広いベランダと
アイランドキッチンが中心の子世帯スペース
アイランドキッチンを中心にした、2階子世帯のLDK。廊下をほぼなくし、細かく区切った間取りにしなかったことで、広さと開放感が感じられます。奥に見えるのが、ゆるやかに区切られたキッズスペース。 |
庭のかわりに、子どもたちが遊べるように、広く作られたベランダ。 |
Kさん夫妻が一番こだわったのは、目の届く子どもの遊び場とするために、ベランダを広くとりたいということでした。
また、廊下のないオープンな間取りとし、アイランドキッチンをLDKの中央に置くことで、キッチンの目の前に位置するベランダも、右側のリビングも、左側のキッズスペースも、すべて見渡せるようにしました。
こうしたオープンな間取りにすることによって、子どもたちがどこにいても視界に入るようになり、安心感が増しています。
開放的なLDKは、普段はお子さんたちが元気に遊んで散らかし放題とのことですが、将来の子ども部屋を想定した個室が納戸の役割を果たし、来客時にはすっきり片付けることが可能です。
キッチンから見て右側のリビング。テレビなど家具配置を意識して、窓をシンメトリーに設計しています。 |
奥様も、緑豊かな周囲の環境と、その眺望を楽しめる窓に囲まれたアイランドキッチンには大満足な様子。お子さんたちが、親世帯と行ったり来たりしていることで、時間的にゆとりを持って、キッチンに立つことができるようになったからかもしれません。
新しい環境で新しい生活。
スムーズになじむための、親世帯の工夫
1階親世帯リビング。「庭の手入れは息子の役。以前の家で大変だったので、助かっています」。右手奥はKさんの妹さんの部屋。 |
息子家族と同居できるとはいえ、新しい土地での、全く新しい生活。歳をとってから生活を一変させることには、うれしい反面、不安もあったそうです。
リビング左手の和室は、お母様の寝室。前のご自宅から持ってきた和家具がぴったり合っています。 |
親世帯は1階なので、上階の音が気にならないか聞いてみたところ、「孫がパタパタ動けばわかりますが、それ以外は気になりません」とのこと。床の遮音配慮の効果ももちろんですが、両世帯の水回りの位置を上下で重ねた音対策にも配慮した間取りになっています。
***************
お互いのペースを尊重しつつ協力するこのような二世帯同居のスタイルには独立二世帯がマッチしています。独立した水回りや玄関はそれぞれに異なる生活リズムを受け入れ、納戸を通じての行き来が距離感を保っています。しかし内部での行き来の動線を持つことで、おかずや食事の行き来など、適度な交流が生まれます。
次回は夕食を一緒にした融合二世帯の事例をご紹介します。