フランス
どこからか見つけてきた盆栽をカウンターの上に置いてスピーチをするアラン・デュカス

アラン・デュカスのビストロ・シックとは

渋谷から表参道界隈は何故かフレンチが少ない。もちろんラブランシュやジョエルなど歴史ある名店は存在しているが、開放感とハレ気分を感じる真っ当な店はどうも銀座などに集中してしまう。

表参道界隈はファッションの先端を走り、流れるように時代を反映させる街。そんな街にフランス料理界の大御所、アラン・デュカスがやってきた。変化の激しいファッショナブルな街に、何年も変わらずに存在し続けるビストロ、それも一歩先を行くシックなビストロを創り上げた。


カウンター
古き良きフランスに存在したカウンターを再現
2度に亘る彼へのインタビューで「変化の早いこの青山の地にじっくりと根付くビストロを」と何度も口にする。加えて「大人のシックさ、時間とともに味わいが滲み出るインテリアを楽しんでいただけるような場所であること」を強調する。そして「カウンターやバーコーナーでワインをグラスで飲みながらおつまみ一品でもぜひ」とやさしく語る。

ブノワの名前の由来は1912年に開店したパリの老舗ビストロ「ブノワ」から取ったもの。2005年にグループ・アラン・デュカスがオーナーのプティ家から経営権を取得し、現在も一つ星を維持している歴史あるビストロだ。


インテリア
開放感ある室内は地中海を意識したものなのだろうか

こだわりの域を超越したインテリア

銀座のベージュ東京がシャネルとのコラボレーションによるコンテンポラリーなレストランであることに対し、ブノワは開放感ある上品ながらお気軽な要素を持っている。

そういえばこういうレストランは東京にはなかったかも知れない。

アラン・デュカスは内装デザインに相当こだわり心血を注いだようだ。自分の私物も多数持ち込んでいるとは驚きだ。個室スペースの天井やカウンター横にあるラウンドテーブルの銅製の脚など入手が困難な貴重なものばかり。また蚤の市で見つけてきたアンティークなエッフェル塔、壁に張られた生地、光と影を鮮烈に捉えた写真の数々、床のタイル、1900年代初頭をイメージしたシックなバーカウンター、ダイニングへ続く階段、その全てがフランスから持ち込まれたものだ。その一つひとつがレストランのディテイルを構成している訳だが、薀蓄はわからなくともフランスのエスプリに触れることをぜひ意識したい。