ヘルパーの仕事の赤裸々な実態に衝撃

『ホームヘルパーは見た!』 速水喬子著 宝島社文庫 定価:本体600+税

 市原悦子のテレビドラマみたいなタイトルのこの本、新聞か何かの書評で見かけて、思わず、アマゾン・ドットコムで取り寄せてしまいました。ヘルパーとして1年間働いた経験のあるライタ?ヘルパー時代に経験した数々の衝撃(?)を、シニカルな視点、軽妙なタッチで描いています。

 ヘルパーを目指して資格ガイド本を読むと、だいたい仕事の意義だとか、資格の取り方だとか、表面的な情報が多かったりして。現役ヘルパーの仕事ルポが載っていたにしても、志望者が減っては困るという配慮から、あまりマイナス情報は紹介されていないのが世の常というもの。

そういう意味では、この本はなかなか赤裸々で、ヘルパー志望の人の甘い夢を打ち砕く衝撃度たっぷり。私も読んでいて、しばしばのけぞってしまいました。

 本は5章だてになっていて、まず第1章「今の日本に奴隷制度が!?」で、どう見ても介護の必要がない利用者の家で3時間、カビ取りをさせられた話やら、男性利用者に一緒にお風呂に入ろうと言われた話やら、ヒェ~といいたくなる話が続々。ヘルパーっていうのはエライ(偉い、ではなく、えらいこっちゃ、のエライ)仕事だ、と先制パンチ。自然とページをめくる手は早くなります。

 つづく第2章「ゴーマンなる『善意』」では、著者自身がヘルパー講座を受講したときの体験、同僚ヘルパーの驚くべき実態を次々と暴露。

初めて包丁を持ったらしい人々が講座を修了しただけでヘルパーとして派遣され、家事援助をしていいのかという憤り、そして、やっぱり!という感じで、日中一人になる痴呆老人の家に、予定時間に行ったら記録のノートだけを書いて、何もせずにすぐに帰っていた詐欺ヘルパーの話も登場。次はいったいどんな話が出てくるのか? と興味をそそられます。

 第3章「ちっ。ムダに長生きしやがって」(すごいタイトルだ!!)では、一転して利用者バッシング。介護保険という制度を悪用し、自己負担1時間135円ナリの家事援助で、ヘルパーを安く家政婦として使おうという狡猾な利用者への怒りが炸裂します。

 もちろんそんな話ばかりではなく、第4章「ボケたって、ラブリー&キュートな人々」ではタイトルどおり、タダでも介護してあげたくなるステキな高齢者たちの話も紹介しています。

次は随所に鋭い視点、もっともな指摘が