モロヘイヤは1980年代頃から日本全国でも栽培が始まり、現在では、どこのスーパーでも手に入るポピュラーな野菜になりました。青菜類が少ない夏に、夏バテ改善に役立つ栄養素や成分を補給してくれます。

モロヘイヤは王様の野菜

モロヘイヤ
モロヘイヤに含まれるβ-カロテンは、ホウレンソウの2倍以上。
モロヘイヤの花の写真を見た時に、どこかで見た事があるなと考えていました。そうそうご近所の家の垣根に咲いている「トケイソウ」。また日本名では、「シマツナソ」とも呼ばれています。ツナソとは黄麻、いわゆる繊維原料となるジュートの仲間です。

モロヘイヤは、古代からインドやエジプトを中心とした中近東でも広く栽培・利用されてきました。「モロヘイヤ」というのは、アラビア語の「王様の野菜」という意味。

どんな薬を飲んでも治らない重病の王様がモロヘイヤのスープを飲んで治ったとか、王族以外には食用が禁じられていたなどの古代エジプトの話に由来しているようです。


ホウレンソウを上回る栄養価

モロヘイヤには、カラダの抵抗力を高めるβ-カロテンやビタミンC、疲労回復を促すビタミンB1やビタミンB2、ビタミンEなどのビタミン類、そしてカルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルが多く含まれているます。栄養価が高いことで知られるホウレンソウやコマツナと比べても、多く含まれています。

モロヘイヤに多く含まれている栄養素
   β-カロテン(μg) ビタミンB2(mg) ビタミンC(mg) カルシウム(mg)
モロヘイヤ  10000  0.42    65    260 
ホウレンソウ   4200  0.20    35     49  
コマツナ  3100  0.13    39    170 
*五訂増補 食品成分表より

ホウレンソウやコマツナ、ミズナなどの青菜類は冬が旬のものが多く、夏は青菜が少ない季節です。もちろんスーパーなどでは、夏でもホウレンソウなコマツナが売られていますが、本来の旬である冬と比べて夏はビタミンCなどの栄養価は少ないことがわかっています。

モロヘイヤは、インドからアフリカという熱帯地域が原産地ですから、日本で言うと夏が旬の青菜と言えます。その旺盛な生命力をいただきましょう。

夏バテ対策に役立つモロヘイヤの栄養成分

モロヘイヤの特徴は、青菜には珍しいネバネバ成分ムチンが多く含まれていることです。茹でたり刻むと、ネバネバが出てきます。

ムチンは糖質とタンパク質からできた多糖質で、タンパク質の消化を促すと考えられ、消化不良や食欲不振を防いで夏バテ予防に役立つことが期待されます。また水分を吸収し胃や腸管を刺激することで便秘改善などを促し、コレステロールや血糖値の上昇、血圧を抑える働きなどがあると言われています。

高温で乾燥した過酷な地域で育っただけにモロヘイヤは、活性酵素の働きを抑える抗酸化成分のクロロゲン酸やケルセチンなどのポリフェノールが豊富に含まれ、様々な調査でモロヘイヤの抗酸化活性が高いことが示されています。

モロヘイヤの栄養価が高いことに着目し、野菜としてだけでなく、パンや麺類、ドリンクなどに加工されている他、スキンケア商品等も開発され、美容効果なども期待されています。

次のページでは、モロヘイヤの食べ方・保存法・毒性について解説します。