11月1日にはPSP go、11月21日にはDSi LLと、それぞれPSPとDSiの派生バージョンとなる携帯ゲーム機が発売された。
方やディスクドライブを廃止して小型化し、方や携帯機として類を見ない大型化を果たした。
これらはお互い派生バージョンと言う存在でありながら、それぞれ立ち位置が明確に違うハードウェアだと言える。今回はそれぞれの似ているところ、違っているところを見てみよう。

PSP goはPSP1.5ではない

これで電話機能が付けば盤石だった?
PSP goは当初、そのビジネスモデルの先進性から「PSP2への橋渡し的役割を担うのではないか」と見られていたが、蓋を開けてみれば見事に「PSPの亜種」という地味なポジションに徹することになった。

PlayStationNetwork経由でしかソフトウェアの入手方法がないという他、違いとしては「BlueTooth搭載」「対応メモリースティックが小型タイプ」「画面が若干小さい」「従来の周辺機器が接続できない」「現行PSPより高い価格設定」「ゲームをレジュームしてXMBにアクセス可能」など。
決して僅かな違いとも言えないが、「進化」と銘打つほどの違いでもない。

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しかも発売前に現行機種が3,000円の値下げとなることが発表となり、PSP go
の立ち位置は非常に微妙なものとなった。

何より大きかったのは、「既に所持しているゲーム」について、当初はPSP goでもプレイ可能な何らかの施術が検討されている、と言われていたのにもかかわらず、対応が見送られたことだった。

このことでPSP goは「ガジェットとしては魅力的だが、利用にはハードルが高い」と言うゲーム機になったと言える。

一方、DSi LLは

DSi LLは液晶サイズが大幅に大きくなり、本体サイズ、重量ともに従来機より増えたという、携帯ゲームとしては珍しい存在となっている。
価格も高い設定となっているが、3つのソフトウェアがプリインストールされている。

高齢者向けというわけではない、というアナウンスがあったDSi LLだが、ターゲットとしてある程度の部分に高齢者が含まれるのは明らかだ。
視認性の高さ、タッチペンでの操作のしやすさは、自宅でDSをプレイするユーザーにも見逃せない。

PSP goとDSi LLは、方向性は違えど「新たなニーズの創出」という意味では共通している

ニーズの創出

PSP goもDSi LLも、ターゲットは「従来機を使用していたユーザー」だろう。「もっと画面が大きかったら遊びやすい」「もっと小型化して持ち運べるガジェットが欲しい」と言った、従来機の不満を解決するハードと言える。

DSi LLは「高齢者にもっと視認性・操作性を向上させたモデルを」「在宅でじっくり遊べる携帯ゲーム機を」というニーズに応えるモデルとなった。

対してPSP goはややユーザーが見えないモデルとなっている。
「UMDドライブを無くしてメモリを積んでみたんだけど、どうだろう?」と言った、メーカーサイドからの提案が先に来ている形だ。
「その代りゲームはすべてダウンロード購入してね」というわけだ。メーカーの提案に対し、ユーザーが「じゃあ僕はこう使おうかな」と利用シーンを想定する。想定できないユーザーは当然購入候補にもあげないだろう。

一見するとユーザーの見えない不透明なハードだが、そこには「従来のPSPを生かす」と言う重要な使命も持っている。

PSP goにより加速するネットワークビジネス

ネットワーク拡充の足がかり?
上記のように、PSP go単体は非常にニッチなユーザーに向けたモデルと言える。

しかし、結果的にはPSP goの発売を契機として、PSPソフトのダウンロード販売が始まったし、「PSPで読めるコミック」の販売サービスもPSP goの発売と絡めて報道されることが多かった。

PSPのプラットフォーム自体が従来のポジションから飛躍するためには、PSP goの存在と「ネットワークサービスの拡充」はワンセットで必要だったのではないかと思えるのである。

そして、拡充されるサービスは実際にはPSP goのみでしか受けられないものではなく、大々的に開始されているダウンロード販売も、手軽なゲーム『PSP Minis』の開始も、現行PSPでしっかり享受することができる。

そう考えるとPSP go発売直前の現行PSPの値下げも納得できる。
もろもろから察するに、PSP goはその存在感以上に戦略的な存在なのではないだろうかと思えるのである。

PSP goとDSi LL、発売直後には明暗が分かれた形にはなるが、みるべきはそれぞれ単体のゲーム機ではなく、プラットフォームの発展性なのではないだろうか。
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