トランスジェンダーの女装は真剣勝負


体の性別を変えたいトランスセクシュアルの方たち(ニューハーフの方、性同一性障害の方)/日常生活では男装だけど週末などに「女」を取り戻す方たち(パートタイム女装、アマチュア女装)/ドラァグクイーン(ゲイカルチャーとしての女装) この3つは、同じ女装でも似て非なるものだと言われます。そして実際、それぞれあまり交流がなかったりします。

女装と日本人
『女装と日本人』(三橋順子 著/講談社)
ヤマトタケルの神話、中世の女装稚児、歌舞伎の女形、江戸の陰間、現代のニューハーフ…なぜ私たちは性別を越えたものに心ときめくのか?“女装”を軸に日本文化史を読み直す名著
三橋順子さんの名著『女装と日本人』によると、トランスジェンダーの女装は、「女性として扱われたい」というところに主眼があります。本当は女性に生まれたかったのに、体は男性で生まれてきてしまった…手術を受けて体も戸籍も女性になろうとする人もいるけど、ときどき女装することでその性別違和を解消している「パートタイム女装」「アマチュア女装」と呼ばれる方々もたくさんいます。女性として生きることこそ、人生の意味であり、女装は切実な欲求なのです。

そうすると、男が女装してるとバレバレなドラァグクイーンとは、メイクのしかたや着る衣装なども全く違うものになってきます。トランスジェンダーの方たちは、リアルな女子に見えるようなナチュラルなメイクや服装を好みます。ドラァグクイーンみたいに数センチもあるつけまつげはしませんし、おでこの上の方まで眉毛を描いたりも絶対にしませんし、ラメやスパンコールのドレスも着ないのです。

ゲイの女装はゲイイベントにおける「余興」みたいなものでセクシュアルな効能はゼロ(むしろマイナス)ですが、アマチュア女装の方はストレート男性と恋愛関係に落ちることもあり、一種の「擬似へテロセクシュアル」だと指摘されています。目からウロコが落ちました。そしてうらやましい(笑)。

ウチのダンナは毎月第二土曜日に「NEW SAZAE」という老舗ディスコ(クラブではなく、80年代メインのディスコ)でDJをしているのですが、かなりたくさんのアマチュア女装の方がいらっしゃって、男性も女性もゲイも(たまにドラァグクイーンも)いっしょに楽しんでいる光景が繰り広げられています。ジェンダーの見本市、豊穣なカオスといった趣で、本当にレアな面白さを体験できます。二丁目バンザイ!