ショートウッド人気の理由

ロングアイアンの距離をやさしく打つことができるショートウッド(※写真は本間ゴルフ「BERES MG711 9番ウッド」)
20年前、ウッドといえばドライバーに3W・4W・5Wという4種類が一般的でした。しかし、「ショートウッド」と呼ばれる7Wや9Wが本格的に登場し、アマチュアはもとより女子を中心としたプロゴルファーも積極的に使用したことで、より多くの種類のウッドが認知され、ゴルファーのクラブセッティングの選択の幅を広げています。

また同じように新しいカテゴリーのクラブとして登場したユーティリティークラブを使用することも、新しいクラブセッティングとして脚光を浴びました。現在では、多くのゴルファーがロングアイアン(2~4番アイアンの通称)を抜き、ショートウッドやユーティリティークラブをバッグに入れるようになっています。

このようにショートウッドやユーティリティーが広く認知され人気となった理由、それはこれまでセッティングされていたロングアイアンが、とても難しいクラブであるためです。ロングアイアンは打球があがりにくいため、しっかりした飛距離を出すためには相応のヘッドスピードが必要になります。またスイートエリアも他のクラブに比べて狭く、ミスヒットの確率も高くなります。

そこで今回は、ロングアイアンの距離を易しく打つことができ、ゴルファーの力強いお助けアイテムとなったショートウッドとユーティリティークラブについて考えます。

>>次は、ショートウッドとプロゴルファーについて>>

ショートウッドとプロゴルファー

タイガー・ウッズが使用する「ナイキ イグナイトT60」。タイガーもロングアイアンからやさしいウッドにスイッチしている
今から10年ほど前、男子プロゴルファーの最も一般的なクラブセッティングは、ウッドがドライバーに3Wの2本。アイアンは2番アイアンからの11本にパターというものでした。難しい2番アイアンを打ちこなす技術は、まさにプロゴルファーともてはやされたものです。

女子ではアニカ・ソレンスタムが7W・9Wを早い時期から使用していました。現在のツアー屈指の飛ばし屋の姿からは信じられないことですが、当時のソレンスタムは華奢で他の選手と比べても飛距離の出ない選手でした。自らのパワー不足を道具で補っていたのです。

日本では、片山晋呉選手が当時男子プロとしては非常に珍しかった7Wや9Wを駆使してバーディーを量産したため、易しいクラブとしてのショートウッドは一気に注目を浴びました。その後、アメリカツアーで活躍する丸山茂樹選手が、これまでの1Wと3Wというセッティングから、1W・3W・5Wのウッド3本、アイアンは3番アイアンからという組み合わせに変更しました。これは現在、男子プロのセッティングの主流となっています。

アメリカでは、パワーヒッターのヴィジェイ・シンが7Wを使用したり、世界のプロゴルファーの中でも最も飛距離の出る選手の一人であるタイガー・ウッズが2番アイアンに替えて、5Wを使用しています。タイガーにとってさえ、2番アイアンは決して簡単なクラブではなく、確率を考えると5Wを使用したほうが良いということです。この事は我々アマチュアにとって、ロングアイアンの使用をためらわせるような事実と言えるでしょう。

>>次は、ショートウッドの機能について>>

ショートウッド、その易しさの秘密

ショートウッドはロングアイアンに比べ、低重心・深重心の特性を持っている
ショートウッドが、ロングアイアンと比べて特に優れているのは、打球があがりやすい事とスイートエリアが広くミスヒットになりにくい点です。ショートウッドは、アイアンに比べてスイートエリアを広く出来る利点があり、またヘッドの重心位置が低いいわゆる低重心であるため、同じロフト角のアイアンと比べてもはるかに高い弾道のボールを打つことができます。ロングアイアンの特性である打球が上がりにくい、スイートエリアが狭くミスショットが出やすいというデメリットを補う性能を有しています。またソールがすべりやすく、多少手前からのボールヒットでもミスにならず、ラフなどのボールの状態が悪いところでも比較的容易に打つことができます。

実は、ボールの曲がりにくさという点ではロングアイアンの方に分があるといわれています。また打球が低く出ることは、風に強いボールが打てるということでもあります。

アイアンが得意なゴルファーや方向性を特に重視するゴルファーのなかには、2番からのロングアイアンのセッティングにこだわる人もいます。それぞれのクラブのメリットとデメリットを考え、戦略的にクラブセッティングが出来ると、ゴルフの楽しみの幅も広がります。

>>次は、ユーティリティークラブについて>>

ユーティリティークラブ

ユーティリティの歴史を彩った「キャスコ パワートルネード」。写真は4代目の「FG」
ウッドが苦手で、ショートウッドを使いづらいというゴルファーは、ユーティリティークラブを使用すると良いでしょう。ユーティリティーは、性能的にも形状的にもウッドとアイアンの中間に位置するクラブで近年になって一般的になった新しいカテゴリーのクラブです。

それまでにもユーティリティーに類するクラブは存在しましたが、ほとんど認知されず、現在のように一般的になったのは日本のゴルフメーカーが精力的にユーティリティーをラインナップしたためです。その点ではユーティリティークラブは日本のゴルファーのニーズによって生まれたカテゴリーといってよいでしょう。2002年には世界でもトッププレーヤーの一人であるアーニー・エルスが契約外の日本メーカーのユーティリティークラブを使用するという事件があり、その優位性を内外に知らしめました。

1997年の全英オープンで丸山茂樹選手がPRGRのZOOMを使用し、ユーティリティークラブの人気に火をつけました。ショートウッドのラインナップの充実などの理由から一時期に比べ人気は落ちてしまったものの、アメリカのメーカーでも「Hybrid(ハイブリッド)」クラブという名称でラインナップし始めたことと、技術革新による性能の向上から再び使用するゴルファーが増えてきています。

ユーティリティーは、アイアン型とウッドとアイアンの中間の形状をした2種類に大別できます。

ドライバー、FWという流れに沿ってユーティリティーをセッティングするゴルファーは宮里藍選手のように中間形状のユーティリティークラブをセッティングしましょう。アイアンが得意で、アイアンの流れでユーティリティーを使用したいゴルファーは、アイアン型を選びましょう。アイアン型ユーティリティーはロングアイアンに比べスイートエリアが広くミスショットに強くなります。またシャフトがロングアイアンに比べ長い場合が多いので、飛距離アップも期待できます。

>>次は、ショートウッド・ユーティリティークラブの選び方>>

ショートウッド・ユーティリティークラブの選び方

ショートウッドやユーティリティークラブを選ぶのに迷うのが、自分に必要な番手がよくわからないことではないでしょうか?選ぶポイントは自分が打ちたい距離の出るクラブを選ぶということです。

ショートウッドであれば、アイアンの番手と照らし合わせて必要な番手を選びます。大まかな目安として、5番ウッドは2番アイアンとほぼ同等の距離が出ます。7番ウッドは3番アイアン、9番ウッドは4番アイアン、11番ウッドは5番アイアンの距離が目安になります。

オススメのセッティングは、「1W・3W・5W・7W」というウッド4本セットです。「3番アイアンは無理でも4番アイアンなら何とか……」というゴルファーは多いもの。アイアンは4番からセッティングします。ヘッドスピードの速くないゴルファーは、3Wが難しくなるので「1W・4W・7W」というウッド3本セットもオススメです。番手間の距離が大きいのでそれぞれのクラブの役割はより明確になります。

ウッドに比べるとユーティリティーはさらに選択が難しくなります。ユーティリティーは、メーカーやモデルによって番手の表記が異なるためです。Aというメーカーの3番は、他のメーカーの5番に相当する場合もあります。ユーティリティーの飛距離の目安は、以上のような理由から番手が参考にならないので、ロフト角を基準にします。

ロフト角が22度であれば、4番アイアンとほぼ同じです。しかし、アイアンに比べてユーティリティーは1インチ程度シャフトが長いことが多いので、飛距離は3番アイアン相当になります。ロフト角と飛距離の目安は、メーカーのカタログやホームページに記載されることも多くなってきたので、積極的に利用しましょう。

グリーンまで170~200ヤード強の距離は、ゴルファーにとってなかなかタフな状況です。しかし、ティーショットの失敗や長いミドルホールなどで遭遇することの多いシチュエーションでもあります。力んでロングアイアンのショットをミスするよりも、ショートウッドやユーティリティーを利用して、効率よくスコアをまとめましょう!



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