百聞一見に如かず--。まずは現物の写真(下図)を見てもらいましょう。


すいすいドルフィン(左:試作品、右:実装試作品)


「すいすいドルフィン」はストップウオッチに姿勢スイッチを内蔵したもので、これを水着の腰の部分につければ、泳いでいる時間のみを自動的にカウントしてくれるメータです。

着想のきっかけは、いまから数年前、仲間との付き合いで始めた水泳でした。

水泳を覚えた頃の楽しみは、もっぱら「どのくらいの距離を泳げるようになったか」にありました。25mも休み休みでしか泳げなかったものが次第に泳げるようになってくる。そうなると今度はどのくらい泳げるようになったかが気になります。必死に泳いで、距離を伸ばす。少しでも距離が伸びたことを素直に喜ぶ。そんなことばかり繰り返していました。

しかし、そこで気になったのが泳いだ距離を測るという作業です。何回プールを往復したのか覚えておけば済むだけのことですが、泳ぐことに必死な初心者にとっては意外に難しいことで、つい忘れてしまうことが何回もあったのです。そこで思いついたのが、水泳における“万歩計”のようなものがないかということでした。

水泳用の距離測定器--。どこにでもありそうな発想です。そこでスポーツ店やデパートなどを探しましたが、意外なことにどこにもそうしたものはありませんでした。プールの仲間では、距離測定器が欲しいという希望は多いのですが、メーカーとしては大きな需要予測が立たなかったようです。またプール関係は新規の販売ルートの確保が必要になり、商品開発には至らないようでした。

そこで初めて「自分で作る」という発想が出てきました。

一度、そう思い始めるといてもたってもいられません。夜、布団に入っても、発明に気が取られ、寝付くことすら出来なくなります。色々な方法がアイデアとして浮かびあがり、その都度メモに書き留めました。これらのアイデアを一つ一つ図面にまとめては、操作状態をイメージします。このへんである程度の問題点と可能性の感触はつかめます。

その結果、次のような素案が見えてきました。

<開発コンセプト>
・毎日プールで泳いだ内容を知りたい!
・時間で、距離で、消費カロリーで!
・スイマーの自然な欲求を、商品化して提供!

<商品の特性>
・水着に着けているだけで、泳いでいる状態を自動的に検出して、休んでいる時間を除き、泳いだ時間のみを積算カウントする。
・距離や消費カロリーでの表示が可能。
・泳いだ距離が、液晶上に表示されるイルカのエネルギーになり、成長する等、ゲーム性を持たせることができる。
・スイミングスクール、フィットネスクラブ、福祉施設、学校等で活用。
・パソコンでのデータ管理、健康アドバイス等、クラブの会員サービスに寄与できる。

ここまでまとまると、次はいよいよ具体的な商品開発に取り掛かることになります……。(次回に続く)

<関連サイト>
発明の個展
http://www08.u-page.so-net.ne.jp/ca2/kirax/ida_idx.html



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