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モンスター社員とは?会社を困らす有害社員の対処法

モンスター社員とは、会社を困らす厄介な存在。今回は、モンスター社員の見分け方と、自分自身がモンスター社員にならないための転職時における注意点をご紹介します。職場内に、会社から解雇されかねないモンスター社員が思い当たる方は必見です。

執筆者:高野 秀敏

モンスター社員とは

モンスター社員とは


いままで1000社以上の企業の経営者や人事の方と人事関係の話をしてきました。「あの人は採用失敗だった」という採用の失敗の話を伺うことがあります。どの会社でも、採用の失敗事例をもっているものです。ただ失敗なだけならいいのですが、思い切った発言をさせていただければ、「会社に有害な人材」「会社に不利益を与える人材」「組織のモチベーションを低下させる人材」がいることも事実です。

今回は、会社を困らすモンスター社員を見分けるポイント、そして自分自身がモンスター社員にならないために、転職時に気をつけるべきポイントについてコメントいたします。
 

モンスター社員とはどんな人?会社を困らす有害社員の実態

会社を困らす「モンスター社員」。普段はいい人だったり、飲みにいったら、むしろ楽しい人だったりするもの。

モンスター社員は見分けがつきにくい


ガイド高野が考えるモンスター社員とは、ただ生産性が低いというだけではなく、会社に負の打撃を与える人材、いるだけでマイナスになる人材のこと。難しいのが、モンスター社員は、普段はいい人だったり、飲みにいったらむしろ楽しかったりすることも多いのでなかなか見分けがつかないところです。

●モンスター社員の実例
あるメーカーさんの実例です。中途採用で、スタッフ部門で人材を採用しました。明るく元気がよく、社長いわく“若い頃の森田健作のような”溌剌とした青年で、スキルはあまりないが、人柄を気に入り採用したそうです。

●社長の話(一部、修正を加えています)
その彼は、最初の1ヶ月は非常に良い立ち上がりで、周囲ととけこんでいるようでした。しかし、突然その彼が牙を剥いてきました。それは、自分が任される仕事の範囲が違っていると。彼に任せる予定の仕事は、同時期に退職者がでたため、入社前と入社後で、部署は同じだが仕事内容は若干違うという状況でした。しかし社長は「当社を好きになって入ってくれたはず」という想いが共感できていると思い込んでおり、「ひとつ頼むよ」ということで、納得してくれているはずと思っていました。

そこからが大変でした。彼は、「入社前と後で、仕事内容が違うなんて、詐欺だ。おかしい。ありえない」とのこと。組織は全体最適が重要だということを話をしても、聞く耳を持たない。何度か話し合いをしたものの、折り合いがつかず、それでは、「どうしても合わないのであれば、うちの会社ではなかったのかもね」という話をしたら、彼は、「そんな無責任なこといってもいいのですか?でるところにでますよ」と脅してきたのです。

現段階では、特別な過失があるわけではないため、解雇にはできません。仕事は「一応はやっている」という状況。決してモチベーションが高いわけでもないのですが、ぎりぎりの低いレベルではやってはいる。その後が大変で、「会社に騙された」とか、「会社の経営のやり方がおかしい」といったことを周囲に言いふらす始末。社員にも影響が出て、社長は本当に困り果てました。

●対応策としてとったこと
こちらの企業には、お取引があり、アドバイザー的な役割を担っていたので、直接、その社員の方と私がお話をすることになりました。よくよく話を聞いてみると、過去に会社に騙された経験をもっており、そのことがトラウマになって、会社は信用ができないと思っているところがありました。それは、仕事の責任をかぶらされて、最終的に会社にいにくくさせられてしまったというものでした。私から、現職の会社の社長は社員に対して真剣にそして親身に考えている方なので大丈夫だと趣旨の話をして、安心をしていただきました。
 

モンスター社員を生み出さない・モンスター社員にならないために

「モンスター社員」を生み出さないために、そして自分自身がモンスター社員にならないためには、どうすればよいか…。

「モンスター社員」を生み出さないために、そして自分自身がモンスター社員にならないためには、どうすればよいか…。


それでは、モンスター社員を生み出さないために、そして自分自身がモンスター社員にならないためには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。転職時の場合について考えてみましょう。

■入社前にやるべきことをやっておくこと
1、可能な限り内定者に承諾をとり、信用調査をさせてもらう
採用する側は、面接受験者に確認を取り、信用のおける人を推薦してもらい(主に、前職、前々職など)、その方が職場でどんな人物だったのか確認をとる。その人の悪いところは話をしないかもしれませんが、退職前後でかなり問題があった場合は、信用調査に対して断りを入れてくる場合も多いかと思います。これで最低限の予防線を張ることはできます。

2、会社のビジョン、理念といったものに共鳴してもらう/ビジョンをよく理解する
採用側は、入社前に、会社のビジョンや理念といった「想い」に共感をしてもらうことが重要です。細かい仕事内容は、会社の状況によって、変わってしまう可能性があることも理解してもらっておく必要があります。ビジョンや理念に共感があれば、仕事の細かい中身は違いがあっても、問題なく頑張っていただける社員の方は多いものです。
(だからといって、個人の意向を全く無視して人事異動を行うのは、経営としてはリスクが高いですが)

同様に転職者の側も、入社前に自分が希望する会社のビジョンや理念をよく理解し、それに対して共感できるかどうかという視点を持つことが重要です。ビジョンや理念に共感できていれば、多少のずれがあっても会社に対して理解や話し合いによって解決できる部分が多くなるものです。

■それでもなお入社後、モンスター社員化してしまった場合
採用側にしても、モンスター化してしまった本人に対しても、何か魔法のような素晴らしい方法論はありません。採用側は、とにかく粘り強く対応していくことが重要です。本当にケアが必要なのは、じつはそのモンスター社員の方というよりは、毎日真面目に頑張っている他の社員の方々です。

(採用側の解決のポイント)
●モンスター化してしまった社員の方に誠心誠意、可能な限り、会社のなかで活躍できるフィールドを探す

●モンスター社員の周囲の方、上司、部下、同僚とコミュニケーションをとり、最良の方法を考えるとともに、十分に会社として対応している理解を得る

●周囲の社員の方への日常のマネジメントやコミュニケーションを怠らないこと。普段は熱心に働いている忠誠心が高い方ほど、このようなときに上司がどう行動しているか見ているものです。また、相談されて、嬉しくない部下はいないものです。困ったときは、部下にも相談してみてください。優れたチームほど、コミュニケーションは本音がベースになっているものです。

今回は、転職のノウハウのなかでも、主として採用側の視点、企業側の視点になった記事を書かせて頂きましたが、自分自身がモンスター社員化しないために、転職時に気をつけることができるポイントも多々あります。

皆さんのなかでも、マネジメントなど、上司の立場にたっている方も多いかと思います。部下をモンスター化させないためにも、最高の上司を是非目指してください。また、あなたの上司を最高の上司にすることもあなたの重要な仕事といえます。上司は部下が作るものですから。

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