虫歯/虫歯に関するよくある質問

銀歯に違和感…虫歯治療で被せた歯の違和感はいつまで続く?原因は?

【歯科医が解説】銀歯や被せ物に違和感がある原因は? 虫歯治療では詰め物の後にセラミックや銀歯などの被せ物をしますが、被せた歯が他の歯よりも高く感じたり、違和感を覚えたりすることがあります。慣れるものなのか、経過観察でよいのか、現役歯科医が解説します。

丸山 和弘

執筆者:丸山 和弘

歯科医 / 歯の健康ガイド

 

銀歯・セラミックの違和感は歯の高さが合わないことが原因?

銀歯の違和感 歯の被せ物の高さ調整

虫歯の治療後、噛み合わせに違和感があったら……

歯をセラミックや金属などで被せた場合、噛み合せたときに被せた歯が強く当たり、他の歯よりも「高く」感じる状態になることがあります。こうした違和感がある場合、歯の高さを歯科で調整してもらうべきか、迷う患者さんは少なくないようです。臨床の現場で良く見られる3つのケースについて歯科医として解説します。


<目次>
 

銀歯・歯の被せ物は高めに作られている?

歯を被せるとき
被せ物は、わざと高さを少し高めに作ってあり、調整してピッタリの高さに合わせるようになっている
歯に被せ物を作る場合、最終調整は実際の口の中で行なわれます。歯にちょうど良い噛み合わせを作るためには、「低い状態のものを高く合わせる」ことは、一部作り直しに近い操作が必要になります。

そこで「高い状態のものを低く調整」して、高い部分を削って合わせ、調整時間が少なくなるようにしています。したがって、基本的に被せ物は、調整前にはわずかに他の歯よりも強く当たる、いわゆる「高い」状態になっていることが一般的です。

それでは、被せ物がある歯の高さに違和感がある場合はどうするべきか、3つのパターンに分けて以下で解説しましょう。
 

1. 初めだけ、銀歯・歯の被せ物が「高く」感じる場合

臨床では比較的多く見られるケースです。クリニックで被せたときは高く感じていたのが、次の日にはまったく気にならなくなった……。こんな経験をされた方も多いと思います。「適正なのに高く感じる」のは、次のようなときに良く起こります。

■それまで仮歯が入っていなかった場合 それまで噛む力が伝わっていなかった歯に噛み合わせの力がかかることで、一時的に高く感じることがあります。

■歯が無い部分に噛み合わせができた場合 歯を抜いた後、しばらくそのままになっていた場合など、噛み合わせの感触がそれまで無かった部分にブリッジなどを入れると一時的に高く感じることがあります。

■調整段階での刷り込み ほとんどの被せ物は口の中で高い状態から調整を始めるので、調整を何度も繰り返し行なっていくうちに、適正な高さになってもそれまでの感触がよみがえり、高いと感じてしまうことがあります。

歯はガッチリと骨に固定されているわけではなく、わずかにクッション効果があります。このため多少の違和感であれば、短期間でなくなります。適正に調整されていて短時間で慣れる場合には、それほど心配はいりません。

歯のクッション効果については、「歯が動く・揺れるのなぜ?ぐらつきの原因と対処法」をご覧ください。
 

2. 高さ調整で銀歯・歯の被せ物をどんなに削っても「高く」感じる場合

極めてまれなケースです。適正な高さであっても高く感じるだけでなく、上下の歯が触れるだけで高いと感じ、上下の歯が噛めなくなるまで削ることでやっと満足する、というケースがあります。こうした場合、「クリニックの被せ物は全て”高い”状態で入れられるもの」という深い思い込みがあり、少しでも歯と歯がぶつかると過敏な反応を示してしまうことが原因のようです。

しかし、このような極端に「低い」被せ物を入れることは、将来的にさまざまな問題を引き起こします。新たに被せるたびに噛み合わせの低い被せ物を入れていくと、自然に歯が磨り減る以上の速度で上下の歯の高さがなくなってしまいます。

こうなると、顎に負担がかかるだけでなく、さまざまな歯のトラブルの原因になったり、口元が急に歳をとったように見えたりすることがあります。
 

3.銀歯・被せ物の高さに1週間たっても違和感がある場合

逆に「クリニックで作る物は初めは高いので当たるが、しばらくすると慣れる」と思っている方のケースでは、再度歯科を受診しようとは考えず、実際に高さ調整が合っていない状態が続いてしまうことも起こります。

治療から1週間ほどたっても違和感がある場合は、明らかに適正よりも高い状態になっている場合があります。「いつか慣れる」と思っていると、被せた歯に噛み合わせの負担が強くかかり、痛みが出たり、歯にダメージを与えたりしてしまうこともあります。
 

歯の高さ調整のチェックポイント・再診の目安

被せ物の調整
その場で全てを判断するよりも、数日間実際に使用してから調整を行なう方が確実な場合も多い
被せ物を入れる際の調整の基準となる感覚には、次のポイントがあります。

■歯に物が挟まる感触がほとんど気にならない
最初に調整するのは、被せる歯の隣同士の歯の当たり加減です。これが強いと歯に物が挟まったような感じで歯同士が押されます。物が挟まっている感じがまったくないか、わずかに歯が押されて少しだけきつく感じる程度であればOKです。
 
■噛み合わせて違和感がない
次は噛み合わせの調整です。噛み合わせを見る色紙(赤い紙など)を噛むように言われたら、カチカチと左右の奥歯が同時に当たるように噛みます。被せた歯だけが他の歯より強くあたるうちはまだ高い状態です。調整を繰り返すとだんだん他の歯と同じような噛み心地になります。被せ物がまったく気にならないか、ほんのわずかにぶつかるかな?と思う程度であれば数日間様子を見ても良いと思います。 

  ■歯ぎしりしても違和感がない
噛み合わせの調整中に、意図的に歯ぎしりをするような動きを要求されることもあります。できる範囲で噛んだまま歯を大きく左右に動かします。この時も被せる物が他の歯よりも強くぶつかるうちは調整を行ないます。違和感なく歯ぎしりができればOKです。
被せるときにすべてがピッタリだと思っても、実際に食事や生活をすると、後からわずかな調整が必要になることもあります。また、「高い」と感じる状態が1週間以上続く場合は、一度クリニックで調整をしてもらうことをお薦めします。

その他の治療後によくあるトラブルとして、歯の詰め物が外れてしまった場合は「歯の金属が外れたらどうするの?」、歯に物が挟まりやすくなってしまった場合は「歯に物が挟まる・詰まる…フロス、爪楊枝ではない対処法・治療法」記事もあわせてご覧ください。

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