この時期、気温30度以上の地域が多い。コート上では更に照り返し気温が上昇する。
この時期になると熱中症という言葉を耳にする機会が多くなる。今年のインターハイでは男子選手が試合前の練習中に熱中症にかかり命を落としてしまったという訃報も届いている。

熱中症を決して軽んじてはいけない。熱中症は気温、湿度、風速、直射日光が原因で発生しやすい病であるが、環境要因以外でも体内に発生する熱が原因で発生することもある、やっかいな病である。

誰もが熱中症にかかる可能性はあるので、これを機に熱中症に関する基礎知識を身に付け予防に心がけ、楽しいテニスライフを送ろう!

しかし、いくら予防に心がけたとしても、熱中症にかかってしまうこともある。もし、テニスをしている最中に自ら熱中症の症状を自覚した場合、また一緒にやっている仲間が熱中症の症状が見受けられる場合には、救急車を呼ぶが、近くの病院に運ぶなど、医療機関で確実な処置を施すべきである。

熱中症とは

熱中症とは体の中と外の熱さによって引き起こされる様々な体の不調を指し、病状により以下の4つに分けられている。

■熱失神
長時間熱い中で活動したため末梢血管が広がり、前身への血液量が減少し、血圧が低下することにより、めまい、失神、唇のしびれがみられる。顔面蒼白になり、脈が速く弱くなる。

■熱疲労
脱水(大量の発汗、不十分な水分補給)による症状で、脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などがみられる。

■熱痙攣
大量に汗をかいたときに塩分が入っていない水だけしか補給しなかったため、血液の塩分濃度が低下し、足、腕、腹部の筋肉に痛みを伴った痙攣がおこる。

■熱射病
体温の上昇によって脳などの中枢神経に異常をきたした状態。意識障害(反応が鈍い、言動がおかしい、意識がない)がおこり、死亡率が高い。

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熱中症の予防方法

■環境条件に応じた、運動、休息、水分補給
湿度が高いとき、気温が上昇したときは、急激かつ長い時間での運動は避け、休憩と水分補給を頻繁に行う。

■暑さへの慣れ
急激に暑くなった時期に熱中症はおこりやすいので、体が暑さに慣れるまでの数日間は、短い時間の運動から徐々に増やすようにする。

■水分補給、塩分摂取
汗は体から熱を奪い、体温の上昇を防ぐ効果があるが、汗によって失われた水分を補給しなければ脱水症状を引き起こしてしまう。

汗がしょっぱいことは、もちろん皆さんも知っていることで、汗をかくことにより、体内の水分とともに塩分も失っているのである。運動時の水分補給はただ水分を補給するのではなく、発汗時に失った塩分も摂取することが大事である。更に、塩分以外にも「糖分」を併せて摂取するとより効果的であるので覚えておこう。

現在は飲料メーカーから、いろいろな種類のスポーツドリンクが販売されている。スポーツドリンクは発汗作用で失ってしまった、水分、塩分さらに摂取すべき糖分が一度に補給できる飲み物なので、運動をするときは是非とも飲用したい。

更に心がけたいことがある。運動前後に体重測定だ。運動による体重減少が3%を超えると運動能力や体温調節機能が低下するので、減少率が2%を超えないよう水分を補給しなければならない。

■衣類による体温調節
現在、機能素材(吸湿性、通気性、速乾性)を謳う衣類が増えているので、身に付ける衣類に気を配ることで体温調節を行うことができる。さらに、熱を吸収しない白系統の衣類を選ぶことも大事で、直射日光を避けるために帽子をかぶることも薦めたい。

■体調不良のときは運動を控える
体調が悪いと体温調節機能も低下し、熱中症になりやすいので、疲労、発熱、風邪、下痢など体調が悪いときには運動をしない。さらに寝不足も体調不良の一因になるので、睡眠もしっかりとるようにしたい。

>>次のページでは「熱中症の緊急処置」の方法を紹介します>>


まず涼しい場所に運び、水分補給。

熱中症の救急処置

■熱失神、熱疲労
涼しい場所へ運び、衣類をゆるめて寝かせ、水分を補給。足を高くして寝かせ、手足を抹消から中心部に向けてマッサージ。吐き気や嘔吐で水分補給ができない場合は病院で点滴を受けさせる。

■熱痙攣
痙攣している部分をマッサージし、さらに生理食塩水(生理食塩水とは血液・組織液と浸透圧の等しい約0.9パーセントの食塩水。水分欠乏時の点 滴、静脈内注射、注射薬の基剤や外用の洗浄剤とする。生理的食塩水。生理食塩液)を補給。

■熱射病
一刻も早く医療機関へ搬送し治療を施さなければならない。いかに早く体温を下げて意識を回復させるかが大事なので、現場の処置が重要。現場での処理は涼しい場所に運び、衣服をゆるめて上半身を高くし、座っているのに近い状態で寝かせる。

そして、体を冷却。首、脇の下、足のつけ根など、血管が皮膚表面に近いところを氷などで集中的に冷やす。水を体にふきかけ、風を送って冷やす。近くに十分な水が見つからないときは、近くに居合わせている人が持っている水筒水、スポーツドリンク、清涼飲料水などを口に含み、患者の全身に霧状に吹きかける。

以上のことに気をつけ、熱中症を避け、夏のテニスを楽しみましょう。

<参考リンク>
熱中症の基礎知識と対処法(子供の健康)


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