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ウイスキー&バー/ウイスキー雑学・業界情報

2回 いい蒸溜所とは未来を語れること

今回はISCについてちょこっと触れる。そしてサントリーのプレミアムウイスキーが高い評価を得ている、その背景を簡単に説明してみた。未来を語れること、次世代へ継承するつくり込みがいかに重要なことか。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

ウイスキー&バーガイド

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ISCって何だ

前回、ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)という酒類コンペティションの名を登場させた。
そのISCだが、世界のウイスキー・ブレンダー、つまりウイスキーづくりのプロたちが品質を評価するため、とくに権威あるコンペティションとされている。
輿水さん
サントリーのチーフブレンダー、輿水精一氏。
審査員は12名。スコッチ7名、アイリッシュ2名、アメリカン1名、そしてジャパニーズからは輿水精一サントリー・チーフブレンダー、佐藤茂生ニッカ・前マスターブレンダーの2名が審査員を務めている。

300以上ものウイスキーがエントリーし、審査員は3日~4日ほどかけてすべての評価をくだす。もちろん銘柄名は伝えられていない。ナンバーだけを記されたものをテイスティングしていく。

スコアシートにはアロマ、キャラクター、バランス、複雑さ、熟成感、フィニッシュといった項目があり、審査員はひとつひとつのウイスキーに対してそれらの項目を入念に吟味していく。

このISCで響30年は2004年、2006年の2度にわたり、全酒類部門の最高賞であるトロフィーを獲得している。
輿水チーフに、いまサントリーが高い評価を得ている理由はどんなところにあると思われるか、と問うたことがある。
「バランスですかね。細かく言えば熟成感と複雑さ、そしてバランスだと思います」

多彩な原酒があってこそ

輿水チーフのこの言葉は、自らのブレンド技術の高さを誇っているのではない。多彩な原酒を生むためのつくり込みの蓄積が、バランスのよいブレンドを可能にしていることを前提にした言葉だ。
ポットスチル
山崎蒸溜所のポットスチルは形状や大きさがすべて異なる。
いま山崎蒸溜所を訪ねると面白い。初溜釜が6基あるのだがその大きさや形状がすべて異なる。まるでポットスチル博物館のようだ。

何故ここまでと思って当然だが、スコットランドとは歴史や産業構造が違うからここまでやらなければならないのだ。スコットランドのブレンダーたちは、いろんな蒸溜所からモルト原酒を買い付ければいいのだが、日本ではそうはいかない。
だから自社で多彩な個性を持つ原酒を豊富に揃えなければならない。

次頁では多彩なモルト原酒の中でも、サントリーのドレスアップモルトとはどういうものかを語る。(次ページへつづく)
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