましょう。

提供:旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)
松本 吉彦

執筆者:松本 吉彦

二世帯住宅で暮らすガイド

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3.水回りの遮音

トイレの遮音
給水管の遮音
【上:トイレの遮音仕様/下:配管防音材】給排水の遮音対策は、通常より重く厚い管を使い、吸音材や遮音材で巻いて音を伝わりにくくします。
上階の水回りへの給排水は下階を貫通するため、床の遮音とは別に給排水音の遮音対策が必要です。遮音の基本的な考え方は床と同じで、通常より重く厚い管を使い、吸音材や遮音材で巻いて音を伝わりにくくしますが限られた寸法の配管スペース内では限りがあり、全く聞こえなくなる程の遮音性は期待できません。

特にシャワーを使うユニットバスの給水音や、トイレの排水音はかなり大きな音をたてます。室内が静かな夜間は小さな音でも目立つこと、親世帯と子世帯の生活リズムの違いから親世帯の就寝後に子世帯の水回りが使われるケースが多いことから、水回りの音は気になることが多いのです。

基本的な対策は、このような音の発生源をいかに遠ざけるか、つまりプランニングの段階で上階の水回りを下階の寝室の上に持ってこない、という配慮にあります。具体的には上下階の水回りの位置を重ねる、というのが最も基本的な対策になります。上階の水の音が最も気にならないのは同じ水の音がする水回りだからです。理想を言えば寝室の上には音をたてることが少ない部屋、つまり同じ寝室や納戸を持ってくると良いでしょう。
遮音
上下階の遮音対策しては、プランニングの段階で音の発生源となる位置を重ねるのが、最も基本的な対策です。


4.遮音に完璧はない

上記のような様々な工夫を凝らしても、残念ながら完全に遮音できることは現実にはない、と申し上げていいと思います。人間の耳はとても高性能にできていて、遮音して静かになればなるほど鋭敏になっていきますので、測定器ではいい値が出ても耳ではやはり聞こえる、ということがほとんどです。以前ご紹介した二世帯川柳に「上の音 孫と思えば セレナーデ」というのがありましたが、下階である程度音が聞こえることも二世帯住宅のメリット割り切ることも必要かもしれません。


それでも二世帯住宅の場合、上下階の遮音性には最大限の配慮をするべきと私は考えています。実際の生活シーンでは、物理的な音の大きさの問題よりも心理的なもの、つまり下階の「音に悩まされるストレス」より、上階の「音で迷惑をかけていないかと心配するストレス」の方が大きいのではないかと思えます。遮音性に配慮すれば気兼ねなく暮らせるものが、遮音性の悪い床では気遣いしながらになることもあるでしょう。やはり床の遮音性は二世帯住宅の重要なポイントだと思います。

【関連記事】
 親子両世帯を分ける知恵・つなぐ知恵(1)
 親子両世帯を分ける知恵・つなぐ知恵(3)
 親子両世帯を分ける知恵・つなぐ知恵(4)


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
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