さくらパパと賭けゴルフ

先日発売された『週刊新潮』2007年8月30日号には、ゴルフにかかわる仕事に携わる者としては、ショッキングな記事が掲載されていました。それは“さくらパパ”の愛称で知られる横峯さくらプロの父、先日の参議院選挙で当選した横峯良郎氏の賭けゴルフに関する記事でした(本人は過去に小額の賭けゴルフを行ったことは認めているが、『週刊新潮』に掲載された額には大きな開きがあるとして新潮社を名誉毀損で提訴)。

多くのゴルファーにとって知っておきたいのが、賭けゴルフに関する知識です。「ナッソー」や「チョコレート」、「オリンピック」など多くの用語があることでもわかるように、古くからゴルフは「賭け」を伴いながらプレーされてきた歴史があります。多くのゴルファーが少量のベットに参加した経験を持つのではないでしょうか? 今回は、多くのゴルファーにぜひ知っていただきたい賭けゴルフに関する知識を紹介します。

賭博罪の適用

まず知っておきたいのが、金額の大小に関係なくすべてての賭けゴルフは、刑法で定められている賭博罪に該当します。

賭博とは、「偶然の勝負に関し財物を持って博戯又は賭事をすること」(『法律学小辞典』 有斐閣)と定義されています。賭博は射幸心を煽るという見地から法律で禁止され、金銭の場合は1円でも賭博罪が適用されると言われています。ゴルフは明らかに「偶然の勝負」と認定できるので、賭けゴルフは賭博罪と考えれますが、実際には警察・裁判所の判断が必要です。現に数千円といった金額で書類送検された例も存在します。

>>次は、実例の紹介>>

馬券も賭博罪の対象に

楽しいコンペにも落とし穴が…
昨年2006年、某有名電機メーカーの事業部内でゴルフコンペを行った際、賭博を行ったとして社員43人と関連会社社員18人の計61人が書類送検されるという事件がありました。

その内容は、参加者を4人1組の枠に分け、スコア合計が少ない枠を予想する方式。1口200円で的中者が配当金を受け取ります。このケースでは、1口200円で537口が集まり、3000円程度の配当金が渡されたと言います。61人の中には、実際にプレーしたゴルファーだけでなくベットにのみ参加した人も含まれます。

この例は、「馬券」といわれ勝ち馬に投票する昔からよく行われていた方式です。「小額の賭け事にまで賭博罪を適用するのは行き過ぎ」という考え方もあり、個別の事例によって解釈の余地がありますが、上記の場合は違法行為として認定されています。

刑法では、「一時の娯楽に供するもの」をかけた場合は賭博罪は不成立になると規定されています。例えばお昼ご飯や売店でのジュースを賭けたりする場合は、賭博にならないと考えられます。またコンペで商品が出る場合も問題ないようです。もちろん個々の事例によって警察・裁判所の判断があると思われます。

>>次は、賭けゴルフが明るみに…>>

ゴルフは賭け事の対象ではない

これまで賭けゴルフが問題になったのは、多くの場合、代議士など公職にある人物が行っているケースです。選挙によってその職についている彼等が脱法行為を行っているとしたら大変なダメージとなります。上記の電気メーカーの場合もそうですが、賭けゴルフが明るみに出る場合は大抵リークによるものなのです。もちろん行った本人の責任であるのは言うまでもないこと。李下に冠を正さずといきたいところです。

賭博罪は50万円以下の罰金又は科料に処せられます。さらに重い常習賭博罪は3年以下の懲役です。立件されるような事があれば、それなりの対価を払うことになります。

賭けゴルフは“握り”と呼ばれ、多くのゴルファーに親しまれてきた歴史を持ち、精神的に強くなるなどの効果も喧伝されていますが、やはり法律遵守の姿勢は大切。いわゆる賭博などの脱法行為とゴルフが結びつくのは、世間的にも大変なイメージダウンで、ゴルフというスポーツにダーティーな印象を持たれかねません。

そもそもゴルフはベットなしでも楽しめるスポーツ。最近では、賭けゴルフ一切禁止を明確にうたっているゴルフサークルなども増えており、ゴルフを賭け事の対象ではなく、純粋なスポーツとして楽しもうとする機運も高まっています。“握り”なしのゴルフを、これからもガイドは強く推奨していきたいと思います。



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ゴルフを楽しむためのベットを幾つご存知?(nikkeibp net)
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