■新規契約者は最大で約2割の負担増

“超”低金利継続による弊害として生損保会社は契約時に契約者に約束した運用利率(予定利率)が継続できなくなり、その結果、保険会社が破たんの危機にさらされるのを防止しようと、予定利率の引き下げを行うことが出来るようになったことは、すでにご存知のことと思います。

当該法改正を受けて、東京海上火災保険をはじめ大手損保会社は本年4月以降の新規契約分よりマンションにかける火災保険の保険料を引き上げることを発表しています。住宅金融公庫では、火災保険は加入が強制されており、かつ借入金の全額を返済するまでの間は、建物を保険の目的として「特約火災保険」もしくは公庫が認めた「選択対象火災保険」以外の一般の火災保険を契約することができませんので、加入者にしてみると値上げを回避する手立てはないのが現状です。

なお、民間金融機関は独自の規定を設けており、民間銀行ではほとんどが任意加入となっています。


■既契約者も火災保険を見直そう

上記引上げの対象はあくまで新規契約者ですので、既契約者は関係ありません。そもそも住宅ローンの借入時に全期間分の保険料を一括で前納しているはずですので、ご理解いただけるでしょう(分割払いもあります)。しかし、だいぶ昔に加入したまま何の見直しもしていない方は、これを機会に保険内容を見直してはいかがでしょうか?


ポイント1 時価評価から新価保険への契約変更

住宅金融公庫の特約火災保険を利用の場合、従来は保険金額(契約金額)を建物の時価評価(時価額)によって決めていましたが、保険契約期間中でも新価保険(価格協定保険の場合には再調達価格)へ変更できるようになりましたので、万一の場合を考えて見直してはいかがでしょうか?
 時価額:同等の物を新たに建築あるいは購入するために必要な金額から使用による消耗分を控除して算出した金額で、消耗による目減りや昨今のデフレ下においては取得時にくらべ評価額は下がっているのがほとんど。

 再調達価格:同等の物を新たに建築あるいは購入するために必要な金額のこと。火災などで建物が燃えてしまっても保険金額だけで同じ建物を取得(=再調達)することが可能となる。


時価から再調達価格へと評価方法を変えることで、全額保険金によって建物の再建築が可能となるのです(再調達価格いっぱいに保険金がかかっている場合)。

しかし補足として、保険の対象は専有部分のみで、共用部分は対象外ですので、戸建住宅とは異なりマンション全体が保険金によって建て直されるわけではありません。共用部分については管理組合で保険加入していると思いますので、管理者(理事長や管理業者)にご確認ください。


ポイント2 繰上げ返済などでローンを完済した場合

ローンの返済が終了した後も保険契約が存続している限り、火災保険は満期日まで有効です。また住宅金融公庫の場合、ローン残債がある間は一定の火災保険に加入が限定されますが、完済後は制限がなくなりますので従前の保険をそのまま継続するもよし、保険金額や保険期間を見直すもよし、また、別の保険に再加入することも可能となります。


メンテナンスの必要性は室内(専有部分)だけではありません。住宅ローンや火災保険もメンテができてはじめて「賢いマンション暮らし」へつながります。これを機会に是非、挑戦してみて下さい。

【問合せ先】
住宅金融公庫の保険については損保ジャパン公庫部まで。

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