【「小泉参拝」で見えてくる自民党の「タカ派」と「ハト派」地図】

「小泉参拝」問題をめぐって、あらためて自民党の「タカ派」「ハト派」地図がみえてきたようです。

タカ派、ハト派の区別をするのはむずかしいのですが(はっきり「私はタカ派だ」という人はいないし、国や時代によっても意味することが違ってくるので)、現代に本において、おおむねの区別をすると、

タカ派・・憲法改正(特に平和主義をうたった第9条の改正)に賛成、国家の団結をより重視

ハト派・・憲法改正に反対(「護憲」)、国家よりも個人の幸福追及を優先

のようになると思います。

小泉首相は自民党ではどちらかというとタカ派の「森派」出身。タカ派的言動が目立つ石原慎太郎東京都知事や、在任中数々のタカ派的発言などが騒がれた中曽根元首相らと思想的には近いといえます。

一方、旧田中派の流れを組む橋本派は自民党の中ではハト色が強い、というかタカ色が弱いというか、いずれにせよ中国とのパイプが強いため自然とそうなった感じの中間派です。

今回の小泉参拝問題でも重鎮である野中広務元幹事長がわざわざ訪中、中国の意見を聞いてきて小泉首相の動きをけん制してみせました。

もっとも橋本元首相自身は首相参拝を主張する「日本遺族会」の元会長で、「みんなで靖国に参拝する国会議員の会」の元会長でもあります。じっさい首相のとき、誕生日に参拝したこともあり、かならずしも「橋本派=靖国参拝反対」というわけではありません。

また、無派閥ですがやはり中国とのパイプが強い田中真紀子外相も中間派。小泉首相の参拝をハッキリ批判するなどし、「蜜月」といわれた2人の関係に亀裂が走った、といわれています。

小泉首相と個人的につながりの深い「YKKライン」の山崎拓幹事長は比較的タカ派色が濃いものの、「加藤の乱」でおなじみの加藤紘一元幹事長はハト派の典型宮沢派の流れで、やはりこの点では小泉首相とは対立する関係です。

このようにみると自民党には「改革派か抵抗勢力か」というだけでなく、タカ派かハト派か、という別の対立の図式があることがよくわかります。

小泉首相が構造改革を行っていく上では、どうしても「ハト派であり改革派」の人々の協力が不可欠。参拝はしても、彼らに配慮しなくてはならない。その当たりの微妙さが、今回の「2日前参拝」につながったといえるでしょう。自民党の思想・人間関係、かなり複雑です。

「靖国神社に参拝した歴代首相」靖国神社と首相との関係をくわしく説明しています。

Y!ニュース 靖国神社参拝問題

小泉内閣総理大臣の談話小泉首相の、靖国参拝についての談話が掲載されています。首相官邸ホームページより。
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