「毎日が不安と焦り」仙女が辿り着いた1周年

センダイガールズプロレスリングがいよいよ1周年を迎える。里村の生き様に刮目せよ
ガイド:いよいよ、センダイガールズプロレスリングが1周年を迎えます。里村選手はもちろん、1年前にデビューした新人選手にとっても、1年間の成長をアピールする大事な一戦となりそうですが、この一年を振り返ってみていかがですか?

里村:はい。全てが本当に0から出発した感じでした。新人も思うように集まりませんでしたし、ようやく入った新人達も全く体力がなく、当時は、高校在学中の子もいました。本当にもう一から教えましたね。礼儀から基礎体力まで・・・。

ガイド:最初はどんな練習からスタートしたのですか?

里村:ランニング、筋力トレーニングといったところからでした。

ガイド:でも、それらは里村選手がガイアに入門した時には、全てできていたことですよね?

里村:そうですね。ただ、自分の場合は応募も多かったですし、同期でも長与さんに憧れていた人が凄く多くて、応募で200人くらい、オーディション受けたのが40人くらいいました。だから、これで落ちたら先がないという感じで必死にやってましたね。

ガイド:里村選手がガイアに入団した当時と、今とでは環境から何から違うと思いますが、一番違った点というのは?

里村:例えば、普通だったら入門の時点で基礎体力は付いている筈ですから、受け身なんかはすぐできるんですけど、うちの子達は、受け身を取らせたくても首が細くてやらせることができないんです。だから、首を太くするだけでも、まず2ヶ月くらいかかりましたね。

ガイド:今の練習生に、当時の様な厳しい練習というのは、なかなか難しいと思いますし、また、“現代っ子”とでも言うのでしょうか、その子達の扱い方というのも一筋縄ではいかない。ただ単に厳しい練習をすればいいというものでもなくなってきましたよね?

里村:自分の場合は、ほぼ個別指導でしたね。“できない者はやめろ”っていうのではなく、その子達のレベルに合わせて、マンツーマンで日々やっていました。

ガイド:既に旗揚げ戦の日も決まっていましたので、憤りもあったのではないですか?

里村:毎日が不安と焦りでした。

ガイド:運営的なことや、大会の準備の方なんかは?

里村:それは社長の方でやって頂いたりもしましたので、自分の方では選手の育成や宣伝をしていました。

ガイド:その後、もう一人練習生が入ってきましたね。

里村:はい、練習生(金成知佐子)の妹(金成幸子)だったんですけど、2月に入門してきまして、4人になりました。

ガイド:その子も最初は何もベースがない状態だったのですか?

里村:全くですね。何もスポーツ歴がないので・・・、いや、全員なかったです(苦笑)

ガイド:見方によっては何も色が付いていない状態ですよね?

里村:そうですね。凄く素直に物事を吸収してくれましたし、ちゃんと言うことを真っ直ぐ受け止めてくれたので、伸びは早かったと思います。

「自分の団体だけはコンセプトを変えずに守りたい」

ガイド:実際の旗揚げ戦では地元メディアも駆け付け、新人選手のデビュー戦にも注目が集まりましたが、里村選手もデビュー戦は注目されました。何か相通ずるところはありましたか?

里村:自分も15歳でデビューした時は、新しい団体の旗揚げ戦でしたから、同じ状況を分かっていましたし、「今はホームシックの時期だな」とか、気持ちは分かっていましたね。

ガイド:実際、彼女達のデビュー戦は、里村選手の目にどのように映りましたか?

里村:あの子達がリングに立ったとき、対戦相手が全員ベテラン選手だったんですけど、相手と向かい合った時に物怖じせず睨みつけた時は、厳しくしてよかったと思いました

ガイド:よく練習に付いてきてくれましたよね。でも、自分はガイアガールズ〔※1〕を見ていたんで(苦笑)

里村:えっ、ガイアガールズ、見られたんですか???そこまで厳しくはないです(笑)

ガイド:個人的には、あの中で里村選手や先輩選手が後輩に厳しいのは理解できるのですが、「似合うよ、似合うよ」って言いながら、何の躊躇もなく後輩の髪をバッサ、バッサと切り落としていく“本サイトのコラムコーナーでもお馴染み”広田さくらさんの方がある意味怖かったです(笑)

里村:うーん、凄い団体でしたね(苦笑)

ガイド:さて、その甲斐あって、現在では、新人選手も成長し、仙台という街にも仙女の名前が根付いてきました。

里村:仙台ではセンダイガールズを知らないという人がいないというくらいにはなったと思います。後は、地道ですけど、自分達が試合で毎回スキルアップしたところを見せて、いずれは女子プロレスといえば、センダイガールズという様にしていきたいですね。

ガイド:女子プロレスという話も出ましたが、ガイアの解散後、一度は語学留学を考えたと伺いました。里村選手は、当時の女子プロレス界にどのような印象を持っていましたか?

里村:自分がこの世界にいながらも低迷していった事実はありますし、葛藤もありました。けど、自分がずっと変わらないものというのは「この世界が好き」ということなんですね。力を貰えるし、夢を与えられる職業だと思うんです。音楽や他のスポーツに代わることなく、誇りを持っていますし、そんな素晴らしい女子プロレスの世界なので、自分自身「このままでは終われない」なっていう気持ちもありました。だから、団体は解散しましたけど、いつかまた女子プロレスで華を咲かせたいと思っていましたね。

ガイド:現在の女子プロレスでは、固定ファンにしか分からないようなマニアックなストーリーであったり、選手自身も現状に満足している様なところも多く見えます。里村選手が目指す仙女の方向性というのは?

里村:理想の団体として、15歳の時に想い描いていたプロレス像というのがあって、それは今も変わらないんです。会場に入った時に超満員のお客さんがプロレスで熱狂している姿が目に焼きついていて、いつか自分もこういう風に闘いで人を感動させたいってずっと思っていました。だからこそ、センダイガールズを作った時も、今は力が弱いですけど、そうなりたいという理想は変わらないですよね。今は団体も多いし、ファンの人は混乱するかもしれないけど、自分の団体だけはコンセプトは変えずに守っていきたいというのは考えています。

ガイド:その基盤となる、仙台という土地柄はいかがでしたか?

里村:結構、人の出入りが激しいですし、興行的には厳しいんですよ。東北の人達は、本当にいいものにしかお金を出さないんです。でも、その中で、今やれることっていうのは何のパフォーマンスもなく、自分達の実力を見せているだけですし、今後も、ありのまま変わらずに、アスリート色の強いプロレス団体にしていきたいですね。

「プロレスの“王道”をいきたい」

「団体のトップなんだなって考えた時に、絶対気を抜いちゃいけない」と語ってくれた里村
ガイド:現在、里村選手はどのようなスケジュールで活動されているのでしょうか?

里村:10時から夕方5時までは練習時間ですね。ほぼ一日練習時間にしています。後は、その中で取材したり、ラジオとかメディア関係の仕事もして、それ以外は、本当に朝から付っきりで練習しています。最近では指導というより、一緒に練習するようにもなっていますね。もちろん、夜に自分の練習をする時もありますけど。

ガイド:選手と一緒に練習するようになって、また、成長も感じられるのではないですか?

里村:最初は一緒にやることが考えられなかったですからね(笑)。でも、最近はスパーリングをやっても手ごたえがあって“強くなってきたな”と感じています。

ガイド:更に、新人メンバーも増えたとお聞きしました。

里村:今は後輩が5人。今また新しく新人1人なんですが、今度、ガイアにいた水村綾菜〔※2〕が仙女でデビューするんですよ。また、選手としてやりたいということで。

ガイド:そうですか!それは素晴らしいニュースですね。また、練習でも、水村選手が入ることで、今の選手にもライバル意識が芽生えるんじゃないですか?

里村:面白いですよ!バチバチでやっていますね。水村はガイアでデビューしたプライドがあって、仙女の選手にもここでデビューをしてやってきたというプライドがありますから。これがぶつかり合って、スパーリングにも熱が入っていますね。

ガイド:そんな選手達も、間もなくデビュー1周年ですか・・・。ずっと成長を見てきた里村選手にとって、心情的に親心もあって、可愛さ余って、ついつい甘くしてしまいたくなる時なんかもあるのではないですか?

里村:そうなんですよね。先輩としてものを言う時と、親としてものを言う時。たまに、自分の立場が分からなくなる時もありますけど、それが団体のトップなんだなって考えた時に、絶対気を抜いちゃいけないなって思います。一人一人、常に「この子はこう考えているのかな」とか、気持ちや状況を見てあげることを意識しながら、本当に日々勉強ですね。

ガイド:また、選手里村としても満身創痍の状態で、ケガとも闘いながら一年間駆け抜けてきたと思います。ご自身ではどのように評価していますか?

里村:今の女子プロレスのトップではなく、スポーツ界全体で女子プロレスをスポーツとして見てもらうのが目標なので、まだまだですね。

ガイド:この辺りは何年やっても満足しない?

里村:満足しないですね。こればっかりは・・・。

ガイド:試合でも納得することはない方ですか?

里村:その日の試合で納得することはありますけど、もっと多くの人に見て貰いたいっていう欲があったり、それ以上に反省点が生まれたりしますね。

ガイド:それでも、里村選手のファイトスタイルはデビューから一貫していますよね。

里村:こんな言葉を簡単に使ってはいけないんですけど、プロレスの“王道”をいきたいです。自分はいつでも相手と正面からぶつかりたいので、身体は小さいし、不器用ですけど確実に力をつけて闘っていきたいという思いはあります。

ガイド:さて、7月22日にはいよいよ旗揚げ一周年興行を迎えます。仙女はフランチャイズということもあり、全ての試合が“ホーム&アウェイ”となる訳ですから、当然、仙女のエース里村が勝てば、地元のファンの方は喜びます。

里村:そうですね。もともと地元は仙台ではないですけど、今はもう仙台の人間です。女子プロレスの大一番の舞台で自分が優勝することで、全国から「センダイガールズってどんな団体なんだろう?」って気になって貰えますし、今回は絶対に優勝しなければならないなと思っています。

ガイド:しかし、ご自身も選手として大一番を控え、水村選手もデビューをする。新人選手も1周年を迎える。興行のことも考えなければいけませんし、ある意味、仙台をも背負ってもいる訳ですから、その苦労たるや半端じゃないですね?

里村:本当にどこまでやればいいのか分からない状態ですね(笑)

※1:ガイアジャパンでレスラーデビューを目指す、竹内彩夏(現在は引退)に密着したドキュメンタリー映画。その異常なまでに過酷な練習の日々は衝撃の一言。必見。/2000年106分 監督:ジャノ・ウィリアムズ

※2:2004年11月3日にガイア・ジャパンでデビュー。団体の解散が決まっていながらも、プロデビューの道を選んだ。解散後は、地元に帰り、スポーツトレーナーを目指す予定だったが、仙女で復帰を果たすことに。

<センダイガールズプロレスリング旗揚1周年記念大会開催>
『戦場 WARトーナメント 準決勝及び決勝戦』

日時:7月22日(日)試合開始17:00
場所:宮城・仙台サンプラザ
当日券情報:15:00から販売開始
SS席  :一般 8500円/小中高 4500円
S席   :一般 6500円/小中高 3500円
2階指定席:一般 6500円/小中高 3500円
3階指定席:一般 4500円/小中高 2500円
3階自由席:一般 3500円/小中高 2000円

<関連リンク>
センダイガールズプロレスリング公式サイト
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