PS3では何ができる?

最近になってよく耳にするのが、「PS3は色々できる事が多すぎて、何ができて何ができないのかわからない」という声。発売直後から度重なるアップデートで着実に進化してきたPS3だけに、初めて接する人には多機能すぎるのかもしれない。ということで、今回はPS3の「何ができて何ができないか」を説明していこう。

■PS3で「できること」「できないこと」  

BDプレイヤー機能の「できること」「できないこと」

PS3で Blu-rayDisc(以下BD)が視聴できるのは周知のことと思うが、プレイヤーとしてみるとどのレベルなのだろうか?現在HDDレコーダーの売れ筋はBD搭載モデルであり、BDが視聴できる環境は急速に広がっている。また、廉価なBDプレイヤーもBDの普及に一役買っているようだ。

その中でPS3は、BDの視聴に限って言えば「やや物足りない」と言えるかも知れない。というのも、最近のBDプレイヤーは積極的に高画質化に取り組んでいる。また、PS3ではドルビーTruHD、dtsHDなどの最新ロスレスフォーマットをビットストリームで伝送できないなどということもある。

ちなみに、PS3はCECに対応していないため、いわゆる「ビエラリンク」「ブラビアリンク」などのようにTVのリモコンで再生機能を操作することはできない。だが、言い方を換えればPS3は非常に素直な絵作りで、BDレベルの画質であれば下手に味付けをしない絵を好むユーザーも多い。

音声フォーマットもリニアPCMに変換して出力するので、アンプが最新フォーマットに対応しない場合も再生可能という点は利点ともいえる。また、PS3発売当初は対応していなかったBD-Liveやピクチャーインピクチャーなどの追加機能も、ファームウェアのアップデートでフォローしている。BDに対する安心感を演出するには充分すぎる対応だ。
 
「安価なBDプレイヤー」として以上に、「超軽快なBDプレイヤー」としての側面を持つPS3。他のプレイヤーには戻れないほど快適。

「安価なBDプレイヤー」として以上に、「超軽快なBDプレイヤー」としての側面を持つPS3。他のプレイヤーには戻れないほど快適。


何より見逃せないのはPS3のプレイヤーとしての機敏さ。他のプレイヤーでは起動に時間がかかりがちなBDでも、ものすごくキビキビと動く。高画質な高級BDレコーダーを持ちつつ、その快適さのためにPS3で再生するというユーザーもいるほど。

■結論
基本性能でできないことはほぼ無いといっていいし、規格が拡張してもアップデートで対応される安心感がある。画質の点で高級機には譲るが、快適さはそれを補って余りある。ただし、高画質化処理はなく、最新ロスレスフォーマットはPCM変換での出力となる。
 

後方互換の「できること」「できないこと」

周知のように、現行で発売されるPS3にはPS2の互換機能がない。だが、初代PSについては互換を保っており、PlaystationStoreのゲームアーカイブスでオンライン購入できるというのも非常に便利。

購入は、コンビニエンスストアで購入できるクーポンを使用してもいいし、クレジットカードでの引き落としも対応する。購入したタイトルの多くがPSPでのプレイに対応するというのも魅力的だ。セーブデータも引越しできるので、PSPで遊んだ続きをPS3で、という楽しみ方も出来る。

さすがに初代PSのタイトルともなるとポリゴンも角ばっていてドットも荒い。しかし、そこはPS3の優秀なアップコン。向き不向きはあるようだが、それなりに綺麗に補正して見せてくれる。タイトルによってはそれなり以上の変化を見せるものもあるので、プレイ済みの作品でもつい遊んでしまう。筆者としては、一枚絵が表示される場面、例えばRPGの会話シーンなどで驚くほどの効果が得られた。

■結論
現行PS3でPS2のタイトルは遊べない。ただし初代PSはかなり楽しむことが出来る。
 

ブラウザの「できること」「できないこと」

PS3のインターネットブラウザは割と優秀だ。ほとんどのサイトを難なく見ることができるが、やはりPC用ブラウザと比較すると苦しい点もある。Ajax を使用したサイトでもFlash7を利用したサイトでもほとんど問題なく閲覧可能であり、Gmail、GoogleMapなどの比較的簡単なGoogle アプリケーションや、YouTubeやニコニコ動画などの動画も問題なく再生できる(ニコニコ動画は旧プレイヤーで再生すべし)。
 
ちょっとだけ調べ物がしたいときなどには非常に便利。最近ではTVにもブラウザが内蔵されていたりするが、快適さでは断然PS3。

ちょっとだけ調べ物がしたいときなどには非常に便利。最近ではTVにもブラウザが内蔵されていたりするが、快適さでは断然PS3。


一部のサイトは完全に表示されないこともあるが、ゲーム機に搭載されたブラウザ機能としては充分すぎるだろう。ただし、一度に開けるタブは6つまでなどの制約もある。もしPS3でもっと快適にブラウジングしたいという人がいたならば、いっそLinuxをインストールするのも手だ。カスタマイズは大変だが、FireFoxを利用したブラウジングは快適。

■結論
ゲーム機としてはほぼ文句なし。本格的にブラウジングしたければLinuxに挑戦すべし。
 

Linuxパソコンの「できること」「できないこと」

PS3はLinuxパソコンになる。なるかならないかで言えば断然なる。キーボードとマウス、インストールデータを入れたDVDだけ用意すればいい。だが現状、あまり多くは望めそうにない。本体のメモリの少なさ、GPUにアクセスできないという制限のため、同価格で作ったLinuxパソコンより性能は数段落ちる。

だが、ディストリビューションも日々進化しており、かなり面白くなってきている。多くを望まずLinuxをオマケとしてとらえれば、かなり遊べるツールだ。PS3で覚えるLinuxというのも面白いかもしれない。

■結論
Linuxは扱えるが、性能は期待できない。
 

マルチメディアファイル再生の「できること」「できないこと」

PS3は、ことマルチメディアファイルにおいて恐ろしいほどの充実した機能がある。CDの再生、圧縮しての取り込み、アップコンでの出力。DVDの再生、アップコンでの出力。写真の再生、取り込み、スライドショー。ネットワーク越し(DLNA)のファイルを再生。音楽ファイルを再生しながらの写真再生、ネット閲覧なども可能。

何でもござれのスーパープレイヤーだが、あえてできないことを挙げれば、CDを再生しながらは写真・ネットが見れない。また、DTCP-IPに対応していないため、デジタル放送をDLNAで再生することは出来ない。ファイルをフォルダで管理できないので、ファイルのタグでの管理となる。DLNAのファイル再生で順番を変更できない。

■結論
マルチメディアファイルにはめっぽう強い。だがいくつか出来ないこともある。環境に合わせて活用したい。
 

アップコンの「できること」「できないこと」

PS3はDVDとCDにおいて、より高精細なデータとして出力する「アップコンバート」に対応する。ただしいくつか制限があり、DVDはHDMI接続でのみその恩恵にあずかることができる。
 
現状ではHDMI必須と言える。

現状ではHDMI必須と言える。


これは著作権がらみの決まりごとがあるので仕方のないことではあるが、現在購入できるTVはほぼすべてHDMI端子での接続となるため、あまり問題にはならないかもしれない。対応するアップコン出力は、フルHDのTVで1080p、HDのTVで1080iか720pとなる。

CDは当然出力先が対応している必要がある。TVの出力では対応していないことが多いだろうし、そもそもスピーカーが実力不足。もしCDのアップコンバート出力を楽しみたいのであれば、HDMI接続のAVアンプは必要不可欠だ。

■結論
アップコンバートを楽しむにはTV、AVアンプの対応が必要。
 

拡張「できること」「できないこと」

PS3はほぼパソコンのようなつくりなので、拡張の自由度が高い。HDDはSATAの2.5インチのものなら問題なく換装できる。HDDの相場は年々下がるので、PS3購入後すぐに大容量HDDに換装するのも手だし、長年使ったPS3をバックアップを取ってから換装、データをリストアすることでほぼ現在の状態をそのまま引越しすることができる。

また、過去のモデルでは存在したメモリカードリーダ機能だが、安価なリーダ・ライタをUSBに接続すればそのまま使用できる。キーボードもマウスもUSBならほぼ使える。文字入力やブラウジング時には断然有利だ。

全モデルの中で唯一無線LAN機能を持たない20GBモデル。当然PSPと無線接続する「リモートリンク」もできないが、無線LAN対応ルータなら「リモートリンク」が可能だ。しかしPSPのアドホック通信を仲介するサービス「アドホックパーティー」には対応しない。

以上、簡単にPS3のできる事とできない事を紹介させていただいた。できる事の多さが、マルチメディアプレイヤーとしての優秀さを物語っているともいえる。だが、実はここに挙げた「できる事」のほとんどは、発売当初「できない事」だったのである。度重なるアップデートにより劇的に進化してきたPS3。

「できない事」も、そのうち「できる事」にしてしまうのではないだろうか。ついついそんな期待もしてしまうのである。

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