持株会社とは何か?

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持株会社とは


このごろ耳にする「○○ホールディングス」「△△グループ本社」という会社名。これらは持株会社制度といって、97年に解禁された企業経営の新しい仕組みです。今までの親会社・子会社と何が違うのか?なぜ企業は持ち株会社制度を導入してきているのか?経営上どんな戦略で、どんなメリットがあるのか?この「持株会社」について詳しく見ていきましょう。
 

持株会社には2つの種類がある

■事業持株会社
自ら事業を行ないつつ、企業の株式を持っています。事業と企業の支配を兼業しています。従来の「株式持ち合い」はこのことで、例えば、銀行が系列会社の自動車会社の株を持ち、自動車会社も銀行の株を持ちます。そして、銀行は金融業という銀行の業務を行ない、自動車会社は自動車を生産するという業務を行なうのです。この形態の株式の保有は、以前からもずっと認められていました。日本経済における通常の株式の保有です。

■純粋持株会社
単に「持株会社」と言ったときは、この「純粋持株会社」を指します。「○○ホールディングス」「△△グループ本社」と呼ぶ時もこのケースです。こう呼ばれる会社は、グループ内のほかの会社の株式を持ってグループ全体の中核となる会社のことです。他の会社を支配することを主業務とします。つまり、自ら製造や販売と言った事業は行ないません。では、この会社の収入はどうなるのか、というと、持っている会社の配当が収入となります。
 

持株会社が増えたワケ

1997年12月に独占禁止法が改正されて、今まで禁止されていた純粋持ち株会社を解禁されました。

■なぜ今まで禁止されていたか?
戦後の財閥の復活を阻止するためでした。第2次世界大戦前の旧財閥は日本経済を支配していたと言っても過言ではなく、戦後は自由競争の面から持ち株会社を禁止しました。

■それをなぜ解禁したのか?
産業構造の変化が加速する中で、純粋持株会社の方が経営戦略上望ましい、と言う声が産業界を中心に高まったのです。純粋持株会社は、グループ傘下にそれぞれの事業に特化した企業を持つことになります。大きな企業の一事業部門が独立し、持株会社下の一企業にもなります。グループ全体の戦略として事業部門を切り離す、似たような事業の子会社同士を統合する、新規事業へ参入するといったことががしやすくなります。

現に、世界の有力企業が純粋持株会社制度を活用して、事業の整理・統合や吸収・合併などを効率的に進めています。先進国で純粋持ち株会社が禁止されていたのは日本と韓国だけだったのです。

そんな中で、日本も効率的な企業経営をしないと国際競争に立ち遅れるという危機感が強まっていました。純粋持ち株会社制度ではリストラをしやすいため、円滑に企業再編を行なう目的で解禁を強く政府に求めたという事情もあったでしょう。2002年の三菱東京フィナンシャル・グループとUFJホールディングスの合併話も、持ち株会社の形態であるからこそ動き出した、といっても良いでしょう。
 

金融機関に持株会社が増えたのは?

銀行のグループに「○○ホールディングス」「△△グループ本社」と名のつくところが多いので、単に銀行再編の流れでつけた名前だと思っていた方も多いでしょう。確かに、金融機関が持株会社に移行して再編を進めてきたのが、この数年の流れです。大手銀行10行が、倒産・合併・再編を繰り返して3大グループになろうとしているこの流れも、金融持ち株会社が解禁になったからこそ、機動的に再編できるのです。

■金融持株会社
日本版ビッグバンの一貫として、1998年に設立を解禁しました。それまでは、金融と言う支配力の高いサービスを扱う業界にとって、規制が厳しかったのです。純粋持株会社の形をとっている制度です。

銀行や証券、保険会社が中心となって設立し、傘下に銀行、信託、証券、保険、リース、クレジットの会社などを擁しています。グループ全体の経営方針と参加各社のトップ人事の決定権は持ち株会社が握っています。この金融持株会社は、さまざまな業態の金融業者が同じ持ち株会社グループの下にいることによって下記のようなメリットが生まれます。
  • 互いの不得意分野を補い合える
  • 株式の取得、売買を通じて機動的に経営戦略を打つことが出来る
  • 金融再編に即応できるようになる

ただ、銀行は業界への影響力が大きいため、一般の事業会社の株式の15%以上を持つことは禁じられています。
 

持株会社にしたらどんなメリットがあるの?

■グループ企業の利益集中
常にグループ全体の利益を念頭においた経営、人事戦略が可能になります。その理由は、グループの経営を持ち株会社が単独で行なうため、傘下企業の個々の利益は排除され、グループ全体で効率の良い利益を得ることを第一に動くことが出来ます。

■意思決定のスピード化
事業に関する権限をそれぞれの担当企業に委譲し、持株会社は企業グループ全体に関わる意思決定に特化できます。それだけ、スピードを要する戦略に対応することが可能になります。

■買収や合併に便利
グループ内の各事業を分社化し、持株会社の元で事業展開をするために、事業の採算が浮き彫りになります。従って、不採算事業の売却や子会社を設立して新規事業へ参入することが容易になります。

また、合併の際にも、持株会社の傘下に合併させたい会社をそのまま存続させ、グループ内におきながら調整を進めて最終的に合併に至る、という方法も取りやすくなります。従来の合併との違いを図で示すと以下の通りになります。
 
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従来の合併との違い


以上、持株会社が解禁になった経緯と持ち株会社制度に移行した場合のメリットをお伝えしました。金融業界に限らず、各業界で企業グループの再編が進んでいますが、単にリストラをしやすいから持株会社にしたというだけでは、発展がありません。ぜひ、今後の企業経営を効率よくし、前向きな企業再編につなげて欲しいと願います。その集合体が、日本経済のけん引役となるのですから。
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