妊娠初期/妊娠4ヶ月

妊娠4ヶ月 胎児の様子や妊婦の症状・妊娠生活で気をつけること

妊娠4ヶ月にあたる12週・13週・14週・15週の赤ちゃんの様子や母体の変化、気をつけることなどをご紹介。そろそろ落ち着いてくる人が多いつわりのこと、妊娠中の栄養管理について、妊娠中の旅行で注意すべきこともおさえましょう。

竹内 正人

執筆者:竹内 正人

妊娠・出産ガイド

妊娠4ヶ月(12~15週目)の胎児の発達や母体の症状

妊娠4ヶ月の時期は、ママの体で胎盤が完成し、お腹の中の赤ちゃんは、臍帯(へその緒)を通して栄養を摂るようになります。羊水の量が増えて、背中を伸ばしたり、手足を動かし始めるようになります。

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妊娠4ヶ月目 妊娠12~15週の胎児の様子・母体の症状や気を付けること

赤ちゃんが少し動く様子は、超音波検査でも確認できます。顔にうっすらと産毛のようなものもはえてきて、外見上から性別も確認できるほどに。
<目次>

妊娠12週目の胎児の発達

妊娠12週(妊娠4ヶ月,四ヶ月,4カ月)エコー写真・超音波写真

妊娠12週(妊娠4ヶ月)エコー写真・超音波写真

  • 妊娠12週目:受精から70~76日目
  • 胎児の大きさ:頭殿長(座高)6cm
  • 胎児の体重:10~15g程
  • 母体の変化:お腹が少し出てくる人も。子宮はグレープフルーツ大に

妊娠12週(12w)になると今まで急成長を続けてきた赤ちゃんも、このあたりでペースダウン。これまでに比べれば、少しゆっくり成長していきます。内臓や消化器官が機能しはじめ、肝臓は胆汁を作り出し、腎臓は尿を作って膀胱に送るように。体毛が現れたり、産声をあげる生体の準備が始まったりという変化もあります。

胎動を感じるのはまだ先ですが、子宮の中では体を曲げたり、伸ばしたり、キックしたりと、赤ちゃんの動きもだいぶ激しくなってきました。

▽参考記事
妊娠12週 胎児の大きさとエコー写真・流産の壁の実際
 

妊娠13週目の胎児の発達

妊娠13週(妊娠4ヶ月,四ヶ月,4カ月)エコー写真・超音波写真

妊娠13週(妊娠4ヶ月)エコー写真・超音波写真

  • 妊娠13週目:受精から77~83日目
  • 胎児の大きさ:頭殿長(座高)が75mm
  • 胎児の体重:20gほど
  • 母体の変化:ホルモンの分泌量が原因で、便秘気味になりがち

妊娠13週(13w)の赤ちゃんは腕が伸びてきて、生まれたときに近い、バランスのとれた体つきになってきました。足もこれからどんどん伸びてきます。親指を舐める、手首を曲げる、握りこぶしを作るなど、複雑な動きもできるように。超音波検査でも全体が一番見える時期なので、夫婦2人で妊婦健診に行くのもおすすめです。

肺の動きも活発化。羊水を肺の中から出したり入れたりして、呼吸のまねごとも始めています。内臓では、脾臓が働き始めます。腸は、正しい位置におさまるように動いていきます。大腸は小腸を縁どるようにして小腸の周りに落ち着いてきます。小腸はまだおなかの中にぶら下がっていますが、これからきちんとおさまっていくところです。

▽参考記事
妊娠13週 胎児の大きさ・エコー写真・性別や胎動はいつわかる?
 

妊娠14週目の胎児の発達

妊娠14週(妊娠4ヶ月,四ヶ月,4カ月)エコー写真・超音波写真

妊娠14週(妊娠4ヶ月)エコー写真・超音波写真

  • 妊娠14週目:受精から84~90日目
  • 胎児の大きさ:頭殿長(CRL)が80~93mm
  • 胎児の体重:25gほど
  • 母体の変化:お腹の張りや痛みを感じることも

妊娠14週(14w)になると、胎盤も完成に近づいてきます。胎動はまだわかりませんが、羊水の中を回転するなど赤ちゃんは活発に動くように。

これまではあごと胸がくっついていましたが、首が発達して長くなったため、離れてきます。腕と体の比率は、出生時の様子にかなり近づいてきています。まだ脂肪はついてはいませんが、少しずつ皮膚の厚みが増し、うっすらとうぶ毛が生えてきています。

赤ちゃんの心臓は、もう活発に動いています。心拍数は1分間に150回ほど。お母さんの倍以上の速さで、小さな心臓を目一杯使って1日に25L弱の血液を全身に送り出しています。 健診で心音を聴いてみるとよいでしょう。また、各器官も成熟が進み、脳細胞をつなぐ配線の神経回路もできてきます。

▽参考記事
妊娠14週 胎児の大きさ・エコー写真・お腹の張りは大丈夫?
 

妊娠15週目の胎児の発達

妊娠15週(妊娠4ヶ月,四ヶ月,4カ月)エコー写真・超音波写真

妊娠15週(妊娠4ヶ月)エコー写真・超音波写真

  • 妊娠15週目:受精から91~97日目
  • 胎児の大きさ:CRL(頭殿長)が104~114mm
  • 胎児の体重:40gほど
  • 母体の変化:胎盤がほぼ完成し、体調が安定する人も

妊娠15週(15w)になると、皮膚が厚くなり、指紋ができたり、足のつめも完成してくるなど、体の細かい部分もどんどん作られています。体の大まかな組み立ては終わりましたが、全てがまだ未熟なので、これからは外部とのコミュニケーションを通して、それぞれの臓器や器官が成熟し、成長していきます。

赤ちゃんの顔の表情もバリエーションが増えてきて、難しい顔やしかめっ面もできるように。 閉じたまぶたの下では、目がゆっくりと動かせます。舌の上には味蕾(みらい)ができてきて、もうすぐ味も感じることができるようになります。

親指をチュッチュッと吸う吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)ができるようになっています。胎児はおなかの中で顔を向けた方の指しかしゃぶりません。そして、これが利き手の始まりと推測されています。

▽参考記事
妊娠15週 胎児の大きさ・エコー写真・お腹の張り・胎動は分かる?
 

妊娠4ヶ月はつわり症状が落ち着いてくる人も

妊娠4ヶ月、そろそろつわりも落ち着いてくる……?

妊娠4ヶ月、そろそろつわりも落ち着いてくる……?

妊娠中の辛いつわりは、妊娠12~16週目頃には落ち着いてくる人がほとんどのよう。つまり妊娠4ヶ月頃を境に、症状が楽になる人も多いようです。とはいえ、つわりは期間も症状も程度も、人によって千差万別。いつもより少し調子がよくない程度で済む人もいれば、ずっと寝込んでしまう人もいます。 つわり症状が悪化すると、妊娠悪祖(おそ)と呼ばれる病気になってしまいます。以下のような症状がみられる場合は、医師の診療を受けましょう。

■妊娠悪祖の症状
  • 朝から晩まで吐いている
  • 体重が4~5kg減った
  • 水分を受けつけない
  • 尿がほとんど出なくなった
  • フラフラする
妊婦さんにとって辛いつわりですが、原因は未だはっきり分かっていません。よって、終わるのを待つしかないといえます。それでも、つわりの症状を軽くするコツはあるので、試してみてください。

■つわりの症状を軽くするコツ
  • 気分が悪くなったらすぐに休む
  • お腹が空いて胃が空になる前にこまめに食べるようにする
  • たんぱく質と、米やうどんなどの複合炭水化物を摂る
  • 朝に胃が空っぽでむかつきが憎悪するのを防ぐため、就寝前に軽食。朝も起きる上がる前に、ベッドのなかで複合炭水化物を摂る
  • 見かけやにおい、味などで吐き気を催すものは避ける。栄養のバランスより、食べられる物を重視
  • 水分をできるだけ多く補給するように心がける。気持ち悪くなる場合は炭酸水や果実、生野菜など水分が豊富なものを口にする
  • 吐いた後は、必ず歯を磨くか、口をゆすぐ
  • 歯磨き粉や歯ブラシを気持ち悪くならないものに換え、気分が悪くなるならマウスウオッシュで口をゆすぐ
  • つらさを周囲に理解してもらい、家事などの仕事を協力してもらう
  • ブラジャーなど体を締めつけるものをやめる
  • 外出したり趣味に没頭したりして、気持ちを他に向けてみる
  • 希望がある場合、医師に処方してもらう。メトクロプラミド(商品名:プリンペラン)、ビタミンB6(商品名:ピドキサール)、漢方の小半夏加茯苓湯などが、吐き気を和らげる場合も
▽参考記事
つわり時期はいつまで続く?悪阻の期間・症状と対処法
つわり対処法!ひどい・気持ち悪いつわりを和らげる10の方法

▽参考サイト
つわり/女性にやさしい職場づくりナビ - 厚生労働省
妊娠悪阻/女性にやさしい職場づくりナビ - 厚生労働省
 

つわりが落ち着いたら考えたい妊娠中の栄養管理

妊娠4ヶ月前後につわりが落ち着いてきたら、栄養管理も考えよう

妊娠4ヶ月前後につわりが落ち着いてきたら、栄養管理も考えよう

人によっては、食べ物のニオイで吐き気がこみあげてきてしまうなど、つわりの期間はなかなか栄養管理まで手が回りづらいもの。つわりが落ち着いてきたら、バランスのよい食事を心がけましょう。

妊娠中の食事はバランスよく摂取できていれば、特別これを食べなければいけない、と神経質になる必要はありません。ただし、偏食や過食には気を付けましょう。

■妊娠中に食べたほうがいいもの
  • たんぱく質……筋肉、皮膚などを構成する。魚、肉、大豆製品など
  • ミネラル……カルシウム、マグネシウム、鉄、カリウムなど
  • 葉酸……赤ちゃんの脳神経の発達と神経管の形成に関係する。ホウレンソウやシュンギクなどの葉物野菜、豆類の中でも納豆、レバー類など
  • 食物繊維……押麦、玄米、大豆、納豆など
また、ビタミン各種も欠かせません。脂質、食塩は一般的に摂取量が多めとなる傾向にあるので気をつけましょう。

■妊娠中に食べないほうがいいもの
  • マグロやキンメダイなど大型魚や深海魚……メチル水銀を比較的多く含むので、水銀摂取が胎児に影響を与える可能性が懸念される。妊娠中期以降は控える
  • 化学調味料や人工添加物……過剰摂取は推奨されないが、どのくらい摂取すれば、どのような影響が出るか詳細は不明。基本的に、通常の食事であれば神経質になることはない
  • 生肉……妊娠中の肉食は十分に過熱したものが基本。生肉はトキソプラズマのおそれも
  • お酒……アルコールは胎盤から胎児に移行するため、胎児アルコール症候群(FAS)のおそれ。高頻度の大量摂取でない限り可能性は低く、妊娠に気づく前の飲酒もまず心配不要だが、妊娠を自覚したら禁酒が基本
妊婦に魚はNGかというとそうではなく、魚介類には赤ちゃんにも必要な、DHAなどの必須脂肪酸が豊富に含まれています。妊娠中期以降は大型魚や深海魚は避けて、水銀が少なくDHAを豊富に含むサバやイワシなど小魚中心の摂取が望ましいとされています。また、大型魚であっても絶対に口にしてはいけないという訳でもありません。マグロの刺身であれば1人前を週2回であれば心配ないとされています。仮に胎児への影響があるとしても、音を聴いた場合の反応が1/1000秒以下のレベルで遅れるようになる程度で、将来の社会生活に支障があるような重篤なものではないと考えられています。

▽参考記事
妊娠中の食事の疑問!OK・NGな食べ物・飲み物は?

▽参考サイト
妊娠中と産後の食事について/厚生労働省
妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意/厚生労働省
 

妊娠4ヶ月も飛行機移動は大丈夫だが、旅行は安定期がおすすめ

マタ旅を計画するにあたって、気圧の変化などの問題から、飛行機移動をしても大丈夫なのかは気になるところでしょう。実は、気圧の変化が赤ちゃんに影響することはありません。しかし、飛行機の機内は湿度が低く、また長時間動きづらい環境です。十分な水分補給と、座席でも下肢の運動をしたり、気流がいい時は機内を歩いたりといった血栓症対策は忘れずに。搭乗の際、客室乗務員に妊娠していることを伝えておくと安心です。

なお妊娠中の旅行におすすめの時期は、妊娠4ヶ月よりはもう少し先。安定期がおすすめで、16~27週以降が最適です。妊娠初期は流産の可能性やつわりがあり、また乗り物酔いが増悪しやすいので、なるべく避けましょう。ただし、旅行と流産は直接関係がありません。12週になると体調は安定してきますが個人差があります。また、妊娠9ヶ月(妊娠28週~31週)もまず問題ないでしょうが、お腹が張りやすくなってくるので、無理は禁物です。

マタ旅の必需品は、母子手帳、保険証、生理用ナプキンです。常に余裕あるスケジュールで、のんびりとした旅行を計画しましょう。

▽参考記事
妊娠中の旅行・マタ旅のおすすめ時期と注意点
▽参考サイト
Q.「妊娠中に海外旅行に行っても大丈夫ですか?」女性の健康推進室 ヘルスケアラボ/厚生労働省

妊娠週数別記事

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