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ウイスキーマガジン・ライブと雪の白州紀行(2ページ目)

2月10日にウイスキーマガジン・ライブに行き、その足で白州蒸溜所へと足を延ばした。その様子を記事にした。とくに2ページ目には、皆さんあまりご存知ない、雪の白州蒸溜所の冴えた写真を載せている。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

ウイスキー&バーガイド

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白州モルト、一瞬の冬

日の出前の蒸溜所メインストリート。両側に貯蔵庫が建ち並ぶ(撮影/川田雅宏)
日の出前の蒸溜所メインストリート。両側に貯蔵庫が建ち並ぶ(撮影/川田雅宏)
この棟で仕込みから蒸溜までがおこなわれる(撮影/川田雅宏)
この棟で仕込みから蒸溜までがおこなわれる(撮影/川田雅宏)
雪景色の森の貯蔵庫(撮影/川田雅宏)
雪景色の森の貯蔵庫(撮影/川田雅宏)
9日に降った雪は10、11日の2日間でかなり溶けた。路面から雪は消えた。ただその分、寒さが厳しく感じられた。
12日。この日は午後、再び前村工場長にお会いすることになっていたのだが、早朝から雪がちらつきはじめる。日の出前には10センチほどの積雪となる。
勉強のため、朝6時にすでに蒸溜所にいたわたしは、同行してくれた写真家の川田雅宏氏とともに森の中を歩きまわる。
日の出前だが寒さは思ったほどではなく、木々に囲まれた貯蔵庫群が影絵の世界に佇んでいる。淡い墨ぼかしの色調が幻想的で、白い息を吐きながら、自分もこの自然に同化してしまうような恐れを覚えた。
白い小花のような雪が舞い踊りながら落ちてくる。白州の森を、貯蔵庫を、ひたすら白く染め上げていく。降り注ぐ雪が時を止めてしまったかのようで、これは永遠の時か、と錯覚してしまうほどの静寂さが蒸溜所を包み込む。

モルト原酒たちはこの一瞬の冬を幾度も経験しながら熟成する。時が降り積もることをモルト原酒たちは知っている。冬を越し、若葉の薫る季節を知り、鳥のさえずりを聞く。深い緑と南アルプスの風の心地よさを感じ、蒸溜所の森が紅や黄に染まる頃、モルト原酒たちはまた冬を想う。
こうして生まれてくる香味は若葉の香り、フルーティーで甘いスモーキーさを感じさせる。爽快でキレの良い口当たりを特長としている。

香味に潜む、森の四季

白州蒸溜所。甲斐駒ケ岳の麓、東京ドームの64倍の広大な森のなかにある。標高約700メートルの高地にある蒸溜所は世界でも稀だが、広大な森の中に野鳥保護区(バード・サンクチュアリ)がある森林公園蒸溜所というのも稀である。
しかもこの森に湧く清冽な天然水をモルト原酒の仕込み水に使っているのだが、いまでは天然水 南アルプスとして多くの日本人に愛されてもいる。非常に興味深いキャラクターを持つ蒸溜所だ。

さあ、グラスをシングルモルト白州で満たそう。ここに載せた、白州蒸溜所の一瞬の冬を眺めながら、味わってみていただきたい。香味の中に、清々しい森の春夏秋冬が潜んでいる。

INDEX『世界のウイスキー』もご覧いただきたい。
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