(1)一体世帯型の親子同居住宅
親世帯が母親のみ、子世帯が夫婦と子の親子同居を想定してみましょう。普通の核家族用住宅の1階に母親の個室を増やした一体世帯住宅があるとします(図1)。1階に親世帯部分、2階に子世帯部分、1階に共用部分になるLDKがありそれぞれ分けて色付けしてあります。浴室、洗面所、トイレなどは水回り部分としてどの世帯に属するかに関係なく図ではまとめて青い色にしてあります。図1:普通の核家族用住宅の1階に母親の個室を増やした一体世帯住宅 |
ここで親世帯、子世帯の動きを矢印で描いてみると、1階の水回りは親世帯、子世帯共用で使い、2階は子世帯が中心に使うことになることが想像できます。2階の子世帯用の水回りはトイレと手洗用の洗面台程度のことが多く、キッチン、浴室や洗濯機は1階のものを両世帯共用で使うことになります。この家族の場合、親世帯の母親と、子世帯の奥様という2人の主婦が在宅していることが多く、家事をする機会も多いでしょうから、それぞれのペースで家事をすると「かちあう」部分が出てきます。これを解消するためには、各世帯専用で欲しいものは世帯別に使えるようにしておく必要があります。