営業のノウハウ/営業の商談・ヒアリング

お客さんに反論しないで商談ペースを作る方法(2ページ目)

商談の場面で、多くの営業マンが犯してしまう失敗があります。それは、お客さんの主張に真っ向から反論してしまうことです。今回は、反論せずに商談をこちらのペースに持っていく方法をお伝えします。

西野 浩輝

執筆者:西野 浩輝

営業ノウハウガイド

上手に論点をずらし、こちらのペースに持っていく

リフレーミングとは、「それまで見ていた枠組みとは違う枠組みで物事を見直す」という意味です。たとえば大きな仕事を抱えているときに、「まだ半分しか終わっていないのか」と考えるとつらくなりますよね。けれども「もうあと半分だぞ」と思うと、かなり気持ちが楽になります。これがリフレーミング(おなじ物事を違う枠組みで見直す)という意味です。

交渉術のリフレーミング法では、営業マンが働きかけて、お客さんの思考の枠組みをこちらのペースに持ち込めるようにリフレーミングさせます。具体例で示しましょう。

「この価格では、うちの上司を納得させることは無理だよ」と言ったお客さんの場合、相手が発した「上司」という言葉をキーワードにして、相手の思考の枠組みをリフレーミングさせます。

<会話例>
お客さん:「この価格では、うちの上司を納得させることは無理だよ。もう一度再検討してよ」
営業マン:「そうですよね。私もAさんがおっしゃるように、上司の方がキーマンになると思います。だからこそ私とAさんで一緒に上司の方を口説きましょうよ。Aさんの現場に対する問題意識と情熱があれば、きっと上司の方をうなずかせることは可能ですよ」

これは完全に論点をずらしています。お客さんは価格の再検討を要求しているのに、営業マンはまったく違う話を持ち出したわけですから。しかし、お客さん側からすると、あまりはぐらかされたように感じません。

お客さんの主張に対して、営業マンは「そうですよね。おっしゃるとおりです」と同意しています。お客さんとしては、何だか自分の主張が受け入れられたかのように感じます。さらに「だからこそ」と言われることで、自分の主張を実現したいのなら、営業マンの誘いに従った方がいいような気すらしてきます。

このように、相手が使った言葉(この場合は「上司」)をキーワードにしながら、相手に同意しつつ、こちらの都合の良いように議論の枠組みを変える。これがリフレーミング法というわけです。
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