3.「+NEST空間」で食事と勉強が同時進行
【図7】LDKの一角に+NEST空間を設けたプラン |
勉強に使われるのは現状ダイニングテーブルが多いのですが、他の家族がTVを見られないこと、消しゴムかすなどの汚れ等の問題点も指摘されており、学習コーナーをつくることで他の家族の食事やくつろぎと子供の勉強を同時進行できるようにしています(図8)。
【図8】+NEST空間は親の目の届く学習コーナー。勉強道具もしまえて、壁にものを貼ったりできるのはダイニングにはない利点。 |
+NEST空間は、適度に囲われて「こもり感」「安心感」「自立感」があることが必要で、明るさ、眺めが得られる窓があることも大変重要です(図9)。心地よい居場所を作れば、学習期が終わっても大人の趣味のコーナー等で利用価値の高い空間になります。また、畳敷きとすることで洗濯物をたたむ、乳幼児の昼寝場所など家事・育児空間としての汎用性も生れます。
【図9】+NEST空間にはこもり感や自立感とともに、窓があることも大事 |
4.「室内干しコーナー」で夜洗濯に対応
調査によれば親と同居していない場合、夜洗濯をしている家庭は子育て期の専業主婦世帯で約5割、共働き世帯では約8割に達し、親同居の場合でも5割以上が夜洗濯をしています。夜洗濯が一般化して、室内に干す機会も多くなってきました。
室内干しの場所は大きく2つの考え方があります。ひとつは日当たりのよい、よく乾く場所、もうひとつは洗濯機に近くすぐ干せる場所です。外干しのスペースからの取り込みを考えると、まずベランダに面した日当たりのよい窓のすぐ内側に洗濯1回分の量が、さらに洗面所の洗濯機のそばにちょっとしたものが干せると便利でしょう。また、ピンチハンガーの収納や衣類の仮置きスペースを設けておくと、周囲が常に片付きます(図10)。
【図10】室内干しコーナーの条件は、まず日当たりと風通し。外干しスペースと近く、収納があるとより便利である。 |
室内干しは、すぐにたたむ・収納するとも限らず、掛置きされたままということが少なくありません。家族が乾いたことに気がつく、自分のものを持っていく、といった目が届く場所が望ましいといえます。子供の目に常に触れ、子供が自発的に自分のものをたたんでしまうことができれば理想的です。また、室内干しにはお客様からは見えにくい、という条件も必要です。急にお客様が来たときなど、リビングに干してある洗濯物をあわてて片付けた経験のある方もいるでしょう(図11)。
【図11】リビングに室内干しして、お客様が来てあわてた経験がある人も多いはず |
以上今回は子育て期の家の提案をご紹介しました。スペースの関係で簡単なご紹介になりましたので、その背景や社会的な変化については、次回以降に書くことにしたいと思います。