いざマンガの世界に!

マンガ原作のゲームには、普通のゲームとはまた少し違った楽しさがあります。自分の好きなマンガのお話に介入できる、お気に入りのキャラクターになりきって操作ができる、まるでマンガの世界へ入っていくことのできる魔法のような魅力があります。

日本でもっとも有名なマンガ雑誌と言えば、言わずと知れた週刊少年ジャンプ(以下ジャンプ)ですが、ジャンプのマンガを原作にしたゲームも、もちろん非常にたくさんあります。今回はそのジャンプマンガを原作にしたゲームを、時代の流れにそって懐かしみながらご紹介してみたいと思います。

あまりにたくさんありますので、とても全ては網羅できませんが、ジャンプと、ゲームと、そして時代が感じられればと思います。

80年代 ファミコン時代 混沌とした黄金期

キャプテン翼の図
くっ!ガッツがたりない!はゲーム版キャプテン翼オリジナルの名台詞
ガイドが初めてジャンプマンガ原作のゲームをやったのは、ファミリーコンピューター(以下ファミコン)の、ドラゴンボール 神龍の謎(以下神龍の謎)でした。主人公の悟空をあやつり、原作のストーリーに沿いつつ、ドラゴンボールを集めるアクションゲームです。

ちなみにこの神龍の謎の販売本数は約120万本。他にも、キン肉マンのキャラクターを使ってタッグマッチの対戦ができる対戦アクションゲーム、キン肉マン マッスルタッグマッチや、ジャンプの歴代ヒーローがずらりとそろったRPGのファミコンジャンプ英雄列伝(以下ファミコンジャンプ)などのタイトルも100万本を突破しています。今ではマンガ原作のゲームで100万本以上売る作品は非常に稀ですから、実はこの頃こそが、こういったゲームの黄金期と言えたのかもしれません。

この時代のジャンプゲームとして、特に押しておきたいのが、テクモから発売されたキャプテン翼。サッカーゲームであるにも関わらず、アクション要素がほとんどないコマンド方式でゲームが展開されます。

コマンド式のサッカーゲームなんて面白いのか? と思いきや、翼君はセンターラインからドライブシュートでゴールを決め、立花兄弟はスカイラブハリケーンで舞い上がり、石崎君は顔面ブロックでシュートを食い止めるというような、原作のダイナミックなサッカーが見事に表現されています。ファミコン時代、ポリゴンなんて存在せず、ゲームシステムも未発達な頃、それでも、あるいはそれだからこそ、工夫に工夫を重ねて原作を表現したこの時代を象徴する名作です。

次は、90年代、00年代のジャンプゲームをご紹介しましょう。

90年代 格闘マンガと格闘ゲーム

幽☆遊☆白書の図
スーパーファミコンでナムコから発売された幽☆遊☆白書2 格闘の章も、ジャンプマンガ原作格闘ゲームの名作
90年代というと、ゲームで言えば、スーパーファミコンや、初代Playstationが大きな市場をもっていた頃。この頃ジャンプでは格闘マンガと呼ばれるジャンルが多くなり、それは、ストリートファイター2(以下スト2)で格闘ゲームが大きなムーブメントを起こす時期と重なります。

80年代同様、非常に大きな売り上げを残したジャンプマンガ原作のゲームはやはりドラゴンボールでした。しかしそれは、神龍の謎のようなアクションゲームから、ドラゴンボール 超武伝闘伝シリーズなどのような対戦格闘ゲームへと変化していました。ドラゴンボールの原作がドラゴンボールを集める冒険活劇中心のストーリーから、サイヤ人との死闘などを描く、バトル中心のストーリーになっていったのとあわせて、何か時代の流れを感じさせるものがあります。

また、この時期のジャンプ系格闘ゲームでぜひご紹介したておきたいのが、アーケードで人気を博した対戦格闘ゲームの、ジョジョの奇妙な冒険です。スト2シリーズで格闘ゲームのノウハウを蓄積したカプコンが、原作の要素をシステムにしっかりと組み込んで作り上げた、格闘ゲームとしてもジャンプマンガゲームとして非常に質の高いソフトです。このゲームが人気が出ていた頃、古本屋などで、ジョジョの奇妙な冒険の原作が売り切れる現象があちこちで起こっていました。ガイドもそうでしたが、無性に原作を読み返したくなるゲームなんですね。マンガ原作もののお手本のようなソフトです。

00年代前半 ゲームボーイに現れた王様

ファミコンの頃、いくつもビッグタイトルを出していたジャンプ原作のゲーム達ですが、実は90年代以降は市場の中での存在感は小さくなっていました。そんな中で、今までの記録を大きく塗り替えるような大人気ソフトになったのがゲームボーイで発売された遊戯王 デュエルモンスターズシリーズです。

原作の遊戯王の中で使われている架空のトレーディングカードゲームがそのまま実際に楽しめてしまうという、なんともファンには夢のようなゲーム。原作同様のカードバトルをしながら、カードを収集し、友達と交換したり、対戦したりもできるゲームになっています。

初代である遊戯王デュエルモンスターズが発売されたのが1998年12月17日で、150万本以上のセールスを記録。その後シリーズを重ね2000年の12月7日に発売された遊戯王デュエルモンスターズ4 最強決闘者戦記(以下遊戯王デュエルモンスターズ4)は220万本以上を販売。マンガ原作のゲームとしてはダントツの歴代1位です。

興味深いのは、この遊戯王 デュエルモンスターズシリーズのわずか2年前にゲームボーイでポケットモンスター(以下ポケモン)シリーズが発売されていくることです。そして最も売れた遊戯王デュエルモンスターズ4は、ポケモンのように、ユーザー複数種類のパッケージの中から1つを選び、通信交換などをすることによってカードがコンプリートできる仕掛けになっています。

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大人の為のポケモン講座(AllAboutゲーム業界ニュース)


ポケモンはゲームボーイという携帯ハードを、持ち歩き、友達と通信をして、対戦や交換をしてもらうという、1人で完結するゲームではなく、コミュニケーションツールとして友達と遊ぶことで広がりを見せるゲームという、大きな流れを開拓しはじめたソフトです。そういったゲームの流れと遊戯王の成功は密接に関わっているようにも思えます。

こうしてみてみると、ヒットした作品というのは、ゲームとマンガが、ところどころで歩み寄って時代を作っているようにも思えてきます

ジャンプという時代、ジャンプという文化

ジャンプアルティメットスターズの図
新しいマンガも、なつかしの名作も、格闘マンガもギャグマンガも入り乱れての大乱闘ができるジャンプファン必携ゲームですね
時代を追って、駆け足でジャンプ原作ゲームをご紹介していきました。ジャンプのマンガと、ゲーム化されたゲームを見ていると、ゲームとマンガにところどころで大きな時代の流れを感じさせるシンクロを見つけることができます。

どちらも、子供や大人に夢を与える娯楽として、日々精進している分野で、その2つが交差する地点が時代を反映することは当然かもしれません。そして、そういったものの蓄積こそを文化と呼ぶのかもしれません。

現代のジャンプ原作ゲームはどうなっているかと言うと、ニンテンドーDSで発売された、ジャンプアルティメットスターズが人気があり、70万本以上を発売されています。今までのジャンプ作品が終結し、41作品の300人以上のキャラクターが出演するジャンプのお祭り的ゲームです。

【関連サイト】
JUMP ULTIMATE STARS(公式サイト)

なんだか前述でご紹介させていただいたファミコンジャンプに非常によく似ていますね。しかし、ファミコンジャンプでは1人で遊ぶRPGだったのが、今回は4人まで一緒に遊べるオンライン対応の対戦アクションというところが、今のゲーム業界を如実に反映しているような気がします。

娯楽が人を楽しませ、そこに才能が集まり、そして時代と文化ができていく、振り返れば、僅かながら歴史のようなものまで垣間見えてきています。これからジャンプを引っ張っていくのはどんなマンガになるのでしょうか、そしてそこからどのうようなゲームが生まれるのでしょうか。2つが交差して時代が生まれる地点が、また楽しみですね。

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