未整備な日本の出産・育児の環境は、働く女性に大きな壁となって立ちはだかる。人気キャリアカウンセラー藤井佐和子さんは「“柔軟性”でそれを乗り越えよう」と提案する。

延べ1万人以上の女性のキャリアカウンセリングを手掛けた藤井さんに、4月から新・社会人生活をスタートした女性に向けて、長期的なキャリア構築方法をアドバイスしてもらった。

「期間限定のフリーター」も選択枝の1つだという。

働く女性は「柔軟性」も必要

藤井佐和子さん 大学卒業後、カメラメーカー入社。その後、総合人材会社で延べ1万人以上のキャリアカウンセリングを手掛けた。現在は独立して「ウーマンズキャリアプロモーション事務局」主宰、キャリアカウンセリング、女性向けセミナー、執筆など多方面で活動中。
―――藤井さんは女性のキャリア相談を多く手掛けています。これから新・社会人を迎えた女性に、「長期的なキャリア構築法」をアドバイスしていただけませんか?

藤井:今の日本の状況を考えると、出産や育児が女性のキャリアに大きなハードルになっているのは間違いありません。

しかし、状況は短期間では改善されないでしょう。ましてや、出産や育児にいつ直面するかも、事前に予想できるものではありません。

ですから「こんな風に自分のキャリアを築き上げたい!」と硬直的なプランを貫き通そうとするのではなく、その場の状況に対応できる“柔軟性”を女性は身に付けるべきではないでしょうか。

私は女子大学生向けのキャリアデザイン講座も担当しています。学生からは「今、付き合っている彼と結婚したいのですが、自分のキャリアをどうすればいいか分からない」といった相談を受けます。でも、そんな先のことは分かりませんよね

「軸」を外さないこと

「“軸”さえ外さなければ、キャリアは継続できる」
―――必ずしも結婚するとは限らないでしょう(笑)

藤井:だから私は「“形を変えても続けられること”を身に付けましょう」とアドバイスします。それは例えば「サービス業で仕事をしたい」とか、「人と接する仕事をしたい」など、大まかな方向性のことです。

私は、自分が楽しめて、大切にしている価値観に根ざす「軸」を持っていれば、どんな状況にあっても、この「軸」を外さない限り、キャリアは継続できるし、どんな仕事をしても将来のキャリアプランに役立つと考えています。

―――少し具体例を教えてください。

藤井:よく「夫が転勤の多い仕事をしているから、どこに行っても続けられそうな経理の仕事をしたい」という人がいるんです。それが彼女にとって本当に楽しめる仕事であればいいのですが、そうでなければ、あとで後悔する危険性があります。

むしろ、人と接するのが好きであれば、パートで飲食店の仕事をしても、後で営業の仕事をしたときに役立つ可能性は高いし、パートのお仕事でも今はマネジメントなども担当しますから、キャリアにプラスになると思うんです。