キャロウェイ、その革新的なイメージ

1988年に生まれたホーゼルを短くし、シャフトを貫通させるテクノロジー、S2H2「Short(短く)、Straight(まっすぐに)、Hollow(貫通した)、Hosel(ホーゼル)」。ネックの無いクラブの登場は、ゴルクラブの歴史に残る大事件だった
これまで、ブリヂストンスポーツピンと二度にわたり、メーカーのクラブフィッティングを紹介してきました。フィッティング特集3回目の今回は、キャロウェイゴルフです。

キャロウェイは、ウッドクラブのホーゼルを排除した「S2H2」、大型ヘッド(※といっても200cc以下)のメタルドライバーを大流行させた「ビッグバーサ」など、ゴルフ界の歴史を覆すような変革をもたらすプロダクツを生み出したメーカーです。プロアマ問わず使用者が多く、その革新的なブランドイメージに固定ファンも少なくありません。

名品「ビッグバーサ」以降も、チタンドライバーの優位性を証明した「グレートビッグバーサ」、さらに大型化を図った「ビゲストビッグバーサ」、高反発フェースを採用した「E・R・C」など、常にゴルフクラブの流行を生み出してきたともいえます。7番ウッドや9番ウッドなどのショートウッドを定着させたのも、先駆けて11番、13番ウッドに至るまでラインナップしたキャロウェイの功績が大きいでしょう。

女王アニカ・ソレンスタムは、プロ入り以前からキャロウェイを使用。メジャー10勝、LPGAで72勝を全てキャロウェイのクラブであげています。優勝争いを繰り返しながらメジャーに勝てなかったフィル・ミケルソンが、キャロウェイ契約後にメジャーで3勝をあげ、真のトッププレーヤーに成長したのも有名な話。

アマチュア向けでやさしいというイメージがありながら、トップクラスでも優れた成績をあげているところも大きな魅力といえるでしょう。

キャロウェイはもともと充実したスタジオを備えるなどして、フィッティングに力を入れていたメーカー。2008年に港区白金台に移転してからは、高級車のショールームのような洗練された、広く快適なパフォーマンスセンターにさらにグレードアップしました。

今回からは、キャロウェイのクラブフィッティングとパッティングのフィッティングを紹介します。

>>次は、I-MIXについて>>

組み合わせ可能! キャロウェイ「I-MIX」

ゴルファーの手で手軽にヘッドとシャフトの組み換えが可能な「I-MIX」
以前紹介したピンのフィッティングでは、「アドバンスフィッティングシステム(AFS)」という、ヘッドとシャフトをその場で付け替えて、最適スペックをさがす仕組みを紹介しました。これは、ピンのフィッティングのみで利用可能です。

ヘッドとシャフトを組み変えるというコンセプトでいえば、キャロウェイの「I-MIX」がよりポピュラーでしょう。ピンとは異なり、組み合わせ用のヘッドとシャフトを多数ラインナップし、実際にユーザがヘッドとシャフトの組み換えが出来る機能を本格的に展開しています。

ヘッドとシャフトの組み換えが可能な「I-MIX」はメーカーによると、体調や天候、コースコンディションにあわせて、ベストなヘッドとシャフトの組み合わせをチョイスしようというものです。

例えば強風時には、ロフト角の小さいヘッドや低弾道になりやすいシャフトを選択したりします。上達したり、トレーニングの成果が出ると重めで硬いシャフトに変えたり、冬の寒さで体の動かないときには軽めで軟らかめのシャフトを選択するなど、様々なシチュエーションで活躍可能です。

キャロウェイ「FT-9ドライバー」の「I-MIX」専用ヘッドは、ロフト角が0.5度刻み4種類に加え、ドローとニュートラルというボールのつかまり方の異なるヘッド特性が2種類と、ヘッドだけで8種類がラインナップされています(※一部受注生産)。

シャフトも自分で脱着可能で、ヘッドと組み合わせできる「I-MIX」専用のシャフトがラインナップ。「TOUR AD」「ROMBAX」「Diamana」といった人気の高いシャフトももちろん取り揃えています。

こうした機能がクラブフィッティングに有効なのは、前回ピンでの取材でも証明されています。今回も自分に合うスペックをチョイスするべく、多くのヘッドとシャフトを組み合わせ、フィッティングを行いました。

>>次は、弾道解析器をチェック!>>

優れた弾道解析

アメリカ本国でも使用されている弾道解析システム、CPAS(Callaway Golf Performance Analyze System)。
キャロウェイパフォーマンスセンターの大きな特徴は、「I-MIX」を駆使した試打クラブのスペックの多さ。もうひとつは、弾道解析を行う計測器です。

弾道解析器は、既に多くのメーカーで採用され、ショップ向けや個人向けなどの小型なものも登場しており、それらを使ったフィッティングもすでにポピュラーになっています。しかし、アメリカのテストセンターで採用されているものと同じCPAS(Callaway Golf Performance Analyze System)というキャロウェイパフォーマンスセンター内の解析器は、これまでのものに比べて、さらにワンランク上の詳細なショットの分析が可能。

一般的な弾道計測器では、ヘッドスピード、ボールスピード、スピン量、打ち出し角、推定飛距離などが表示されるのが一般的です。キャロウェイの計測器では、さらにAttack AnglePath AngleAPEX、さらにEFFICIENCYを計測可能。ほとんどが、聞きなれない言葉ですが、これがわかれば、さらに自分のスイング傾向がわかる要素です。

アタックアングルやパスアングルなど、これまで以上のスイング解析が可能に…
Attack Angleとは、地面の水平に対してのヘッドの入射角のこと。上からの軌道でボールをとらえる、いわゆるダウンブローの軌道でマイナスの数値が出ます。エネルギー効率の高い緩やかな入射角が、最近のトレンドです。

Path Angleとは、ターゲットラインに対してのヘッドの入射角のこと。インサイドからヘッドが入ってくるとプラス数値、スライスや引っ掛けの要因として嫌われるアウトサイドインと呼ばれる軌道では、マイナス数値として表示されます。出来るだけターゲットラインに沿った角度でヘッドが入ってくるほうが、ストレートに近くエネルギー効率も高いスイングになるといえます。

APEXとは、弾道の頂点までの高さ。ヘッドスピードなどに応じて、最大飛距離を生む適正な高さがあり、高すぎても低すぎても飛距離をロスします。

EFFICIENCYは、エネルギー効率。ヘッドスピードなどから考えられるそのゴルファーのベストポテンシャルを100%として、どのくらい効率の良いショットが打てているかを分析します。

APEXとEFFICIENCYは、クラブフィッティングにおける新しい指標と言えそうです。より適正な弾道の高さと、より効率の良いショットが打てるクラブとスペックになるよう試打を繰り返します。

>>次は、実際のフィッティングについて>>

スイングの傾向とマッチするクラブとは?

キャロウェイパフォーマンスセンターに用意された膨大なフィッティング用クラブ。フィッターさんによれば、これだけの数と「I-MIX」を駆使しても試打クラブは足らないくらいだとか。フィッティングは奥深い…
さて、実際にガイドも試打を開始。特性の違うヘッドやシャフトを組み合わせて、様々な性格を持つクラブを打つことで自分のスイングの傾向にマッチしたクラブを選ぶことが可能になります。

ウッド、アイアンを試打してみたガイドのスイングの傾向は、Attack Angle(地面の水平に対してのヘッドの入射角)が、アイアンではマイナス3度くらいでダウンブロー気味。ドライバーでは、逆に3度程度プラス数値でした。理想は、もう少し緩やかな入射角が好ましいといえそうです。

Path Angle(ターゲットラインに対してのヘッドの入射角)は、プラス5度程度で完全なるインサイド軌道。軽い左曲がりのサイドスピンがかかっているため、右に軽く打ち出してすこし左に戻ってくるような弾道です。

もっとも特性が大きく異なるクラブを交互に打つと、当然ながら左右にボールは曲がります。

例えば、かなりつかまりにくい特性を持ったヘッドとシャフトを組み合わせたクラブで打つと、右に打ち出したボールは、そのままスライスして大きく右にいってしまいます。こうして試してみると、クラブと自分のスイングとのマッチングの大切さを改めて感じます。

ガイドのスイングを、キャロウェイゴルフのフィッティングスタッフさんにみていただいたところ、「ヘッド軌道、球筋とも安定しているものの、打点の微妙なバラツキがある。そのためアイアンでの数ヤードの縦の距離の差になっている」という指摘を受けました。

打点のバラツキには、様々な理由があるようですが、使用しているダイナミックゴールドシャフト(120g程度)が重いために、ダウンスイングにあまり余裕がないのではということで、少し軽いM10 DBシャフト(110g)を勧められました。

おすすめのアイアンとなった「X-22 TOUR」。スイートエリアが広くミスに強いが操作性が確保されたモデル
また、スイートエリアの広いモデルであれば、多少の打点のバラツキもカバー可能ということで、やさしさを確保しつつコントロール性の高い「X-22 TOUR アイアン」を勧められました。Myアイアンと比べると、なんと10ヤード以上も安定して飛距離アップする結果に。

飛距離アップは、シャフトが軽量になったことと、両モデルのロフト差もあるため、一概には言えない部分もありますが、適切なアドバイスに大変納得しました。

豊富な試打スペックと、詳細な弾道計測結果、そしてなによりフィッティングのスペシャリストであるキャロウェイのスタッフさんの見る目が一体となって、より適正なクラブ選びが可能になります。こうした要素は、どんなメーカーさんのフィッティングにも共通していると思います。

次回は、パッティングのフィッティング。今年2009年7月にオープンしたばかりの「ODYSSEY PUTT LAB」(オデッセイ パット ラボ)について紹介します。



<関連リンク>
体験!クラブフィッティングPING編1
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