お箸(はし)のはなし
日本人の食生活と箸とは、切っても切れない関係にあります。
世界中を見渡してみると、素手で食事をとる民族/ナイフやフォークの金属食具を使う民族/箸や匙(さじ)を使う民族とに大別されます。その中でも、日本はほとんどの食事を箸だけで食べるという特異な民族といえます。箸の起源は中国とされ、紀元前18世紀から11世紀頃に栄えた殷王朝の遺蹟から銅製の箸が見つかっていますが、このような箸は祭祀として利用されたものと考えられています。
 
 
竹の先を加工した湯豆腐つかみ。 南天の枝で作った自作のとり箸。
 
 
挟む道具としての箸は竹製でピンセット状の折箸だった。箸という漢字が竹カンムリの理由です。 貝殻を木先につけた調理食具の杓子が匙の原形といわれます。
 
 
日本人の食卓にも、ナイフとフォークの組み合わせが大きく進出しているといいます。 取り分け用にはスプーンとフォークの組み合わせが多く見られます。
 
 

様々な形態の漆塗りの匙。西洋にアジアの工芸品が持ち込まれた大航海時代、陶器はチャイナ(china)と呼ばれ、漆器はジャパン(japan)と呼ばれた。それほど日本の漆器は江戸時代に大きく発達しました。

素木(しらき)の杓文字(しゃもじ)。匙の変型というより原形に近い。ちなみに神主の持つ杓文字には神と対話する道具としての意味が込められている。
お隣の韓国や、中国の食事では、箸だけでなく匙のほうが多く利用されている。
 
 
菜箸の種類、長さが27cm/30cm/33cm/36cmとあり料理によって使い分けます。 把手の部分だけに漆をかけた箸。
利久箸と呼ぶのは、両端が細くなったものを指します。
 
 
滑りやすく麺類が食べにくいことから考案された乾漆を混ぜた漆塗の箸。 螺鈿をちりばめた豪華な箸。
一般的な箸の長さは16cm/20cm/22.5cmとされています。
 

1月23日まで、渋谷東急東横店で開催された「日本の職人展」で江戸木箸・創作「向島大黒屋」の青黒檀を使った、箸づくりの実演があり、社長からお話をうかがってきました。

今では量産機械で作る箸がほとんどとなり、こうやって一本一本手作りするお箸はほとんどなくなってしまったそうです。
黒檀の中でも、手に入りづらい青黒檀は極めて緻密な木材で、四角形はもちろん五角形や八角形の箸など、とても手に馴染みやすいのが素晴らしい。
中でも28cmもある箸は大きいのですがとても使いやすそう。先が折れたらまた削り直してあげますからという社長の説明に大きくうなずきました。

 

ここからは、私が調べた割り箸の話を・・・。

日本では、明治時代には割り箸を出すというだけで高級料亭と呼ばれる時代があったそうですが、外食産業の発達に伴って、割り箸の需要が、80年代前半には年間150億膳だったものが、90年代には400億膳という信じられない数量となり、未だにのび続けているそうです。国内生産では追い付かず、半分以上は近隣諸国からの輸入品だそうです。
使われる主な材料は、素木(しらき)の杉・ひのき・竹・松・樺などが主ですが、中国産はシナ・樺、韓国産はポプラ・フィリピン産はブバスという木が多く使われています。

 

割り箸の好まれる理由は、まず清潔であり、使った後に捨ててしまうため、繰り返し洗ったり乾燥する手間が必要無いことがあげられます。
神事や茶事で使われる箸は、そのつど新しく削り、一度しか使わないことから、割り箸も一回で使い捨てという思想につながっているそうです。
パルプとして大量に利用される森林資源は、姿を変えてしまっているためその実態を正確に把握しずらいのですが、割り箸は木材そのものを使った後捨ててしまうため、自然破壊のシンボルとさえいわれるようになりました。かっては間伐材の利用法として割り箸に意味があったのですが、今では山で働く人も減り、山林の手入れもままならず、間伐材すら減少しているのです。

 
21世紀は、私達の生活を根底から見直す時代でもあります。外国からきた人たちがそれほど難しくなく箸を使っているのを目にすることが多くなりました。
興味を示すことを「食指が動く」といいますが、この食指とは人さし指のことです。日本人が箸を使って食事をするようになったのはそれほど古い歴史がある訳ではないことがわかります。
ましてや世界の森林資源を、清潔だから、手間がかからないからという理由だけで、使い捨てに走ってしまうのは、そろそろ考え直す時期にきているのではないでしょうか。
 
ここにご紹介した江戸木箸・創作の「向島・大黒屋」は、ホームページはありません。
お問い合わせは下記までどうぞ。
郵便番号:131-0032 
住所:東京都墨田区東向島ニの三の六
電話:3611-0163
 
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