iPhoneがゲームを変える?

iPhoneの図
朝7時から先行発売されたソフトバンク表参道には、なんと1500人もの行列が。
2008年7月11日、iPhone 3G(以下iPhone)がソフトバンクモバイルから発売されました。iPhoneと言えば、アメリカのアップルが開発したiPodとPCと、そして携帯電話を複合したような、まったく新しいモバイル端末。アメリカでは既に先行発売されていましたが、黒船がとうとう日本にもやってきたというわけです。

iPhoneは、ゲームハードとして考えても非常に高い機能を揃えていて、既に多くのゲームメーカーからも注目され、セガやスクウェア・エニックスなどが参入し、ゲームを提供しています。そして、もしiPhoneが広く普及し、多くの人がiPhoneでゲームを楽しむようになる日が訪れるとするなら、ゲームのあり方にも変革が起こるかもしれません。それはちょうど、iPodが音楽の楽しみ方に変革をもたらしたようにです。

ゲーム機としても、新しい

スーパーモンキーボールの図
スーパーモンキーボールはボールを転がすゲームに見えて、実はステージを傾けて遊ぶゲーム。傾けて操作できるiPhoneにはぴったりですね
まず、iPhoneのゲームとしての機能をおさらいしてみたいと思います。まず注目なのはタッチパネル搭載。ニンテンドーDS(以下DS)のタッチパネルと大きく違うのはマルチタップに対応していること。マルチタップとは複数のボタンを同時にタッチすることができる機能です。iPhoneを両手で持って、画面に表示されるボタンを両方の親指で操作する、というようなこともiPhoneでは可能です。

そしてもう1つ、ゲームに重要なのがモーションセンサー搭載であること。iPhoneはWiiリモコンのように、傾けたり、振ったりすることで操作ができます。既に発売されているセガのスーパーモンキーボールでは、iPhoneを傾けてボールを転がす操作で遊ぶことができます。

マルチタップ、モーションセンサー、高い解像度のディスプレイなど、単純に携帯ゲーム機としてみても立派な機能を備えているiPhone。しかしガイドが最も注目している機能はそのどれでもありません。注目はWiFi対応と、8GB、あるいは16GBという大容量のフラッシュメモリです。iPhoneはDSやPSPのように、カートリッジや光ディスクなどのメディアを使いません。全てのソフトがオンラインのダウンロードにより販売されます。それを大容量のフラッシュメモリに保存して遊ぶわけです。何故ここに注目するのか。その理由はiPhoneのソフトダウンロード販売サービスであるApp Storeにあります。

新しいビジネスモデル App Store

WiFiの図
WiFiを使えば、パケット代の心配をすることなく、ダウンロードをすることができます。ボリュームのあるゲームを販売する敷居がぐっと低くなりますね
ゲーム機としても新しい機能を搭載しているiPhone。そのコンテンツ販売モデルは、今あるどのゲームハードのビジネスモデルとも違いますし、今までの携帯電話のビジネスモデルとも違います。

アップルはiPhone、あるいはiPod用のアプリケーションを制作する為のSDK、SDKとはSoftware Development Kitの略で日本語で言うなら開発用キットですが、このキットをオンラインで配布しています。制作されたアプリケーションはiPhone用アプリケーション販売サービスのApp Storeで専売されることになります。ソフトを販売する為にはiPhoneデベロッパプログラムに加入し、年間99ドルから250ドルを支払わなければいけませんが、値段は開発者が設定でき、売り上げの70%を受け取ることができます。

このシンプルな構造のモデルによって、アップルは広く開発者を集め、多種多様なアプリケーションをApp Storeに集めようとしています。SDKは既に250,000以上もダウンロードされていうることが発表されています。もちろんこれで作られるコンテンツにはゲームも含まれるわけです。

iPodで音楽を聴くように、ゲームをする?

iPhoneでゲームの図
電話、メール、音楽、写真、動画、そしてゲーム。iPhoneはありとあらゆるものを1つにしてしまいました
魅力あるハード、そしてシンプルで分かりやすく、敷居の低いビジネスモデル。もしこの仕組みが成功すると、App Storeには数え切れないゲームが世界中の開発者によって提供されるでしょう。非常に低価格なゲーム、あるいは無料のゲームもたくさんでてくるかもしれません。何しろ価格は開発者が勝手に決められるのですから。

そしてユーザーは、大容量のフラッシュメモリにお気に入りのゲームを好きなだけダウンロードします。ダウンロードにはWiFiを使用できるので、パケット代もかかりません。そして暇な時にはまるでiPodで音楽を聴く時のようにiPhoneの中のゲームをとっかえひっかえ遊ぶことができるわけです。携帯電話という最もパーソナルで常にポケットの中に入れている端末で、たくさんのゲームを常に携帯している状態になります。

これはゲームコンテンツにいつでも、簡単にアクセスできる状態を意味します。どうしてもやりたいゲームがあるからハードを買って、ゲームを遊ぶために携帯ゲームを持ち歩くのではなく、携帯電話に音楽も、動画も、そしてゲームも好きなものを好きなだけ入れておいて、常に持ち歩くスタイルを可能にします。

iPhoneの提供するゲームのスタイルが受け入れられるとすれば、それは携帯ゲームという文化そのものに影響を及ぼすかもしれません。

いかに消費者の傍らにいるか

DSとPSPとiPhoneの図
ゲームコンテンツをユーザーがどのように生活の中で配置していくのか。DSやPSPにとっても、iPhoneの動向は見逃せません
大容量のメモリを積んで、オンラインでゲームを販売し、たくさんのコンテンツを常に持ち歩いてもらうと言うスタイルは、今後の携帯ゲーム機の1つの可能性としてあるように思います。いかに消費者の生活の傍らにいるか、ということは非常に重要なポイントです。

その意味で、iPhoneのようなハードが実際にどのように普及し、ユーザーにどう使われるかということは注目すべき現象であるように思います。また、App Storeの仕組みによって、どんな新しいコンテンツが生まれるのかという点も見逃すことができません。

それらは、DSやPSPのような携帯ハードが、この先どう進化していくかということについてのひとつのヒントにもなるかもしれません。また、iPhoneの仕組みやコンテンツが今後成熟してくると、専用ゲームハードと競合する、という状況もありえない話ではないはずです。iPhoneという存在が、携帯電話だけでなく、ゲーム業界にも新しい風を運んでくれるのではないでしょうか。

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