火災保険料は保険商品の「価格」だが安ければいいのではない理由

火災補遺権料、わが家はどれくらい?

火災保険料、わが家はどれくらい?

「火災保険料ってだいたい、どれくらい支払うもの?」「火災保険の金額の目安は?」「みんな火災保険はいくら払ってる?」と聞かれることがあります。

ただ火災保険料は、建物構造やその場所、火災保険の補償内容によって変わってきます。取り扱う保険会社によっても異なるので、マイホームの状況を踏まえ、具体的に試算をしてみないと「いくらぐらい」とは言えないものです。

そうはいっても火災保険料は補償の「対価」、つまり保険の「価格」そのもの。節約志向がますます高まる昨今、わが家の火災保険料も気になりますよね。ただ安ければよいのではなく、できるだけ高品質のものを、できるだけ安い負担で入手したいーーこれはどんな買い物をする場合も私たちの共通ニーズ。火災保険においても同じはずです。

そこで今回、火災保険料の決め方について見ていきましょう。

 

火災保険料は「住所地」と「建物の構造」で決まる

火災保険料を決める大きな要素は2つ。「住所地」と「建物の構造」です。

表を見てみましょう。保険金額1000万円の火災保険料は、福岡県と北海道では同じ補償内容でも2万円近い差に。また、東京都と福岡県では、地震保険料に3倍以上の差があります。保険料が住所によって違うのは、都道府県により異なる事故の発生予測、損害状況予測をもとに保険料が算出されるから。火災保険には自然災害の補償もありますが、自然災害の発生状況は住所地で大きく異なりますから、保険料も大きく変わるというわけです。

さらに「建物の構造」で、火災や自然災害等による被害の及びやすさも測られます。保険料はその建物のもつ被災リスクに見合うよう合理的に、しかも公平に算出されなければならないのが原則。よって、被害を受けにくい丈夫な建物は保険金が支払われる確率が低く、相対的に安い保険料が算出される一方、そうでない建物は逆の理由で高くなります。

【保険金額1000万円の保険料】
 
都道府県 火災保険料(10年間) 地震保険料(5年間)
福岡県 5万8000円 1万3600円
香川県 4万100円 1万9000円
大阪府 3万8300円 2万6450円
愛知県 4万4300円 3万4250円
東京都 3万8300円 4万5050円
新潟県 3万9400円 1万6200円
宮城県 3万5000円 1万9000円
北海道 3万9400円 1万6200円

(表注)
・2017年新築の一戸建てT構造建物、建物の保険金額1000万円、保険期間10年・保険料は10年長期一括払い。
・セゾン自動車火災保険「じぶんでえらべる火災保険」の例。
・補償は、火災・破裂・爆発・落雷・風災、ひょう災、雪災(自己負担額10万円)、諸費用
・地震保険は保険金額500万円、保険期間5年、保険料は長期一括払い、建築年割引適用。
・保険始期日2017年10月試算。

 

2010年1月の契約からは3段階の構造級別

もう少し具体的に見てみましょう。火災保険上では、建物の丈夫さは「柱」と「耐火構造」で判断されます。丈夫な順に「M構造」「T構造」「H構造」の3段階。このいずれかに振り分けられます。

保険料が一番安くなる「M構造」は、耐火建築物の共同住宅、一般的にはマンションを指します。耐火建築物とは、主要構造部(壁・柱・屋根・階段)を耐火構造(鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造)にし、延焼の恐れのある開口部(窓・入口)を防火設備(防火扉など、火炎を遮る設備)にしたもので、建築基準法に具体的に定められているものです。

次に保険料が安いのが「T構造」。マンション以外の戸建てのもので、コンクリート造やレンガ造などの耐火建築物・準耐火建築物・省令準耐火建物を指します。準耐火建築物とは、主要構造部が準耐火構造又はそれと同等の準耐火性能を有するものとされ、こちらも建築基準法に定められています。木造でない堅牢な住宅を想像しがちですが、木造住宅であっても木材の表面を石膏ボードで覆ったり、防火構造の外壁材を用いると準耐火構造になるケースがあります。

加えて、住宅金融支援機構が定める基準に適合する住宅で、木造住宅でも準耐火と同程度の耐火性があるとされているのが省令準耐火建物です。具体的には枠組壁工法すなわち2×4(ツーバイフォー)住宅、または木造軸組工法住宅、プレハブ住宅など木造住宅の一部(すべてではありません)などが該当します。なお、同じ住宅メーカーの同じペットネームの住宅商品でも、省令準耐火であるものとないものがあるのでご注意を。

後述しますが、省令準耐火建物の場合、そうでない木造住宅より火災保険料は大幅に安くなります。ただし、それを証明する書類が必要になるので要注意。施工業者に確認しましょう。また、パンフレットや仕様書などに記載がある場合もあるのでしっかり確認しましょう。最後の「H構造」は、M構造・T構造いずれにも該当しない建物で、保険料は他の構造に比べて高くなります。

この3段階の構造級別判定は、2010年1月から多くの損保会社が用いています。

【3つの構造級別】
構造級別 具体的に
M構造 マンション、耐火建築物の共同住宅
T構造 コンクリート造建物、コンクリートブロック造建物、
レンガ造建物、石造建物、鉄骨造建物、
耐火建築物・準耐火建築物・省令準耐火建物
H構造 M構造・T構造いずれでもないもの
 

建物の構造の違いで3.5倍の開きが!

肝心の保険料は、どれくらい変わってくるのでしょうか。

1000万円当たりの火災保険料を比較すると、M構造とH構造の保険料の開きは東京都で約3.5倍。地震保険についても1.6倍以上の開きになっています。同じ木造住宅でも、省令準耐火であるかないかで火災保険・地震保険いずれもその差は大きく開いていますが、この差はすなわち、災害リスク発生度合いの差にほかなりません。火災保険は建物を保有する限り継続するコストですから、長年にわたれば高い保険料は大きな負担になります。

火災保険料だけではありません。たとえば長期固定型住宅ローン「フラット35」は、建築基準法はもちろん、住宅金融支援機構が定める独自の技術基準に適合している良質な物件だけが融資を受けられます。省令準耐火構造はその技術基準のひとつなのです。

また、新しく設けられた「フラット35s」では、一定の耐震機能等を備えた住宅であれば、金利のディスカウントが受けられたりもするのです。家計費の中でも支出割合の大きい住宅コスト。できるだけ低く抑えたいところですが、物件そのものをいくら安く抑えられても、種々のコストが随所で大きく嵩んでは仕方ありません。できるだけ丈夫で壊れにくい、質の良いものを選べば、火災保険をはじめとして、各種のコストが抑えられます。長い目で見て、おサイフにやさしい住宅を選ぶことになるわけですね。

【保険金額1000万円あたりの保険料】東京都の場合
構造級別 火災保険料(10年間) 地震保険料(5年間)
M構造 2万3400円 4万5050円
T構造 3万8300円 4万5050円
H構造 8万2100円 7万2700円

(表注)
・2017年新築、東京都、建物の保険金額1000万円、保険期間10年・保険料は10年長期一括払い。
・セゾン自動車火災「じぶんでえらべる火災保険」の例。
・補償は、火災・破裂・爆発・落雷・風災・ひょう災・雪災(自己負担10万円)、諸費用。
・地震保険は保険金額500万円、保険期間5年、保険料は5年長期一括払い、建築年割引適用。
・保険始期日2017年10月試算。


【関連リンク】
ハザードマップを知っていますか?

省令準耐火建物の技術基準:住宅金融支援機構
フラット35s(優良住宅取得支援制度):住宅金融支援機構
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