アメリカの株式市場であるナスダックの元会長、バーナード・マドフ氏が、世界的規模のねずみ講を運営していた容疑で12月11日に逮捕されました。正確な被害額はまだ明らかになっていませんが、推定では500億ドル(約4兆5000億円)にもなると言われています。

【CONTENTS】
単なるねずみ講に世界の投資家が出資(1P目)
問われるSECの責任(2P目)
失われる金融システムへの信用(3P目)

単なるねずみ講に世界の投資家が出資

書籍『【図解】わかる!ナスダック』
ナスダックについて解説した書籍『【図解】わかる!ナスダック』
マドフ容疑者が運営していたファンド(あるいはそれらしきもの)は、中身は単なるねずみ講です。ねずみ講とは、「高いリターンが得られる」という謳い文句で入会金を集め、最初の入会者への「リターン」は他の入会者の入会金を充てて支払っていく仕組みのビジネスです。日本やアメリカを初め多くの国では違法となっています。

違法にしている理由は、このビジネスは必ずいつか破綻する仕組みだからです。最初の入会者へのリターンに2番目の入会者の入会金を充てると、2番目の入会者へのリターンを支払うためにはさらに入会者を集める必要があります。そのように無限に入会者を集め続けなければねずみ講は存続できません。しかし無限に出資者が出てくることはないので、必ず破綻します。

マドフ容疑者はこのファンドをかなり前から運営していたと言われ、現在まで毎年約10%の高いリターンを継続していました。その高いリターン実績と、「ナスダック元会長」という肩書きを信用して、世界中の企業や機関がマドフ容疑者のファンドにお金を預け続けてきました。しかしその実態は、正しい方法で得たリターンではなく、単に後から参加した出資者のお金からリターンを出すねずみ講だったのです。

マドフ容疑者のファンドへは日本企業も多額を出資しており、野村HDのエクスポージャー(損失リスクのある金額)は275億円、あおぞら銀行は124億円と発表されています。