【目次】
1.サブリース・一括借り上げの意味は?
2.サブリースの仕組みとは?
3.サブリースのメリット
4.サブリースのデメリット・注意点
5.サブリースでのトラブル事例
6.サブリース契約のチェックポイント
7.サブリースを上手に活用する方法


 

サブリース・一括借り上げの意味とは?

オーナーさんの多くは「アパートローン」を利用しており、その返済の原資に家賃収入を当てていますので、もし長期にわたって空室状態になったり、滞納者が多い場合にはローン返済がままならず、死活問題にもなりかねません。

そんなオーナーさんの不安に応えるために、不動産会社やハウスメーカーが、自社のサブリース商品として「一括借り上げ」や「家賃保証」の提案をしてくる場合があります。

聞き慣れない言葉ですが、「サブリース」とは、オーナーさんのアパートやマンションをサブリース会社が一括借り上げをし、それを入居者に貸すことを指します。つまり、オーナーさんにとっては貸す相手がサブリース会社となるため、全室分の賃料が保証され、空室リスクがなくなることになります。
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サブリースの仕組み

先に書いたように、オーナーさんの所有する建物をサブリース会社が借上げ、その会社が入居者に転貸すること、つまり「又貸し」を条件に契約することをサブリース契約と言います。この又貸し時において、サブリース会社は利益を得ます。サブリース会社の報酬とは入居者が支払う賃料を100%として、オーナーさんに支払う借上げ賃料が85~90%の場合、10~15%となります。これがサブリース契約の仕組みです。しかし、サブリース会社は滞納に備えた再保証会社への支払いや入れ替え時の空室期間のリスク、トラブルの訴訟リスクなどを負うので、すべてがサブリース会社の利益となるわけではありません。
 
不動産会社は上記業務内容に応じた報酬を得ることになる

不動産会社は上記業務内容に応じた報酬を得ることになる

 

サブリースのメリット

サブリースには、賃貸経営上の運営が楽になるというばかりではなく、以下のようなメリットもあります。

1.空室の心配や、家賃滞納の心配をしなくて済む
2.クレームやトラブル対応など入居者と関わる必要がなく、手間が掛からない
3.入居者確保のための建物の維持・保全に気を遣わなくても良い
4.確定申告で収支内訳書内に、住戸毎の入居者名、賃料等を記載する手間が省ける
 

サブリースのデメリット(注意点)

1.家賃減額請求
サブリース契約では借上家賃(保証する約定賃料)を設定していますが、経済状況の変動等により賃料の増減を請求できるという項目が記載されている場合があります。契約途中でも減額される可能性がありますので、設定家賃が適正であるかどうか確認すべきです。

2.契約の中途解約
「25年の長期保証」や「最長で35年の保証」などを謳っているサブリース会社もありますが、家賃減額請求を起こされる場合や、経済情勢の変化で途中解約となる場合も充分にあります。

3.サブリース会社の破綻
サブリース会社が破綻した場合、約束した保証が反故になるケースが多くあります。入居者が退去する時、敷金などもオーナーさんへの返還義務が課せられるリスクがあります。サブリース会社の与信については十分な注意が必要です。また、サブリース会社が建設会社やデベロッパーなどの子会社であるケースは、親会社の経営状況も把握しておく必要があるでしょう。サブリース会社が健全経営であっても親会社がそうでない場合には連鎖倒産という可能性もあります。

4.サブリース契約終了後の管理
サブリースが終了、もしくは解約された場合、入居者情報の伝達や賃貸契約の引継ぎがスムーズに行かないケースもあります。また、建物の維持管理の履歴や建物のメンテナンスもいい加減な場合、修繕等に莫大なコストが掛かる場合があります。
 

サブリースのトラブル

上記、サブリースのデメリットが実際のトラブルとなった事例を紹介します。

~2018年1月、首都圏を中心にして女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を展開する株式会社スマートデイズがオーナーに対してサブリース賃料の支払い停止を発表した。物件オーナーは700名にのぼり、銀行から多額の「アパートローン」を借り入れ、1億円超の新築物件を購入した人が大半。このまま収入が途絶えると、返済に窮する人が相次ぐ恐れがある。問題の原因は、入居率が低迷し資金繰りの悪化に拍車が掛かったためとみられている。~

この問題は、端的にいえばサブリース会社の賃貸経営の失態をオーナーさんが被ることになってしまう可能性があることを示しています。したがって、サブリース契約を検討するオーナーさんは、サブリース会社選びには慎重にならなければなりません。
 

サブリース契約のチェックポイント

1.免責期間
入居者がすぐに決まらないことを考慮して、リース料金支払いを猶予する「免責期間」が妥当か。入居可能日と竣工引渡日との差異に注意

2.解約条項
契約途中に解約する条件がどのように契約書に記載されているか。サブリース会社には都合よく、家主さんには厳しい場合などは注意

3.条件変更
期間中にサブリース会社からの賃料の減額請求があった場合の対応

4.修繕・リフォーム
建物の修繕金額の決定システム、原状回復の取扱がどうなっているか

5.建物管理
日常清掃、定期清掃・保守やメンテナンスなどの管理方針。サブリース契約と建物の保守管理が一体化されている場合も多いので、見逃さない

6.敷金の取扱
サブリース会社の倒産リスクで最も心配される項目。最近では、入居者からの敷金を使い込んでいるサブリース会社も多数あるので、敷金預かりの契約スタイルを考えてみる

 

サブリースを上手に活用する方法

さて、空室や滞納などのリスクが回避できるオーナーさんにはメリットのあるサブリースですが、注意すべき点も多々あることがお分かりいただけたと思います。

そこで、オーナーさんにはサブリース会社との交渉で、少しでもリスクを回避した有利な契約を結ばれることをお勧めします。以下のポイントを参考にして、上手にお願いしてみてください。

• 免責期間の短縮はできないか
• 敷金相当額をサブリース会社から預かれないか
• 中途解約が不利にならないような工夫はできないか
• 修繕や建物メンテナンスなどオーナーさんの裁量の余地を入れて貰えるか
• 定期借家契約でサブリース契約を結べないか
• 賃料の減額請求を排除した契約が可能か

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
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