ゲーム機の歴史は、 まさにコントローラの進化の歴史! |
ゲーム機の“進化”といえば、グラフィックやサウンドの表現能力の向上などがすぐに思い浮かびますが、それは映画やアニメなどのゲーム以外の映像メディアにも共通するものでしょう。プレイヤーが直接触れるインタラクティブ(相互的)なメディアであるテレビゲームにおいては、むしろコントローラなどのインターフェース(プレイヤーとの接点)が、これからのゲーム機の“進化”のより重要なカギとなります。
当記事では、歴代の任天堂ゲーム機のコントローラに着目して、これからのゲーム業界の行く先を占ってみることにしましょう。
![]() | ◆LEVEL.1/ 「十字ボタン」の確立 ゲーム&ウォッチ~スーパーファミコン |
![]() | ◆LEVEL.2/ 「3Dスティック」の革命 ニンテンドウ64~ゲームキューブ |
![]() | ◆LEVEL.3/ 次なる“革命”へ── ニンテンドーDS~レボリューション |
![]() | ◆番外編/ 斬新すぎるゲーム機たち 神遊機、バーチャルボーイ、スーパースコープ |
<目次> |
◆ゲーム機コントローラは進化する ゲーム機の歴史は、まさにコントローラの進化の歴史だ! |
◆「十字ボタン」の確立 ゲーム&ウォッチ ~ ファミリーコンピュータ ~ スーパーファミコン |
◆「3Dスティック」の革命 ニンテンドウ64 ~ ニンテンドーゲームキューブ |
◆次なる革命へ──コードネーム“Revolusion” ニンテンドーDS ~ “レボリューション” |
【番外編】 斬新すぎるゲーム機たち ~ 神遊機、バーチャルボーイ、スーパースコープ |
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初めての十字ボタン、初めての“2画面”!
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「ゲーム&ウォッチ」 | |
1980年4月28日発売
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1981年に発売されたゲーム&ウォッチ版『ドンキーコング』は、2つの画面を搭載したマルチスクリーンタイプが採用され、上と下の画面を使い分けるゲーム性が実によく練られていて大ヒットとなりました。
そういえば、その外見はどことなくニンテンドーDSと似ています。2つの画面、折りたたみ式、そして十字ボタン・・・そうそう、十字ボタンが任天堂のゲーム機に初めて登場したのも、このゲーム&ウォッチ版『ドンキーコング』なんです!
ゲーム&ウォッチの大ヒットを足がかりに、任天堂はそれまで抱えていた負債を一気に返済したと言われています。さらに、ゲーム&ウォッチでソフトをさんざんコピーされた経験や、十字ボタンという偉大な発明が、後に登場するファミリーコンピュータを成功へと導いていくことになります。
・・・ある意味では、ファミリーコンピュータ以上に任天堂の大きな転換点となったのが、このゲーム&ウォッチというゲーム機だったのかもしれませんね。
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まさに“ファミリー”のコンピュータを目指していた
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「ファミリーコンピュータ」 |
1983年7月15日発売 |
ファミコンのコントローラは、横長で両手に持って操作するデザインが当時としては画期的だったようです。
ファミコン発売当時の他のゲーム機のコントローラといえば、エポック社の「カセットビジョン」(81年)は本体とコントローラの一体型、トミーの「ぴゅう太」(82年)はキーボードとマウス型のコントローラ、バンダイの「インテレビジョン」(82年)は電卓のようにボタンが並んだ縦長のコントローラでした。今でこそ、両手で操作する横長のコントローラが主流になっていますが、そんなコントローラの元祖もやっぱりファミコンだったようですね。
また、“ファミリー”コンピュータというだけあって、本体に最初からコントローラがふたつ付いていたことも重要なポイントです。ファミコン発売当時はパソコンやアーケードゲームが流行っていたゆえ、キーボードやアーケードの筐体を模したようなコントローラが家庭用ゲーム機でも主流でしたが、これに対してファミコンは家族や友達といっしょになって楽しめるように設計されたコントローラと言えるでしょう。
さらにその一方で、とんでもなく斬新なコントローラたちがたくさん登場していたのも、やはりファミコン時代の大きな特徴のひとつです。
光センサーでテレビ画面のターゲットを判定する光線銃、画面の動きを感知して動くファミリーコンピュータロボット、プレイヤーが足踏みやジャンプをしてキャラクターを操作するマット型のコントローラーなどなど・・・ものすごく時代を先取りしすぎていた感もありますが、テレビゲームという娯楽の概念自体がまだ漠然としていたファミコン時代ならではの産物と言えるでしょう。
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コントローラのボタンが増える、2つの方向性
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「スーパーファミコン」 |
1990年11月21日発売 |
ボタンの数といえば、ビデオデッキやテレビなどの家電のリモコンにもたくさんのボタンがあります。家電のリモコンとゲーム機のコントローラは、どちらも同じようにボタン数の増加によって“進化”してきた一面があるようにも思えますが、インターフェースとしての両者の方向性は、ちょっと異なっているようです。
たとえば、テレビのリモコンの「1」ボタンは、チャンネル1の番組を見るとき以外にほとんど使い道はありません。それぞれのボタンに特定の機能を細分化したことによるボタンの増加が起こっているのです。
一方、ゲーム機のコントローラでは、同じボタンでも状況に応じてさまざまな機能が与えられます。
たとえば『ドラクエ』なら、ある時は町ゆく人と話し、ある時は敵にワザを繰り出し、またある時は竜王の誘いに「はい」と答えて闇の世界に突き落とされる。ひとつのボタンにたくさんの機能が集約されていると、ゲームごとに操作方法を覚える必要がありますが、慣れてしまえば非常に使い勝手の良いインターフェースとなるのです。
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さて、スーパーファミコンでボタンの数が増えたとはいえ、それ以降のゲーム機にはボタンの大幅な増加は見られません。プレイヤーとの一体感がゲームには非常に大切ですから、テレビのリモコンのようにいちいち手元のボタンを見ながらプレイしたくはありませんよね!
スーパーファミコン以降のゲーム機では、単純なボタンの増加ではない、まったく新しいインターフェースの登場によって“進化”していくことになるのです。
◆LEVEL.2/
「3Dスティック」の革命
ニンテンドウ64~ゲームキューブ
<目次> |
◆ゲーム機コントローラは進化する ゲーム機の歴史は、まさにコントローラの進化の歴史だ! |
◆「十字ボタン」の確立 ゲーム&ウォッチ ~ ファミリーコンピュータ ~ スーパーファミコン |
◆「3Dスティック」の革命 ニンテンドウ64 ~ ニンテンドーゲームキューブ |
◆次なる革命へ──コードネーム“Revolusion” ニンテンドーDS ~ “レボリューション” |
【番外編】 斬新すぎるゲーム機たち ~ 神遊機、バーチャルボーイ、スーパースコープ |
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世界で初めての、アナログスティック標準搭載
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「ニンテンドウ64」 |
1996年6月23日発売 |
2D(平面)から3D(立体)への、まさに次元を超えた表現の革新。3Dスティックを倒す角度や速さによって自在にキャラクターを操作し、3D世界を縦横無尽に駆け回るという、かつてない一体感。ゲームというメディアに対して、「触れる」という言葉が使われるようになった起源も、きっとこのニンテンドウ64にあるのでしょう。
ところで、ニンテンドウ64では本体に同梱されているコントローラの数がひとつになり、“ふたつ目以降のコントローラは買い足すもの”という消耗品的な位置付けがより鮮明になったのも、この頃からでしょうか。それゆえ、コントローラは文字どおりアクセサリー(周辺機器)として、さまざまなカラーリングのコントローラが発売されていくことになったのでしょうね。
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2世代ごとに大変革を遂げる任天堂のゲーム機
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「ニンテンドーゲームキューブ」 |
2001年9月14日発売 |
この点、ゲームキューブは明らかに、ニンテンドウ64の「後継機」と位置付けることが出来ます。そして同様に、スーパーファミコンもファミコンの「後継機」であると言えるでしょう(←名前に“スーパー”が付いているわけですから!)。
ですが、スーパーファミコンと、その次に登場したニンテンドウ64ではどうでしょう。コントローラだけを見ても、「このふたつのゲーム機の間に一体何が起こったんだ!」というくらい、すさまじい変化がニンテンドウ64では起こっています。それはもう、ある意味では「後継機」とは呼べないほどに。
シンプルで、ファミリーでいっしょに遊べるファミリーコンピュータ。ボタンの数が増え、遊びの幅が広がったスーパーファミコン。
3Dスティックで、「触れる」世界を実現したニンテンドウ64。アナログ入力が増え、「触れる」面白さを追求したゲームキューブ。
こうして並べてみると、任天堂の家庭用ゲーム機は2世代ごとに大きな変化を遂げている、なんて考えることもできそうですよね。
……だとすると、ゲームキューブの次は……?
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さて、これまでのゲーム機の歴史における最大の“進化”は、2Dから3Dへの表現の革新によるものでした。ですが、3Dから4D(?)への進化は、ドラえもんにでも頼まないと無理なようです。
では、これからのゲーム機の“進化”は、どうあるべきなのでしょう。この問いに対する任天堂のひとつの答えが、今話題の新携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」だというのです!
◆LEVEL.3/
次なる“革命”へ──
ニンテンドーDS~レボリューション
<目次> |
◆ゲーム機コントローラは進化する ゲーム機の歴史は、まさにコントローラの進化の歴史だ! |
◆「十字ボタン」の確立 ゲーム&ウォッチ ~ ファミリーコンピュータ ~ スーパーファミコン |
◆「3Dスティック」の革命 ニンテンドウ64 ~ ニンテンドーゲームキューブ |
◆次なる革命へ──コードネーム“Revolusion” ニンテンドーDS ~ “レボリューション” |
【番外編】 斬新すぎるゲーム機たち ~ 神遊機、バーチャルボーイ、スーパースコープ |