いよいよSLEルールが施行

2001年に発売。高反発で人気となったヨネックス「サイバースター3000」
これまで何度も取り上げてきた高反発ドライバーの規制、いわゆるSLEルールが、いよいよ2008年1月から施行されます。SLEルールとは、「スプリング効果(Spring-Like Effect)」を持ってはならないというゴルフ規則の条項に数値的な基準を設けたもので、クラブフェースの反発係数(COR)が、0.830以内でなくてはならないというルールです。詳しくは、「施行間近!SLEルールを知ってますか?」をご覧ください。

2008年からというタイミングは、実は2002年に決まっていたことなのですが、最近になってようやく知ったゴルファーも多いのではないでしょうか? ガイドも仕事柄、ルールについての質問や現在使っているクラブがルールに適合しているかという問い合わせが多く寄せられています。

すでに対策が万全のゴルファーも多いかと思いますが、今回は、施行直前のSLEルールを乗り切るため、ルールのおさらいとルール関連の最新情報を紹介します。

SLEルール施行の経緯

そもそもSLEルールが誕生したのは、1998年にさかのぼります。当時は、アメリカなどのルールをつかさどるUSGAのみでのルールでした。

日本やヨーロッパなど世界のゴルフルールを定めるR&Aで採用されることに決定したのが2002年で、「R&AとUSGA、ゴルフ用具規則基本方針およびスプリング効果規則に関して合意」によって、2008年1月から反発係数が基準値(0.830)を超えるドライバーはゴルフ規則で不適合となることが決定しました。

しかし、日本ではそのルール決定がかえって高反発ドライバーへの興味をそそる形となりました。ルール違反になるほど飛ぶドライバーということで、高反発のモデルは大変人気となり、各メーカーはこぞって反発係数の基準値0.830をどれだけ超えるかを競いました。結局、2006年あたりまで多くのメーカーが高反発ドライバーをラインナップ。2008年の施行までは、積極的に高反発ドライバーの飛距離を楽しもうというわけです。飛距離にこだわる日本人ゴルファーならではの現象といえるでしょう。

>>次は、プライベートゴルフについて>>

ルールはどこまで適用?

既に、日本オープンなどの公式競技などでは、先んじて高反発クラブへの規制が実施されています。SLEルールの基準を超える高反発ドライバーを使用すると、重大なルール違反とみなされ競技失格となります。これは2008年以降全ての競技で適用されます。

また、高反発クラブを使用した場合はスコアも正式なものとして認められず、ハンディキャップ取得が出来ないなどの処置を受けます。

現在、高反発ドライバーを使用し調子の良いゴルファーは出来ればクラブを替えたくはないでしょう。わざわざ高額なクラブを購入して、飛距離が落ちては納得できかねると思います。

そんなゴルファーからは、「競技に出なければ使ってもいいのでは?」という声も多く聞かれます。ゴルフショップやゴルフ場でもプライベートのゴルフであれば問題ないというニュアンスで、説明しているところもあるようです。これに関しては、日本ゴルフ協会から見解が出ているので引用してみましょう。

ゴルフ規則は世界共通の規則であり、ゴルフをプレーするための規則です。競技であるかプライベートであるかは関係ありません。スプリング効果の基準値を超える高反発クラブは2008年1月1日以降ゴルフ規則に不適合となるのでゴルフゲームをするのであれば使用することはできません。また、高反発クラブの使用を認める競技の条件やローカルルールの制定も認められません。(JGA 日本ゴルフ協会ホームページhttp://www.jga.or.jp/より)

これによれば、例外を認めず全ゴルファーが、ルール適合クラブを使用することを義務付けられているといえそうです。

>>次は、ルール施行の現実は?>>

ルール施行の現実は?

勾配計測機能のある「ピンシーカースロープ」。勾配の計測はゴルフルールに違反する
ルールを守ることは、スポーツの大原則。どんなスポーツもルールの遵守なくしては成立しません。上記の見解から鑑みると、現在高反発クラブを使用しているゴルファーは、ルール適合クラブに買い換えなくてはゴルフが出来ないということになります。

一方で、現状行われているプライベートゴルフでは、ルールに沿っていないこともしばしば行われているのも事実。修理地や動かせない障害物への救済などに厳密にニアレストポイントを設定して、ドロップしているゴルファーは果たしてどのくらいいるのでしょう?

競技以外のプライベートゴルフでは、なかなかいないのが実情です。

プレーの進行を円滑にするために一般的に使用されている前進4打ティー(※OBを打った後、打ち直ししたと仮定して、そこから4打目を打つために設置された日本のゴルフ場独特のティーグラウンド。)や、乗用カートに組み込まれたGPSシステムによる距離計測機能なども明らかなゴルフルール違反です。それをゴルフ場が率先して行っている現状があります。

繰り返しになりますが、ルールを守ることは大切です。しかし、他のルール違反をそのままにして高反発ドライバーだけを吊るし上げにして、ゴルファーに負担を強いることには、やや疑問が残ります。

現実的には、高反発ドライバーを使用したからといって、すぐにゴルフ場から締め出されたり、プレーさせてもらえないなどということは、考えにくいでしょう。そして将来的には、流通する全てのクラブがルール適合になるものと思われます。

2002年にルール施行を2008年に決定したのは、十分な移行期間を設けるという配慮だったのですが、結果的にルール施行ギリギリまで、高反発ドライバーを市場に供給し続けたゴルフメーカーの存在もあり、今日に至っていまだにやや混乱しているようです。

次回は、FW・アイアンの高反発規制について。SLEルールをさらに掘り下げます。



<関連リンク>
ついに施行!SLEルールを最終確認2」(All Aboutゴルフ)
施行間近!SLEルールを知ってますか?(All Aboutゴルフ)
ルール施行あと一年! 最新ドライバー事情(All Aboutゴルフ)
SLEルール施行前! NEWドライバーの傾向は?(All Aboutゴルフ)
2007年上半期NEWドライバー徹底総括(All Aboutゴルフ)
ドライバーは超大慣性モーメントの時代へ(All Aboutゴルフ)