■住宅金融公庫とは?■

住宅金融公庫、通称「公庫」は政府が全額出資した住宅ローン専門の公的銀行です。この銀行、民間ではなく政府がお金を出してできているという点と、民間銀行のように預金を集めないという点がユニークです。いままでは、預金を集めなくても郵便貯金や年金のお金が入ってきて、そのお金で住宅ローンを貸し出していたのです。この仕組みは変更されましたが、今回のテーマではありませんので、興味がある方は「よくわかる政治」の“特殊法人問題をやさしく解説!”をご覧ください。

■公庫ローンはお得か?■

公庫の住宅ローンは民間に比べて以下のメリットがあります。
1. 金利が民間より低い。
2. 民間は金利が変動する変動金利であるが、公庫は固定金利なので金利上昇リスクがない。
3. 公庫は融資の審査基準が民間よりゆるく、借りやすい。

以上だけを見ると、やっぱり公庫ってマイホーム獲得にないと困る!となります。しかし、よくよく考えると、

1. 金利が民間より低いということは、公庫が損をしているということ。その損は、最終的に税金で穴埋めされるので、国民全体でみれば得したことにはなりません。つまり、公庫を利用していない人からも税金を取って、その税金を公庫を借りる人に補助しているということです。

2. 民間の固定金利が少ないのは、金融市場の規制が多く、民間が長期間固定金利で貸出す仕組みを作れていないだけです。金融自由化を推し進め、新しい金融商品を作れば民間の長期間の固定金利ローンもできます。これについては、多数の住宅ローン債権を小口化して投資家に販売するという「住宅ローン債権の証券化」という手法があり、すでにアメリカで行なわれています。

3. 融資の審査基準が緩く借り易いということが良いことなのか?という問題があります。バブル期に公庫の甘い融資基準で借りた人が返済できないケースが多くあります。安易に貸すのではなく、きちんと見極めた上で貸すということは、借りる人のためでもある、という考えも成り立ちます。

たとえば、悪名高いのが公庫の「ゆとりローン」です。これは、最初は金利が低いのですが、ある時期から金利が高くなるローンです。このローンは最初は金利が低いので楽なのですが、後半になると金利が上がるので、支払いが多くなります。このローンは、必ず、給料が上昇しつづけるという前提がなければ家計が成り立ちません。

しかし、バブル期にこの「ゆとりローン」で住宅を購入したものの、その後の不況により所得が減少した多くの人々は、住宅ローンが返せなくなってしまいました。「ゆとりローンで人生のゆとりがなくなった」などと笑えないブラックなジョークができあがるくらい業界内では知られていることのようです。

なお、住宅ローンについて詳しく知りたい方は、“「住宅ローン」(All about Japan)”をご覧ください。