2.世帯間建具の錠
二世帯住宅にとって、両世帯の独立性は非常に重要です。行き来にハードルがあり、気軽に行き来できないからこそ、独立性が保たれている、という面はあると思います。しかし、必要な時には行き来ができるようにしておきたい、という場合は、世帯間の建具に錠をつけて行き来をコントロールすることができます。カギで解錠するシリンダータイプ(左)と、ツマミを回せば開閉ができるサムターンタイプ(右) |
両面ともカギで解錠する「両面本施錠」タイプ(※一般的にはあまり見ないタイプですが、二世帯にとっては便利) |
片側がカギ、片側がサムターンのタイプは、世帯専用の部分と共用部分の境界で使用するのが一般的でしょう。世帯専用の部分に気軽に立ち入りできないようにガードすることができます。トイレ等に使われる簡易なものと異なり、留守時にカギで施錠することができ、プライバシーの確保に役立ちます。
(左)トイレ用の簡易錠は外側から緊急時にコイン等で解錠できるようになっていますが、カギで施錠することはできません。(右)世帯専用の部分は外側からカギで施錠できるタイプとすればプライバシー確保に役立ちます。 |
ご紹介したように、カギは不要な立ち入りを防ぐ効果がありますが、その反面緊急時の手助けが遅れる可能性もあります。トイレや浴室の錠は緊急時を想定して外からコイン等で解錠できるようになっていますが、世帯間に使う錠は、鍵がない場合は壊すしかありません。従って結局は緊急時を考えて両世帯で鍵を持ち合うことがほとんどだと思います。
大事なのは鍵をかけている、という意思を尊重するマナー「世帯間の作法」の部分なのではないかと思います。鍵がかかっている場合には緊急時以外は入らない。入って欲しくない時に鍵をかけておくことで、意思を伝える。そういったことが二世帯同居をしていく上での作法なのではないかと考えています。
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