異空間への旅を思わせる「SHIENA」

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外壁と建物との間に生まれた空の形

白金台といえば誰もが憧れる都心の一等地。そんな場所に佐藤宏尚さん(佐藤宏尚建築デザイン事務所)が建てたエステサロン兼住宅「SHIENA」を見てきました。

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古い住宅地のいっとう奥に位置する
敷地は狭い路地のどん詰まり、傾斜地の中腹にあるような場所なのですが、窓からは東大病院の研究所の緑や小さな公園が望め、なかなかの好環境です。それにしても、普通の古い住宅群の奥まった場所にコンクリートの壁、その向こうに空を曲線で切り取ったようなモダンな建物が見える様は、ちょっとした異空間への旅を思わせてくれますね。

「SHIENA」は、1階がキッチンのあるサロン、2階がエステルーム、3階が居住空間というきわめてコンセプチュアルな建物。
さっそく中を拝見しますと、ゲートをくぐってすぐ左手に上階に繋がる石タイルの外階段があり、それがこの建物のメイン通路になっていることがわかります。階段には屋根がなく、建物内を行き来するには一度、外に出なければならないということですね。しかしその分、内部は壁ギリギリまで「使える空間」になっていることはいうまでもありません。

スリット状の窓がとてもモダン
各階への移動は外階段を使う

オブジェ風キッチンが商業空間くささを払拭

まずは1階のサロンを覗いてみますと、隣接する東大病院の庭よりやや低い場所に建っているため、半地下のような趣きがあり、明るすぎず落ち着ける空間。

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半分地下に埋まった感覚のサロンスペース
裏庭を覗き見るような楽しさがあります

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一瞬、これは何だろうと思わせるデザインのキッチン収納

ここはどうやら建て主が生活空間としても使われるためか、かなり広めのキッチンが取ってありました。しかもこのキッチンにある収納部は、古材を組み合わせてオリジナル家具をつくる職人に依頼してつくられたオーダーメイドのものらしく、それ自体がかなりオブジェ風。互い違いに小さな棚が組み合わされた不思議な形状は、この空間が商業スペースなのか生活スペースなのか曖昧にしてしまう力があります。それが建て主さんの狙いなのかもしれません。
エステを受けに来られたお客さんをここでもてなし、我が家にいるようなくつろぎを感じてもらう。そして午後のお茶で気持ちを落ち着けたあとは、2階のエステルームへ---。

東大病院の庭の環境をそのままいただく

2階のエステルームは、ひとつの空間をガラスで仕切り3つの「間」を創り出しています。手前がベッドを2つを余裕で並べられる広めのルーム、奥がVIP用のサービスルーム、さらに奥が外に開いたテラスになっています。白い壁とオーク材の黒とガラスの組み合わせが美しく、とても上品で快適な空間に仕上がっています。

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東大病院の庭木を借景にしたくつろぎのエステルーム

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窓からの風景を楽しみながら味わう至福のひととき

注目したいのは、手前のルームとパウダールームの壁に設えられたオリジナルデザインの飾り棚。エッセンシャルオイルや薬剤やらを置かれるのでしょうか。棚としての機能には若干「?」もありますが、それ自体がオブジェのようでもあり、この空間をさらに上質なものにしています。
もうひとつ、この階からは東大病院の庭がかなり広く見渡せ、自然環境を悠々と眺めながら究極の快楽であるエステが受けられるという贅沢な空間になっていました。

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パズルのような飾り棚、アロマオイルなどの小瓶が似合う


最後に居住スペースをご紹介いたします!