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1923~2003の思い 祝、日本のウイスキー80周年(3ページ目)

1923年、日本のウイスキーづくりがはじまった。京都郊外、山崎蒸溜所からその一滴は生まれた。それから80年。山崎峡の物語はそのままジャパニーズ・ウイスキーの歴史でもある。限定ボトルに、様々な思いが浮かんだ。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

ウイスキー&バーガイド

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長くなったが、その歩みの中で山崎蒸溜所はひたすらモルト原酒を生産、熟成しつづけてきたのである。愛おしいではないか。
山崎のよさは水にある。京都郊外の山崎峡の竹林から湧き出る水はかつて千利休が愛したものだ。利休の水でウイスキーをつくる、まさにジャパニーズ・ウイスキーである。
ちなみに竹鶴政孝は信治郎との10年契約を終えて、1934年(昭和9)北海道余市に大日本果汁を設立した。これがニッカ(現アサヒビール)である。
スコットランドで学んだ男は、気候風土の似通った北海道でスコッチタイプをつくりたかったのだ。竹鶴の気持ちはよくわかる。自分も彼の立場だったら北海道を選ぶだろう。
竹鶴は北海道案を信治郎に提言したことがある。
「工場を皆さんに見てもらえないような商品は、これからは大きくなりまへん」
先見の明のある信治郎は一蹴した。当時、北海道から東京への流通は3日はかかった。経営者としては大問題である。
こうして選ばれたのが水がよく、樽熟成に好適な湿潤な環境にある山崎峡だった。

いま山崎蒸溜所のウイスキー館一階では80年の歩みを写真やポスター、製品などの展示によって綴っている。来年の9月までおこなっているようなので是非見学に出かけて欲しい。
ダイジェストながら見事な展示で、ジャパニーズ・ウイスキーへの愛着が湧く。白州蒸溜所でもこの展示をおこなっているのでそちらへも出かけてみたらどうだろうか。紅葉の美しい季節、なかなかいい旅となる。
またINDEXの蒸溜所の項をクリックして欲しい。各社とも工場見学が可能だ。日本のウイスキーの素晴らしさを知っていただきたい。そのためにも一度蒸溜所を訪ねて見て欲しい。
スコッチを超えている部分だって、ジャパニーズ・ウイスキーにあるんだから。

さて山崎80周年のボトルだが、やっぱり今夜あたり飲んじゃおうと思う。だって明日死んでしまうかもしれないもんね。
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