がんの治療には、「手術療法」「放射線療法」「抗がん剤やホルモン剤など薬による化学療法」の3つがあります。
放射線療法の中の先進医療の「陽子線治療」の特徴や費用については、前回の記事「がん放射線治療の最先端「陽子線治療」の効果とコスト」で紹介しました。

今回は、抗がん剤やホルモン剤などによる「化学療法」の治療費とその自己負担などについて整理してみました。


抗がん剤って何のために使われる?


手術療法や放射線療法は、早期発見によりまだ転移していない局所的ながんに効果的と言われるのに対し、抗がん剤などの化学療法は、転移などで広がったがんに対しても、全身に働きかけることができるため、以前から利用されてきました。

特に血液系のがんなどは、放射線療法や手術療法では治療しにくいのですが、最近では、抗がん剤を使った化学療法で白血病の治癒率が50%になるまで進歩しているとのこと。白血病や悪性リンパ腫の他にも、胃がん、大腸がん、子宮がん、前立腺がん、膀胱がんなどは、抗がん剤が効きやすく、延命効果が期待できるといわれています。

これらの抗がん剤は、日本には200種類近く存在し、それぞれ特徴に応じて、次のような働きがあるそうです。
・がん細胞のDNAに作用して分裂を阻止する
・がん細胞の分裂を阻害する
・がん細胞を衰弱させる成分を与えて細胞を死滅させる

より効果をあげるために、抗がん剤を2種類から4種類ほど組み合わせて併用する方法も増えていますが、最近は、放射線治療などとの併用も広がっています。例えば、抗がん剤を放射線照射後の再発や転移を防ぐために使ったり、手術前にがん細胞の活動を抑えるために使ったりと、がん治療に重要な存在になっています。


ホルモン剤ってどんながんに効果的?


一方、ホルモンの分泌を止めることによって、がん細胞を小さくしたり、増殖を抑える「ホルモン剤治療」もあります。この治療の対象となるのは、男性では前立腺がん、女性は乳がん、子宮体がん、卵巣がんなど、性ホルモンで成長するがんに絞られています。

このホルモン剤による治療は、がんを死滅させるのではなく、がんの増殖を止めて活動休止状態にさせるもので、抗がん剤に比べて副作用も強くありません。乳がんなど、がんの種類に応じて、抗がん剤と併用して使われています。

また、ホルモン剤治療だけでは治すことが難しいといわれる前立腺がんなどは、早期発見されたものなら、放射線治療と併用することで治癒率を上げることもできます。放射線照射の前に、ホルモン剤でがんを小さくしてターゲットを絞りやすくしたり、 小さな転移がある場合に、放射線による局所治療と併用して全身の抑制効果をあげるなどが考えられ、ホルモン剤も治療に重要な役割を果たしています。


抗がん剤やホルモン剤の治療費は?

このようにがんの治療によく利用される抗がん剤やホルモン剤などについて、実際にどの程度の負担になるのかを整理したのが下表です。
抗がん剤

[表]抗がん剤・ホルモン剤の治療費のイメージ(※クリックすると拡大します)


手術後に服用する抗がん剤などは、術後の様子を見てインターバルをあけながら、1年前後は服用していくケースが多いそうです。一方、転移などで手術ができない場合に服用する抗がん剤は、その抑制の効果が出る限り、飲み続けることになるので、じわじわと負担が続く不安感があるでしょう。その負担への対処については次のページをご覧ください。