文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
郵便局が変わるらしいけど、それはなぜなの?私たちの生活にはどんなメリットがあるの?郵政民営化とニュースで聞くけれど、それがどういう改革なのかについて見ていきましょう。
郵便マーク
郵便局が変わる?どう変わる?


<INDEX>
郵政公社のままじゃ、どうしてダメなの?(1P目)
2017年の姿はこうだ!(2P目)
株式会社になったらこんなことをするらしい!(2P目)
今後の課題は?(3P目)

郵政公社のままじゃ、どうしてダメなの?


国営だった郵便事業が「日本郵政公社」としてスタートし、さらにこれからも改革をしようとしています。「郵政民営化」というのは、日本郵政公社を株式会社にしよう、ということです。

・2007年4月に民営化スタート
・2017年には最終的な民営化完成の形に
・最終的な形は「窓口ネットワーク」「郵便」「郵貯」「簡保」の4機能を株式会社として独立
・郵貯は銀行法、簡保は保険業法を適用し、民間企業と同様の法の下で事業を行なう

●借金国家、頼みの綱は郵便局
実は、日本の借金の4分の1は郵便局が引き受けているのです。国の借金である国債のうち4分の1は、郵便貯金や簡易保険の資金で買い付けているということなのです。

皆さんが郵便貯金にお金を預ける、簡易保険の契約をし保険料を預ける。その資金は郵便局の金庫にただ眠っているのではありません。その資金の行き先は
1)国債を買って、国は得た資金を公共事業にまわす
2)財政投融資という形で特殊法人へ流れる
のです。

いま、政府で無駄なお金を使わないようにしようとしている一方で、郵便局からの資金の行き先は、無駄といわれているところへ届くような仕組みになっているのです。

郵便局が民営化されると、郵貯、簡保は国の保証がなくなるため自然に残高が減ると思われますが、それによって国債や財政投融資資金に回す金額が減ることを期待しています。

●競争することは良いことだ
民営化するということは、資本主義の上で、競争にさらされるということでもあります。

実際、民間企業で成功している企業は、競争原理により切磋琢磨して、良い製品作り、良いサービス提供を行った結果、消費者に支持され、伸びていることは皆さんもご存知でしょう。
良いサービスを、より安く、消費者に提供できることも望まれています。

●業務拡大と効率化
東京中央郵便局2
郵便貯金は利益が減って来ている

郵便貯金から日本郵政公社が得ている収益は、年々減ってきています。
郵貯の運用益から、契約者に支払う利子を引いた収益は、平成14年度に比べ平成15年度は8,000億円減少しています。これは今後も続くと思われ、日本郵政公社の収益を圧迫すると見られています。

民営化することによって、業務内容を拡大する、効率の良い経営をするなどして、今後の収益を改善させることも目的のひとつです。

●国民が23,000円の負担をしている?
現在の郵便貯金、簡易保険は国の保証がついています。
だから安心して預けている、という方も多いでしょう。

ところが、そのお陰で国民ひとりひとりの税金負担がかかっているのをご存知でしょうか?

民間の銀行は、破綻した時に預金者に預金を支払うための仕組み、「預金保険機構」へ保険料を支払っているのですが、郵便局はそれを支払わずに国が保証をしています。
また、郵貯、簡保の運用利益には法人税は課税されていません。

それら、優遇されているコストは、民間ならば会社が負担しています。
日本郵政公社の場合はそれに見合ったコストを国民の税金で賄っていると考えると、1世帯あたり23,000円の負担をしている計算になります。

民営化されれば、それを税金でカバーしてあげる必要がなく、株式会社である郵便局が自分で負担することになります。

次のページでは、郵便局がどう変わるのかについてお伝えします。