フランス料理
モダンな建築物が立ち並ぶホテルオークラ周辺

静かに佇む美術館の中に

手前味噌で恐縮だが、ホテルオークラ別館裏の城山ガーデン内に英国パブを出してからはやくも来年で5年が経とうとしている。その頃は米国の911テロの後で経済やマインドが急に冷えていた時期でもある。14年も勤めた会社を辞めて自ら事業を始めた途端、大きな壁にぶつかり四苦八苦しながら作り上げたのが、神谷町のパブ。

それもいつしか軌道に乗り、5年近くも経つと自分の店だけでなく、神谷町という場所にも愛着が湧いてきて、今はそれはどんどん深くなっていく。

もともと大使館や外資系企業の多いエリアなのだが、最近になって高層住宅や新しいオフィスビルも立ち並び、そのパブの玄関脇から裏の新しいオフィス&住宅スポット(虎ノ門タワーズ)へ抜けられるようなパサージュができていた。

すぐ前を走る道路が狭いため、格好のショートカットになるになるわけだが、白を基調にしたモダンな雰囲気は、不動産特有のさまざまな利権が絡む中で、気がついたら自然な一体感になっていることに後々関係者は気付くのではないか。

フランス料理
意識しないとつい通り過ぎてしまう
さて、私はいつもならホテルオークラ別館の裏玄関から本館までのクネクネとしたホテル内の通路を歩いて、お腹が空けばテラスレストランでビーフストロガノフを食べることが多い。しかしその日は珍しく天気が良かったせいもあって例のショートカットを使ってオフィスビルのエリアに入り、オークラ本館のほうに抜けようとしていた。

通りに出て右を見ると下り坂の手前に菊池寛美記念 智(とも)美術館がある。調べてみると高度経済成長期時代に炭鉱や瓦斯会社で財をなした菊池寛美氏を記念して財団法人菊池美術財団が管理する施設で、智女史による現代陶芸品が集められているとのこと。

そして玄関の表札を見ると、ヴォア・ラクテというレストランの名前があった。