新世代の営業スタイル

ワイキューブ 代表取締役 安田佳生氏
ワイキューブ 代表取締役 安田佳生氏 1965年大阪府生まれ。オレゴン州立大学(生物学専攻)卒業後、リクルートに営業職として入社。90年ワイキューブ設立。多くの事業を立ち上げ、失敗も経験。現在では人材・経営コンサルティング事業で年商30億円突破。人気コンサルタントとして講演多数。ベストセラー著書『採用の超プロが教える できる人できない人』や、『採用の超プロが教える伸ばす社長つぶす社長 』がある。記事「サラリーマンが嫌だった

経営・人材コンサルティング会社「ワイキューブ」安田佳生社長は、25歳で同社を起業した若手実業家。ベストセラー『採用の超プロが教える できる人できない人』の著者として安田さんを知る人も多いかもしれない。

ワイキューブ社長としての安田さんは、思い切った営業手法の改革を行い、事業を大きく成功させた人物として知られている。

従来の電話などを使った“売り込む”営業を一切廃止し、広告やセミナーを活用して問い合わせを“受ける”営業に切り替えた。取引するクライアント企業を厳選する独自の「取引先選定基準」も設定し、その基準に合致した企業とのみ取引するようにした。

こうした一連の営業改革によって、同社は年商30億円を超える会社に成長している。そこで第3回目の「トップセールス列伝」は、気鋭のコンサルタント安田佳生さんに、新しい時代に即した『新世代の営業スタイル』について語ってもらった。


売れない営業時代

社員専用地下プールバー

「昔からサラリーマンが嫌だった」という安田さんは、社会人になる前から独立を目指していた。「サラリーマンを2年経験して独立する」ことを目標に掲げ、リクルートに入社した。

入社直後は電話アポインターとして、採用広告媒体の売り込みを仕掛けていた。しかし、まったくアポイントメントが取れず、入社3カ月間は売り上げゼロの毎日が続く。「周囲から『給料ドロボー!』と非難された(笑)」という。

安田:「営業は自分に向いてないと思いましたし、そもそも営業することが嫌いでした。当時の私は極めて反社交的で、電話を掛けるのも取るのも避けていたほどです」

売り上げゼロが続く安田さんに、見かねた先輩が“発声練習”を命じた。「非論理的なトレーニング方法で嫌だった」というが、声を出す練習によって不思議と売れるようになってきた。

安田:「大声を出して“ふっきれた”のだと思います。これまでの人生で、私は一度も大声を出したことがありませんでした。どんなに驚いても、その感情を飲み込んでしまい、声にならなかったほどでしたから」





コラム:「福利厚生」倒産?



ワイキューブ本社は、社員専用カフェ・ワインセラー、地下プールバーなど、驚くばかりの福利厚生施設で知られている。海外から輸入した超高級ビリヤード台や、カフェ・バーのドリンクを美味しく飲むため、自社オリジナル・ミネラルウォーターも用意するほどの念の入れようだ。

会社規模が大きくなったからかと思いきや、創業時から「資金がない割には社員に費用を使っていた」という。むしろ安田さんは「どうして社員に費用を使わないのか不思議」と言い切る。「社員に手厚くすれば、社長だって尊敬されるはず。当社が倒産するとしたら“福利厚生倒産”かもしれません(笑)」