“デキる!と言わせる”“NOと言わせない”というキャッチがついた「企画書づくりのノウハウ本」は、書店に山と積まれています。今回は、そこではなかなか語られない、企画を通すための実践テクニックをお話します。

デキる人程、陥りやすい落とし穴

仮に、会社の上司、あるいは取引先の担当者から、「ウチの会社のwebサイト、リニューアルしたいと考えているのだけれど、是非、いい提案をして欲しい。」という依頼を受けたとします。

“私の実力を評価してもらえるチャンス到来!”と喜んで、すぐさま企画に取り掛かり、スピードが命とばかりに休日も返上して、一週間後、企画書アップ! パワーポイントでビジュアルプレゼンの準備もOK!


自信作の企画を、さあプレゼンしたら…。返ってきた言葉が、“提案書は確かに良く出来ているとは思うが、しかしウチの会社には…”

どうして提案内容は良くても、ダメなのか、採用してもらえないのか、自信作であっただけに、納得がいかない。こんな経験をされたことはありませんか?


それは、「Yesをもらうための重要なプロセス」が抜け落ちていた結果です。仕事がデキると自信がある人程、陥ってしまう「落とし穴」と言えるかも知れません。

企画の目的は何?

企画とは、一言で言えば「問題・課題の解決策」です。何が問題や課題で、何を解決すれば良いのか。そこから、企画目的が導き出されます。設定した目的が違えば、同じ案件でも、考え方のアプローチや具体的な解決方法が違ってきます。

この場合、何のためにWebをリニューアルしたいのか、現在どんな問題を抱えているのか、結果何を実現・達成したいのか、そこをしっかりと聞き出し、さらにそれを、依頼者へ企画の前提条件として確認することが必要でした。

“そんなこと常識でしょう”、と思われる方がいらっしゃるかも知れません。しかし、企画を考える、そのスタート地点で、意外にも依頼者のリクエストや本音をよ~く聞かずに、手前ミソな発想で組立て始めてしまう人が、実は多かったりするのです。

時間を無駄に使わないためには、次のようなプロセスが必要となります。

■Yesをもらうための第1プロセス
・充分に企画の前提条件を聞き出すこと。
・予算額を聞いておくこと。
→費用対効果なのか、予算の範囲なのかを確認する。
・聞き出した内容を整理、文書化して依頼者へ確認する。
→どの範囲で企画を組み立てればよいかを明確にし、共有する。

しかし、時として、依頼する本人も、その辺のことを十分に把握していなかったり、実際のところ分からなかったりする場合もあります。そうした時にも、こうしたプロセスを踏む事で、依頼者自身も問題を顕在化することができ、さらに共通認識として確認することができます。

企画の方向性を擦り合わせる

企画書アップその前に! 企画案やアイディア段階での、方向性の擦り合わせが欠かせません。

■Yesをもらうための第2プロセス
・企画のラフ案(アイディア)の段階で意見を聞く。
・その場で、最終的な企画イメージを調整、再確認する。

このプロセスで、より細かな要望や意見を聞き出します。人は、企画が目に見えるカタチ(ビジュアル)になったところで、色々と意見が出てくるものです。それを、ラフ案の段階で取材し、企画へ反映させます。

以上のプロセスは、依頼者が求めているモノをキチンと理解し、それをしっかり取り込んだ企画を組み立てるためのものです。これは同時に、依頼者から「小さなYes」をもらっていくことにもなります。

立場を変えると、依頼者にとっては、十分に自分の要望を伝えることができて、さらに意見や意向が反映された企画内容になっていくからです。

その結果、「ウチの会社にはどうかねぇ~」と言われずに、「私が君に期待したことはこういうことだ!」と言ってもらえる確率が高くなります。

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