エス・バイ・エルが「ジャパニーズモダン宣言」

光風
和の趣を感じさせながらモダンなスタイリッシュさも兼ね備える「光風」外観(写真提供:エス・バイ・エル)
今年4月、「ジャパニーズモダン宣言」をしたエス・バイ・エル。同社はハウスメーカーの中でも「シンプル・モダン」をいち早く掲げて商品展開に乗り出し、社内建築家を登用してデザイナーズハウスさながらのデザイン性を追及してきました。そのモダンデザインの先駆企業が「ジャパニーズモダン」という新戦略を打ち出したことは、前回もお話したように「和風とモダンデザインは同ルーツであること」を物語る象徴的な動きといえるでしょう。

同社は宣言とともに新ブランディング戦略の第一弾として、今春「光風(こうふう)」をリリース。7月20日には新商品「MOO(ムー)」を発売しました。これら2商品に共通した特徴は、「何世代にもわたって暮らし継がれる」ことを考慮した住まいとして、「優れた耐震性・耐久性」「飽きのこないデザイン・快適空間」「暮らしの変化に対応した空間の可変性」「メンテナンスシステムの充実」という長期優良住宅に求められる特徴を備えていることです。

光風リビング
「光風・MOO」のリビング。2階まで吹き抜けの大窓から自然光が差し込み、障子の引き戸さえもモダンに引き立てる
特に強化されたのは「耐候性」と「防汚性」の高さ。紫外線に強い高耐候性を備えた無機質セラミックのタイルにより、色あせや剥離、ひび割れなどの劣化を軽減。また「防汚」対策には、親水性の効果で汚れを低減するナノ親水という機能を採用しています。「飽きのこないデザイン」と「美観を長く損なわない」の2つは表裏一体の関係。どちらか一方が欠けても長期に残していこうという住み手の意識は働きません。「流行を追うのではなく、住まいの本質を極めることを考える」ということを突き詰めていったところ、日本人のDNAに受け継がれているシンプルな和のデザインに行き着いたといえるかもしれません。

伝統家屋的商品がGマークに

「縁」外観
07年Gマークを受賞した積水ハウスの「縁の家」。4寸勾配の緩やかな切妻屋根が落ち着きを醸し出す
グッドデザイン賞(Gマーク)で伝統家屋的商品が受賞したことも時代を物語っています。積水ハウスが昨年4月から販売し、07年Gマークを受賞した木造商品「シャーウッド」シリーズ「縁(ゆかり)の家」は、大屋根と水平ラインによる落ち着きのある外観が特徴的。居室には伝統家屋にある土間を活用しています。

襖や障子などを用いて室内を場面により様々な用途に使い分けるのも特徴。居間へのアプローチに広縁を取り入れるなどの工夫によって、「もてなし」の気持ちを表現した空間を提案しています。こちらは土間の採用など、純和風のしつらえですが、そこにも現代的なアレンジが行われています。

涼温房
住友林業の涼温房の一つ「通風床」は日本伝統の和風住宅の設計手法を生かした知恵
日本の伝統工法・在来木造住宅の供給でトップを誇る住友林業は、従来より和の要素を導入してきた企業。今年2月に発売した「マイフォレスト大樹(たいじゅ)」は和モダンの要素を随所に取り入れているほか、材質にもこだわり、主要構造材を国産材比率100%、内装材にも国産杉を提案しています。

同社の特徴的な「涼温房」は、自然の恵みを利用して夏の暑さを和らげ「涼しさ」を呼び込み、冬の寒さをしのぎ「温もり」をつくり出す設計手法ですが、これはまさに日本伝統の和風住宅を今に復元したものが多く、伝統的な住まいづくりの手法が見直されていることを裏付けています。

さて、ハスウメーカー以外でも、和の感性を生かした住まい・街づくりが進んでいます。次ページで紹介します。