『リトルビッグプラネット』は、人形である”リビッツ”が活躍するアクションゲームである。

オーソドックスなタイプの横スクロールアクションだし、見た目が愛くるしい以外には特別な点は見当たらないかもしれない。だが、しかし、このゲームは特別なのである。

『リトルビッグプラネット』とは?

初回特典には実寸大リビッツがついてくる。
パッケージに登場する布製の人形、これがリビッツである。
コレだけで十分可愛らしいが、コントローラーを手にして彼(彼女?)を操作すると、その動作がまたなんとも可愛らしく、それだけで和んでしまう。

リビッツは、我々が見る夢で出来ているというリトルビッグプラネットを舞台に冒険を繰り広げる。
しかしただのアクションゲームではないことはすぐに気が付くだろう。
冒険で入手した衣装や装飾品は好きなように身に着けることが出来るし、シールでもスタンプでもお花でも好きな場所にくっつけることが出来る(もちろん地面にも壁にもリビッツにも、だ)。

用意されたステージを能動的に楽しむことができるというのがこのゲームの素晴らしいところだが、もちろんそれだけではない。リビッツどころかステージまで自分の好きなようにデザイン可能なのである。

今回、筆者は『リトルビッグプラネット』のβテストに参加できたので、プレイした感想をお伝えしよう。あくまでβテストでの感想であり、10月30日発売の製品版とは異なる部分があることをご了承いただきたい。

箱庭型アクションゲーム

リビッツのお着替えは、それだけでもかなり楽しい。
まずゲームを始めると、自分のリビッツが現れる。
二つ以上のコントローラを使用することで多人数プレイも可能だが、その際は他のユーザーとして参加するか、ゲストとして参加するかを決めることが出来た。
家族とプレイする際はあらかじめ家族用のユーザーを作成しておくといいだろう。

βテスト全体において言えることだが、ゲームの進行は豊富なナレーションとビデオにより快適にナビゲーションされた。
操作も段階を経て学習する感じで、もともと簡単な操作法なのですぐに馴染むことが可能だった。
ゲーム開始直後にもリビッツのデザインは変更できる。というか、このゲーム基本的にどのタイミングでも好きなように変更できるのがすごい。
いくつかのステージを体験してアイテムを収集することによって、デザインの自由度はどんどん上がる。アイテムを求めてついついステージを遊んでしまう。

ストーリーモードを開始すると、チュートリアルを兼ねた簡単なステージが体験できた。
基本的には横スクロールの、いわゆるスーパーマリオタイプのアクションだが、奥行きの概念があり、ステージの立体感と相まってまるで飛び出す絵本の中で遊んでいるような気分になる。

リビッツの操作は走ったり跳んだり、またはステージ上のものを掴んだりするだけ。
たったそれだけの操作だが、ステージ上の仕掛けが豊富なため決して単調という印象はない。

製品版でも体験できるであろうストーリーモードの序盤は、牧歌的でありながら驚きのあるものだった。
しかし、冒頭でも述べたようにこのゲーム最大の驚きはこのあとなのである。

誰だってクリエーターになれる

自分だけの箱庭を作るのも楽しいが、完成したら是非アップロードしたい。
βテストのステージを一通りこなすと、二つの要素が増える。

一つはステージをクリエイトするモード、もう一つはオンラインで誰かの作成したステージを遊ぶというモードである。
世代的にはファミコンの『エキサイトバイク』でコースを作りまくった筆者。
よーしパパがんばっちゃうぞーとばかりにコントローラーを握ったが、いやしかし、作りこめる自由度のあまりの広さに愕然としてしまった。
ステージの景観からオブジェクトから障害物から、なんでも作成可能なのである。
これってスーパーマリオとかも再現できちゃうんじゃないの?
というありきたりな事を考えたが、やはりオンラインで探してみたらマリオのステージがたくさん見つかった。

そしてこの作成のし易さは特筆すべきものがある。

クリエイトでもリビッツが登場し、ゲームプレイと同様の操作感覚でエディットできる。
その間、ロケットで空中を自在に飛びながら配置することも出来るし、自分の足で実際にステージを動き回ることも出来る。
作ったその場で実際にプレイ感覚を確認できる感じで、このユーザビリティの高さは非常に好感が持てる。

ちなみにクリエイトでも事細かなチュートリアルがつき、実際に操作を試しながらゲーム感覚で覚えていくことが出来る。

飛び出せオンライン

全てはこの宇宙船から。
『リトルビッグプラネット』最大の特徴が、オンラインで共有される膨大なステージだ。
『ゴッド オブ ウォー』などの有名タイトルをソックリ再現してみたステージ、なんとテトリスを擬似的に遊べるようにしてしまったステージ、計算機を作ってしまったステージなど、βテストとはいえアップロードされたステージの多彩さは枚挙に暇がない。

「某有名タイトルを再現」「なんと○○を再現」などの話題性があるステージ以外にも、丁寧に作りこまれた完成度の高いアクションゲームとしてのステージ、ジェットコースターのように一瞬で駆け抜けてしまうステージ、大砲を再現して巨大な敵キャラを砲弾で打ち倒すステージなど、クリエーターの独創性が最大限に発揮されていて面白い。

もちろん完成度に不満のあるステージもあるが、プレイしたユーザーが「つまらない」「面白い」「独創的」などのタグをつけることが出来るため、後でプレイするユーザーは参考にできる。

自分でステージを作ることに高いハードルを感じても、それらを参考にして極めて個人的なステージを作るのもいいだろう。
現に『リトルビッグプラネット』のステージを利用してプロポーズしてしまったカップルもいる。
プロポーズのためだけのステージだなんて、実に夢があるではないか。

Game*Spark - : 世界に一つだけのステージ…『LittleBigPlanet』で永遠の愛を誓ってしまったカップル誕生 by Miu

もちろんフレンドと一緒に世界中の共有ステージを遊びまくるのもいいし、とりあえず知らない人とプレイを始めるモードもある。
その際には身振り手振り、チャットやボイスチャットなどでもコミュニケーションが可能だ。

お友達とも、見知らぬ人とも、自分ひとりでも

気に入ったデザインは“お気に入り”で管理できる。
個人的にはテキスト・ボイスチャットなどでやり取りするより、リビッツのしぐさやアクションだけでワイワイ遊ぶのが好みだ。
L2、R2ボタンを押しながらスティックを動かすことでリビッツの両手を操作できるし、フレンドのリビッツを掴んだりもできる。
また方向ボタンを押すとリビッツが色々な表情をするのも面白い。
シールやスタンプを他のプレイヤーに押したりというイタズラもできる。

今回限られたβテストの時間内では『リトルビッグプラネット』をつまみ食いした程度しか遊べていないかもしれない。
しかし、自分でも驚いたのは起動しようとしてβテスト終了を知ったときの喪失感だ。
βテスト中にとりあえず起動してから「ストーリーモードかオンラインモード、どっちにしようかなー。誰かオンしてるフレンドいないかな」と言った感覚は久しぶりだった。
何をするかは決めていないが、とりあえずプレイしよう。
自分のリビッツに会いたい。
そんな感じで、何をするかは後回しでとりあえず起動してみる。
そんな魅力が、『リトルビッグプラネット』にはある。

『リトルビッグプラネット』はPS3のマストバイ


このタイトルは筆者にとって、とても大切なものになりそうだ。
来客時にも手軽に遊べ、遊びさえすればすぐに魅力が伝わり、オンラインには常に新しいステージがアップロードされ続ける。
新規タイトルにありがちな「ここさえ良ければ」という不満点もなく、愛くるしいリビッツの動きを見ているだけでも癒されるし、色々と着飾った自分だけのリビッツなら愛着もひとしおだ。

今回は発売直前に、楽曲の一部にコーランが使用されているとして欧州・北米版回収の騒ぎがあった。
だが国内では予定通りの10月30日に発売される。

なんだか、PS3にはこんなトラブルが多い気がするが、『リトルビッグプラネット』はそんなトラブルに負けず、たくさんの人に遊んで欲しい。
きっと多くの人の心に強く残る作品になるだろう。

リトルビッグプラネット™
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