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ウイスキー&バー/この店の、この一杯

この店の、この一杯 第32回 硬質な空間で飲む円熟ウイスキー(2ページ目)

東京・西麻布『ORANGE』は黒とグレーの硬質な空間だ。店名はスタンリー・キューブリック監督作品『時計じかけのオレンジ』から採った。不思議な空間の中、中山憲昭氏と奈美江夫人が温かいサービスを見せる。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

ウイスキー&バーガイド

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さてここではカクテルを飲むことが多いのだが、やはりウイスキーも気になる。『オレンジ』はウイスキーに特別力を入れているといった感じはないのだが、ボトル棚を眺めていると気になるものがいくつかある。
ついこの間はイタリア向けのローズバンク15年、フランス向けのグレンファークラス1981が目に止まり試そうとしたが、すっかりできあがってしまっていたので次回の愉しみとした。

中山氏のおすすめは、シングルモルトウイスキーはアバフェルディ25年。これは南ハイランド、ピトロッホリー近くにある蒸溜所で、古くからブレンデッドのデュワーズのキーモルトのひとつとなっている。
非常に柔らかく、なめらかで静かな印象があり、とくに香りにクリーミーさを感じる。
ブレンデッドウイスキーはロイヤルハイランド17年をすすめてくる。スペイサイドモルトを中心にアイラモルト、ハイランドモルトなど30種以上がブレンドされた一瓶だ。品の良さを感じさせる。
最後にこれは私の勝手で紹介するのだが、『オレンジ』におそらく20年ぐらい前のヘイグがあった。まだサントリーが輸入していた頃のもので、その頃コピーを書いたことがあり懐かしいボトルである。いまのヘイグと比べることはしたくないが、正直に言うと、昔のヘイグの方がコクという点では好みといえる。
時代とともに淡麗化する酒もあるということだ。

BAR ORANGE
東京都港区西麻布1-5-16 AKビルB1
Tel.03-5775-2010
19:00~4:00 日祝休

チャージ¥1,000、ウイスキー¥1,000~、ローズバンク15年(イタリア向け)¥4,000、グレンファークラス1981(フランス向け)¥2,500、アバフェルディ25年¥2,500、ロイヤルハイランド17年¥1,500、ヘイグ(オールドボトル)¥1,200、カクテル¥1,000~
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。
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