外国株/外国株を理解するための用語解説

ダウ平均株価とは?その意味をわかりやすく説明

よくニュースで聞くダウ平均株価。しかしダウ平均株価はどのような銘柄で構成されているかなど、詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。ここではダウ平均株価の特徴や構成銘柄、ナスダック総合指数との違い、日経平均の関係性などについてご説明します。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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【目次】
1.ダウ平均株価とは?
2.ダウ平均株価とナスダックとの違い
3.ダウ平均株価と日経平均株価との関係
4.NYダウが持つ意味


 

米国の優良株30銘柄からなる「ダウ平均株価」

NYダウを構成するのは、米国だけでなく世界を代表する30社であり、世界のマネーの行き先を占うバロメーターでもあります!

NYダウを構成するのは、米国だけでなく世界を代表する30社であり、世界のマネーの行き先を占うバロメーターでもあります!

ニューヨークダウ工業株30種平均株価指数(以下、NYダウ)とは、ダウ・ジョーンズ社が1896年に12銘柄による平均株価として開発したもの。1928年からは、現在の形である30銘柄から計算した平均株価となっています。

NYダウの特徴は、「優良株30銘柄」としている点です。通常、日本の株価といえば日経平均株価を取り上げることが多いでしょう。日経平均株価はそれなりに偏りがあるともいわれますが、それでも225種類の平均株価指数です。しかし、世界の株式市場で日経平均株価よりも断然注目されるNYダウは、たった30銘柄の平均株価指数なのです。もっとも、NYダウの構成銘柄の時価総額は761兆円に及びます(2018年12月14日時点)。東証1部全2109銘柄の時価総額は363兆円ですから、一つひとつの企業がいかに巨大かがわかります。

また、指数の計算方法は時価総額で構成ウェートを算出する「加重平均」ではなく、見た目の株価を単純に平均した「単純平均」です。したがって時価総額が大きい銘柄よりも、見た目の株価の大きい銘柄の構成ウェートが高くなります。

たとえば、下記の2018年12月14日時点の構成銘柄と構成ウェートで1位のボーイングの株価は318.75ドルであるのに対し、30位のゼネラル・エレクトリックの株価は14.94ドルです。
NYダウの構成銘柄と指数構成ウェート一覧(2018年12月14日時点)

NYダウの構成銘柄と指数構成ウェート一覧(2018年12月14日時点)

 

ダウ平均株価とナスダックとの違いは?

米国を代表する株価指数にはニューヨークダウの他にナスダック総合指数があります。ナスダック総合指数は電子株式市場「NASDAQ」に上場している2634銘柄(2018年12月14日時点)の全てを対象に、時価総額加重平均で算出した指数です。時価総額は1194兆円とニューヨークダウよりも大きくなります。

ナスダック総合指数にはFAAMG(ハイテク業界で優位的な地位を占めるFacebook(フェイスブック)、Amazon(アマゾン)、Apple(アップル)、Microsoft(マイクロソフト)、Google(グーグル)の5社の頭文字をつなげた造語)の全銘柄が含まれます。

もともとナスダックは小型株が上昇する店頭市場の位置づけでしたが、現在は米国の代表的なITハイテク・ネット企業が上場する市場として認識されています。このため、ニューヨークダウが米国株全体の状況を示す、株式市場全体の先行指標として注目されるのに対し、ナスダック総合指数は世界中のITハイテク・ネット銘柄の先行指標として注目されています

 

ダウ平均株価と日経平均との関係性は?

ニューヨークダウが米国の代表的な株価指数であるとすると、日本の代表的な株価指数は日経平均です。日経平均は東京証券取引所第一部に上場する2109銘柄のうち日本経済新聞社が選定した日本を代表する225銘柄を対象とした株価指数です。時価総額は359兆円とニューヨークダウやナスダック総合指数と比較すると小さいものになります。

指数の計算方法はニューヨークダウと一緒で見た目の株価を単純に平均した「単純平均」です。たとえば、構成ウェート1位のファーストリテイリング(証券コード9983)の株価は6万770円、構成ウェートは10.5%であるのに対し、構成ウェート225位の双日(証券コード2768)の株価は412円で構成ウェートは412円となっています。

日本株をやるとなると最も注目される指数は日経平均と言ってよいでしょう。しかし、日本株をやる上でもニューヨークダウに注目する必要はあります。それは何故かというと、ニューヨークダウは米国だけでなく、世界中の株式市場に影響を与える重要なバロメーターであると言えるからです。日経平均の朝9時の寄り付きは、前夜のニューヨークダウの値動きに非常に大きな影響を受けます。ニューヨークダウの値動きを見て、投資方針を検討する投資家が多いためです。

 

NYダウは相場動向やマネーの行き先を示すバロメーター

NYダウは米国、というより世界を代表するグローバル企業30社によって構成されています。株をやったことがない人にとっても、IBMやアップル、コカコーラ、マクドナルド、ジョンソンエンドジョンソンなど、なじみがある企業が多いのではないでしょうか。

NYダウ採用銘柄は世界をまたにかける多国籍企業がほとんどであり、米国だけでなく、世界各地で事業展開をしているのです。つまり、NYダウは30銘柄の平均株価指数とはいっても、米国経済だけを反映したものではなく、世界経済を反映した指数ともいえます。

逆に、指数構成比率が高いボーイングやゴールドマンサックスや、3M、ユナイテッドヘルス グループなど、これらの企業の株価が更に上がれば、ニューヨークダウが上がりやすくなります。このような視点から株価を考えてみるのも面白いと思います。

参考:米国株通信

※記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告無く変更される場合があります。また、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願い申し上げます。

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